概要・あらすじ
庭を見るために集まった異形の群集たちは、その日庭が開放されていないことを知る。しかし柵の壊れた部分を発見した彼らは、そこから庭の中へと潜入。一面をゴムボールが覆い尽くす巨大な川を上流へ遡っていくと、ボールの滝があり、次第にボールのサイズが大きくなっていく。
登場人物・キャラクター
カメラマン
異形の群集の中の一人。顔はカメラのフラッシュで光っているため見えないが、丸い後頭部で、全身斜めストライプ模様をしている。そこかしこで写真を撮っていた。カメラは中に印画紙が内蔵されているインスタントカメラで、撮り溜めた紙をしまっておき、後で紙に光を当てると写真の絵が出てくるという仕組み。
飛行機の機首に似たのりものに乗った三人 (ひこうきのきしゅににたのりものにのったさんにん)
異形の群集の中にいた三人。タンクトップを着た、左上腕にタトゥーのある青年と、前髪がすだれのようになっている青年と、上半分が黒い球体の頭部を持つ青年。飛行機の機首に似たのりものに乗りこみ、動かすとそのまますごいスピードで走り去った。
集団・組織
異形の群集 (いぎょうのぐんしゅう)
庭を見るために集まり、庭に侵入した数百人の集団。頭部のみが異形で服や靴を身につけている者もいれば、全身が奇妙な形をしている者など、様々な姿をしている。ごく数人、人間らしい顔立ちの者もいる。淡々とした口調で庭の様子について語り合いながら、庭の探索を行う。
飛行機の編隊 (ひこうきのへんたい)
航空写真を大量に撮影し、その写真をまきちらす飛行機の編隊。異形の群集たちはその理由として「撮影後すぐ見て見終わったものを捨てている」「何かを探して撮影している」などの仮説を立ててが、真相は不明。飛行機の通ったところは、航空写真で埋め尽くされている。写真をつなげて付近の詳細な地図を作ることも可能。
船団 (せんだん)
対岸が見えないほど広大な河川を走る船団。異形の群集たちは、パトロールを行っているのではないかという仮説を立てた。船は蒸気船タイプのものや、甲板が林になっているもの、家屋を乗せているものなどがある。
場所
庭 (にわ)
異形の群集たちが潜入した場所。「庭」と呼ばれているが、持ち主などは不明。いくつもの山河やいくつもの街があるほど広大。自動化された機械装置で作られたアトラクションが無数に存在している。「紙の束を家の形に重ねた家」などのように、本来その対象に使われることはない様々な素材で事物を再現したものが多い。
監視者の部屋 (かんししゃのへや)
巨大な机が置かれている部屋。巨大な机は、庭の色々な場所の現在の様子を立体映像として写すことができる。だが監視者はいない。建物の外観はマットに似ており、自動ドアがある。