STAR CHILDREN

STAR CHILDREN

宇宙飛行士である友人の天海光星に憧れ、自らも宇宙飛行士候補生の道を歩みだした少年・昴宙人が、仲間とともに成長していく姿を描いたSF作品。講談社「週刊少年マガジン」2011年53号から2012年16号にかけて連載された。

正式名称
STAR CHILDREN
ふりがな
すたーちるどれん
作者
ジャンル
宇宙開発
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概要・あらすじ

友人の宇宙飛行士・天海光星に憧れていた昴宙人は、父親・昴大地の反対を受け、同じ道に進むことを決断できずにいた。人類初となる木星への有人探査船「ジュピトニア号」の一員として宇宙へ旅立っていた光星は、その2年後、木星到着後に発生した爆発事故によって消息を絶ってしまう。誰もが絶望と思う状況の中、それでも光星の生存を信じる宙人は、彼を助けに行くために、宇宙飛行士になることを決意。

中学卒業後にCORE宇宙高等専門学校への入学を果たし、宇宙飛行士候補生「ASCAN(アスキャン)」としての道を歩みだす。

登場人物・キャラクター

昴 宙人 (すばる ゆうと)

遥かなる宇宙に憧れを抱く少年。父親は有人探査船を木星へと送る「ジュピトニア計画」のプロジェクトリーダーである昴大地。小学生の頃から兄貴分である宇宙飛行士・天海光星を尊敬しており、自身も彼のよう宇宙飛行士になりたいと思っていたが、大地の反対を受けていたため、同じ道を歩むことを躊躇していた。しかし、人類初となる木星への有人探査船「ジュピトニア号」に搭乗していた光星が、事故によって消息を絶ったことをきっかけに、宇宙飛行士になることを決意。 中学校卒業後にCORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科へ入学し、試験を経て最上位であるAクラスへと編入され、宇宙飛行士候補生「ASCAN(アスキャン)」としての第一歩を歩みだす。成績や運動能力は平凡だが、宇宙に対する想いは純粋で、人を惹きつけるカリスマ性と、人を和ませやる気を奮い立たせる協調性に秀でている。 爆発事故から相当な日数が経過した今でも、行方不明となった光星の生存を信じており、彼を救いに行くために特級宇宙飛行士である外宇宙飛行士になろうとしていた。Aクラスでは富士野岳、春日井あかり、柴田りんとチームを組むことになる。

天海 光星 (あまみ こうせい)

宇宙飛行士の青年で、人類初となる木星有人探査船「ジュピトニア号」の乗組員の1人。「ジュピトニア11(イレブン)」と呼ばれる選りすぐりのエリートだが、偉ぶった態度は一切見せない飄々とした性格の好青年。昴大地を宇宙飛行士の師匠として尊敬しており、昴宙人とは彼が幼い頃からの知り合い。宙人にとっては兄と友人を兼ねた、家族のような存在でもある。 木星に旅立った2年後、木星到着後の生中継中に発生したジュピトニア号の爆発事故に巻き込まれ、「オレ達はあきらめない!!」というメッセージを残して消息を絶つ。宇宙飛行士に憧れていた宙人に対し、「宇宙は無の世界」であることや「(宇宙飛行士に)必要なものは協調性と忍耐力」であることを説いていた。約束をする時に親指を立てるクセがあり、そのクセは成長した宙人に受け継がれている。

富士野 岳 (ふじの がく)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科に在籍する、昴宙人と寮の同部屋になった少年。試験を経て、宙人と同じAクラスに編入された。初対面の宙人が思わず驚くほど、極端に長いリーゼントでバッチリ決めているのが特徴。お調子者だが、コミュニケーション能力は抜群に高く、宙人ともすぐに打ち解けた。宇宙船についての知識が深く、宇宙の果てまで行ける「外宇宙航宙船」を作るために、あえて宇宙飛行士科に入り、外宇宙飛行士になることを目指している。 天海光星の大ファンで、寮の自室にフォトシートなどのグッズを持ち込んでいる。

春日井 あかり

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科に在籍するロングヘアの女生徒。試験で3位という好成績を収め、昴宙人と同じAクラスに編入された。宇宙や宇宙飛行士にはまるで興味がなく、トップステータスを得るためだけに、特級宇宙飛行士を目指しているという、ドライかつ計算高い少女。試験の成績が悪い宙人たちとチームを組んだのも、彼らのミスをフォローすれば自分の評価につながると考えてのことだった。 直情的な富士野岳とは、ことあるごとに衝突する。

柴田 りん (しばた りん)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科に在籍する女生徒。度の強い眼鏡をかけている地味な風貌の少女。試験で4位という成績を収め、Aクラスへと編入された。観察力が高く、対象の能力を綿密に分析できる能力の持ち主。体力や知力が平均的にも関わらず、Aクラスに編入された昴宙人の存在に興味を持っていた。

昴 大地 (すばる だいち)

有人探査船を木星へと送る「ジュピトニア計画」のプロジェクトリーダーで、CORE社の宇宙飛行士局長を務める男性。昴宙人の実父であり、天海光星の友人。非常に厳格で、すべてにおいて甘えと妥協を許さない性格。息子である宙人に対しても私情は挟まず、一人の上司として厳しい態度で接していた。立場上、宇宙の危険性を熟知しているため、宙人が宇宙飛行士になることには一貫して反対している。

昴 希望 (すばる のぞみ)

面倒見のいい性格をした昴宙人の母親。手料理が得意。自分は自分、他人は他人という考えの持ち主で、宇宙飛行士になることを決意した宙人の考えを尊重し、「(反対する)お父さんは私がなんとかしてあげるから」と彼に伝えていた。高所恐怖症で、宇宙には特に興味を持っていない。

万木城 準 (まきめ じゅん)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科に在籍する男子生徒。眼鏡をかけた物腰の柔らかい少年。入学前の試験では1位の成績を収め、悠々とAクラス入りを果たした秀才でもある。入学時に昴宙人と知り合い、互いに励ましあった。表面上は礼儀正しいが、実は人一倍競争心が強く、夕食会におけるトラブルで宙人と富士野岳が失態を犯したのを見て、2人がAクラスから脱落したと確信し、ライバルがいなくなったことを密かにほくそ笑んでいた。

鏑木 宗介 (かぶらぎ そうすけ)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科に在籍する男子生徒。アフロヘアーを特徴とするちょっと太目な少年。試験では2位という好成績を収めてAクラスに編入された。傲慢なうえに口が悪く、試験の成績が悪いにも関わらずAクラスに編入された昴宙人と富士野岳に対しては、ほとんど罵倒じみた嫌味をぶつけていた。

地神 麻也 (じがみ まや)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科でAクラスの教官を担当している、上級宇宙飛行士の男性。少々ドジなところはあるが、仕事熱心で、厳しい姿勢で生徒たちを鍛え上げる優秀な教官。客観的に物事を考えられるデータ至上主義者であり、行きあたりばったりだったり、あやふやな解決方法を嫌う。訓練中、形式にとらわれずに仲間を鼓舞する昴宙人の姿勢に、天海光星の面影を見出す。

指宿 (いぶすき)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科で教官をしている宇宙飛行士の女性。新入生を歓迎する夕食会で正体を隠し、生徒の観察をしていた。現役宇宙飛行士との会話の機会を失っても、こぼした料理の片づけを優先した昴宙人の姿勢を面白がっていた。訓練においても、宙人の考え方をユニークだとして注視する。

穣川 (みのりかわ)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科に在籍する男子生徒。デブリ(宇宙空間を漂う廃棄物)の回収訓練中、昴宙人から強引にデブリを横取りしても悪びれないなど、非常に我が強く、誰とも馴れ合うことがない一匹狼な性格。成績はAクラスにいてもおかしくないほど優秀だが、協調性が皆無なため、Bクラスに編入されている。

設楽 (したら)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科で教官をしている、眼鏡をかけた中級宇宙飛行士の男性。船外活動訓練(EVA)中の昴宙人たちを指導していた際に、デブリ群とシャトルの衝突トラブルに見舞われてしまう。冷静な判断に定評のある、職人気質の教官。

ケイサン

CORE宇宙高等専門学校の本部長を務める男性。厳格な性格をしており、昴宙人たちが船外活動訓練(EVA)において遭遇した事故で、生徒たちによるシャトルの救助活動を、二次災害の危険があると考え制止していた。指宿と地神麻也の説得に折れ、救助活動の許可を出す。

談合坂 (だんごうざか)

CORE宇宙高等専門学校の宇宙飛行士科で教官をしている、宇宙飛行士の男性。船外活動訓練中に、搭乗するシャトルがデブリによって損傷を受けてしまう。困難な状況下でも生徒達を動揺させないように、努めて冷静に振舞うことができるプロの教官。

場所

CORE宇宙高等専門学校 (こあうちゅうこうとうせんもんがっこう)

CORE社が運営する、宇宙関連の高度な知識を学ぶための専門校。鹿児島県の種子島宇宙センターの近くに存在する。非常に規模が大きく、宇宙飛行士候補生「ASCAN」を育成する宇宙飛行士科だけでも、宇宙医学、宇宙工学、宇宙建築学など、細かい分類がなされている。学費はすべて学校持ちだが、入学には両親の許可が必要となる。天海光星の出身校でもある。

その他キーワード

外宇宙飛行士 (がいうちゅうひこうし)

特級宇宙飛行士のこと。厳しい訓練と高難度の試験を経て選出されるエリート中のエリートで、全宇宙飛行士の1%がこれに該当し、もっとも危険な未知の外宇宙を探索する任務に就いている。木星で消息を絶った天海光星を含む「ジュピトニア号」の搭乗員も、すべて外宇宙飛行士だった。

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