概要・あらすじ
昭和45年の東京で、16歳のありま猛はボルトナット工場で働きながら、漫画家を目指していた。ある日、ありまは「少年キング」に掲載されていた、あだち勉の『ベンキくん』という漫画に衝撃を受ける。自分が描きたい絵柄はこれだと確信したありまは、自分の漫画をあだち勉に郵送する。すると後日、勉から批評と修正つきで原稿が帰ってきた。以後、ありまはせっせと漫画を描き、勉とやりとりを続けた。そんなある日、勉から「遊びに来たら」という手紙を受け取ったありまは、さっそく勉を訪ねる。勉は、駒場東大前にある6畳一間の安アパートで、弟のあだち充と共同生活をしていた。勉に弟子入り志願したありまは、1週間後からアシスタントとして働くことになる。こうしてあだち兄弟に出会ったありまは、勉の破天荒な行動に振り回されることになる。
登場人物・キャラクター
ありま 猛 (ありま たけし)
漫画家の男性。丸顔で小太りな体型で、初登場時は16歳。養護施設を退所後、漫画家を目指して上京。ボルトナット工場で働きながら漫画を描いていたところ、あだち勉の漫画に出会い、勉に弟子入する。その後、勉の紹介で、古谷三敏のアシスタントとして働く。初代師匠である勉には頭が上がらず、何かと振り回される。同名の実在人物がモデル。
あだち 勉 (あだち つとむ)
漫画家の男性。色付きの眼鏡と口ひげ、ボサボサ頭が特徴で、初登場時は23歳。いたずら好きでホラ吹き。ギャンブルや色事が大好きな豪快な性格だが、寂しがり屋で優しい一面もある。自分を慕って訪ねてきた、ありま猛を弟子にする。連載作品が終了後は、赤塚不二夫に誘われ、フジオプロに参加。チーフアシスタントを務める。同名の実在人物がモデル。
あだち 充 (あだち みつる)
漫画家の男性。あだち勉の弟で、眼鏡と長髪が特徴。初登場時は19歳で、駒場東大前のアパートで、勉と同居していた。石井いさみのチーフアシスタントを務めながら、『消えた爆音』で漫画家デビュー。以後、売れっ子漫画家となる。同名の実在人物がモデル。
武居 俊樹 (たけい としき)
小学館「少年サンデー」編集部に所属する男性。四角い顔と大きな鼻が特徴。赤塚不二夫、古谷三敏、石井いさみなどを同時期に担当し、数々のヒットを飛ばした敏腕編集者。あだち充の才能に惚れ込み、充には優しく接するが、兄のあだち勉には厳しい。赤塚不二夫の依頼で、勉をフジオプロに入社させる。同名の実在人物がモデル。
クレジット
- 協力
書誌情報
あだち勉物語 ~あだち充を漫画家にした男~ 3巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2021-08-12発行、 978-4098506521)
第2巻
(2021-12-10発行、 978-4098508112)
第3巻
(2022-08-12発行、 978-4098512959)