概要・あらすじ
5年前、突然バンドを解散し、アメリカに渡っていたオデッセイが日本に帰ってきた。バンド再結成を期待するかつてのメンバーを尻目に、彷徨の日々を送るオデッセイ。しかし、内なる衝動に突き動かされた彼は再びギターを手にし、バンド活動を再開させる。再結成のライブは場末のビアガーデンだったが、そこで出会った敏腕ディレクターの下村龍雄がプロモーターとなり、オッデセイバンドは音楽シーンを席巻し、ロック界の頂点に駆け上っていく。
登場人物・キャラクター
オデッセイ
22歳のロック・ボーカリスト。インディーズ・バンドとして人気絶頂だったオデッセイバンドを5年前に解散し、アメリカに渡った。ニューヨークのブルースマン・ブービー・ジョーの歌にうちのめされ、自ら歌を封印し、日本に戻ってくる。しばらく彷徨の日々を送っていたオデッセイだが、自分の中の「歌いたい」という欲望に気づき、かつての仲間とオッデセイバンドを再結成した。 黒人を彷彿させるダミ声のボーカリストでその歌声は凄まじいパワーを持つ。ライブにおいては繰り替えしを許容せず、ストイックな姿勢を見せる。
プチ
オデッセイを追いかけ回す小学生の女の子。12歳。オッデセイバンドのキーボド奏者典子の妹。早熟な感性をもち、5年前からオッデセイのことを追いかけていた。下村龍雄いわく、オデッセイのオノ・ヨコーコ。
典子 (のりこ)
オデッセイバンドのキーボード奏者。年齢22歳の女性。渡米前のオッデセイと付き合っていた。ずっとオデッセイのことを待っていたが、彼が渡米している間に4人の男と関係をもっていた。オデッセイバンド再結成後は、下村龍雄に惹かれ、その女となる。
直介 (なおすけ)
オデッセイバンドのベーシスト。オデッセイが渡米した後は、漫画家となって貧乏暮らしを続けていた。長髪で無精髭をはやし、いつも「3」の数字が胸にプリントされたタンクトップを着ている。年齢は20代前半。実直で純情な性格。長く童貞であり、典子にずっと惚れていた。
ジュン
オデッセイバンドのドラマー。金髪のショートヘアできめたハンサム・ガイ。年齢は20代前半。女好きの軽い性格で、オデッセイ渡米後は、ビニ本のカメラマンとなっていた。
南 (みなみ)
オデッセイバンドのギタリスト。アフロヘアにサングラスといった外観。年齢は20代前半。オデッセイ渡米後は、ナイトクラブでギター奏者をしていた。
明 (あきら)
オデッセイバンドのパーカッション奏者だったが、再結成時にはメンバーに加わらなかった。実家は港区青山にビルを所有しており、帰国したオデッセイを屋上のペントハウスに住まわせた。年齢は20代前半。きっちりと整えられた髪にメタルフレームの眼鏡といった「カタギ」の外観。メンバーの中で唯一の妻子持ち。
ジャニス
『LIVE!オデッセイ』に登場するオデッセイの飼い猫。オッデセイが渡米中は、直介にあずけられていた。ペルシャ猫系の長毛種で、多くのレコードの中から「ジャニス・ジョプリン」のレコードを取り出す特技を持つ。冷やし中華に入っているナルトが好物。
下村龍雄 (しもむらたつお)
屋上ビアガーデンでオッデセイバンドの演奏を偶然聴き、彼らのプロモーター兼マネージャーになることを申し出た。元々はレコード会社の制作次長だが、オデッセイバンドに出会い、退職する。オデッセイバンドをイギリスのパンク・バンドギャラクシーの前座に押し込み、評判を上げて、オデッセイを有名男性化粧品のキャラクターに起用させるなど、敏腕な手腕でバンドをメジャー化させていった。 ジャズ・ドラマーでもあり、後にドラマーとしてもオッデセイバンドに参加した。常にスーツ着用し、口ひげをたくわえたダンディな中年男性。典子と恋仲になった。
ブービー・ジョー (ぶーびーじょー)
ニューヨークの場末の酒場で歌う80歳過ぎの黒人ブルースマン。彼の歌を聞いたオデッセイは、自分がニセモノであることを自覚し、長く歌を封印していた。だが、内にたぎる「歌いたい」という思いを認めたオデッセイは、自らブビー・ジョーの黒い封印を解きステージに復帰した。
ルシール
ニュヨーク・マフィアの大幹部の情婦。オッデセイとSEXしているところを踏み込まれ、オデッセイは拉致されてしまう。しかし、ルシールは彼を逃がす手配をし、パスポートと金、そして宝石を与えた。オデッセイは宝石を飲み込み、そのまま飛行機に乗って日本に帰国した。
ランディ
イギリスのパンク・バンドギャラクシーのプロモーター。コンサート会場の音響チェックのため1曲だけ演奏したオッデッセイバンドの実力を認め、ギャラクシーの日本公演の前座に抜擢した。公演でギャラクシーを上まわるパフォーマンスを見せたオッデセイバンドをイギリスでデビューさせようとする。
集団・組織
オデッセイ・バンド (おでっせいばんど)
『LIVE!オデッセイ』の登場するバンド。リーダーはオデッセイ。かつてインディーズ・バンドとして注目されたが、人気絶頂の頃、オデッセイにより突然解散した。その後、オデッセイはアメリカに渡り、5年間活動を中止。オデッセイ帰国後、紆余曲折をへて再結成される。オデッセイのカリスマ性とプロモーター兼マネージャー下村龍雄の敏腕により、再結成後は一気にスターダムに乗り、日本のロック界の頂点に立つ。 しかし、繰り返しを許容しないオデッセイの姿勢は、自身を疲れさせ、傷つけ、人気の絶頂と失速が同時に去来。三年間に三枚のアルバムを残し、オデッセイバンドは解散した。
ギャラクシー
『LIVE!オデッセイ』の登場するバンド。イギリスの人気パンク・バンド。再結成間もないオッデセイバンドは彼らの前座としてステージに立つことで、世間に存在をアピールしていった。追加公演では、前座のオッデッセイバンドにアンコールがわきおこったことから立場を無くし、彼らと殴り合った。