あらすじ
20XX年、人類は有人火星探査に乗り出した。しかし、火星ミッションは約2年と長期にわたるため、宇宙飛行士が精神的苦痛を訴える問題が多発していた。そのためNASAは、宇宙飛行士のストレスを軽減させるため、特別な訓練を受けた猫「アストロノーツ猫」を宇宙に連れていくことを決定する。そして第16次火星開発ミッションに挑むチームは、ニールとバズの2匹の猫と共に地球を旅立つ。居住ブロックのドッキングに成功後、チームメンバーはそれぞれ自由に過ごしていると、さっそく猫を巡ってメンバー同士の言い争いが始まる。そこで、精神的に大きな負荷のかかるミッションをこなした者が、優先的に猫と遊べるというルールを作り、メンバー間の争いは収束する。その後は予定どおりにミッションをこなしていたが、地球を出発して1年が経ったある日、バズの妊娠が判明して食料が不足する問題が発生する。
登場人物・キャラクター
ニール
第16次火星開発ミッションに挑むチームと共に、宇宙へ向かったオスのアストロノーツ猫。種類は茶トラ。気になることはすぐに興味を覚え、身体に遊び道具の紐(ひも)がからまったり、地球を見ながらガラスに鼻をつけてビックリしたりしている。アクシデントで避妊手術を受けていなかったため、宇宙にいるあいだにバズを妊娠させて10匹の猫の父親となる。
バズ
第16次火星開発ミッションに挑むチームと共に、宇宙へ向かったメスのアストロノーツ猫。種類は白黒猫。遊び盛りの年頃で、遊んでくれるまで宇宙飛行士のことをずっと見つめていることが多い。アクシデントで避妊手術を受けていなかったため、宇宙にいるあいだにニールの子供を妊娠して10匹の猫の母親となる。
船長 (せんちょう)
第16次火星開発ミッションチームのキャプテンと宇宙船の船長を務める男性。口髭(ひげ)を蓄えている。冷静沈着で指揮能力に優れており、数々の困難を乗り越えてきた。チームメンバーのリコやケイトがミッションそっちのけで、ニールとバズに夢中になりすぎるのが悩みの種だが、船長自身も猫好きなためリコやケイトから注意されている。もともとは軌道計算のエンジニアだった。
リコ
第16次火星開発ミッションチームに所属する宇宙飛行士の女性。医師を務めている。チームメンバーやニール、バズの体調管理を担っている。猫が大好きで、猫のおなかに顔をうずめたり、自分の顔の上に猫を乗せたりして癒されている。バズの妊娠にもいち早く気づき、出産するまではケイトと共にバズを最優先にした生活を送っていた。長期間猫と密室にいると突発的に猫愛が爆発してしまう「過猫反応」を引き起こすことが多い。
ケイト
第16次火星開発ミッションチームに所属する宇宙飛行士の女性。土木関連のエンジニアを務めている。ズボラな性格で、几帳面(きちょうめん)なビルから整理整頓のことで注意されることが多い。同性のリコとは特に仲がよく、バズの妊娠が判明すると出産までリコと共にバズを最優先にした生活を送っている。
ビル
第16次火星開発ミッションチームに所属する宇宙飛行士の男性。オタク趣味の持ち主で、眼鏡をかけている。几帳面な性格で、マニュアルを大きさ順に並べたり、手書きの記録する時は定規を使ってまで字の大きさをそろえている。ただし猫好きなため、ニールとバズが散らかした場合は顔をほころばせながら片付けている。
ロバート
第16次火星開発ミッションチームに所属する宇宙飛行士の男性。スキンヘッドのマッチョな体型で、宇宙船内でもトレーニングを欠かさない。動物全般が大好きで、火星中継ステーションでロシアチームが連れていた犬を見た時も心を奪われていた。
ジム
NASAでフライトディレクターを務める男性。元空軍のテストパイロット。宇宙飛行士訓練でも軒並みトップの成績を取る優秀な人物ながら、猫アレルギーなため一度も宇宙には行っていない。猫に触れることができないため、ぶっきらぼうな態度を取ってしまうことから、猫好きが多いNASAの人間からは猫嫌いだと思われている。本当は猫が大好きで、スマートフォンで猫の動画をよく見ている。
その他キーワード
アストロノーツ猫 (あすとろのーつねこ)
宇宙飛行士と共に宇宙船で宇宙に向かった猫の総称。宇宙での過酷なミッションを行なう宇宙飛行士のストレス軽減が主任務となっている。生まれた時からアストロノーツ猫になれる素質があるかどうかを選別され、合格すると宇宙で暮らすために特別な訓練を繰り返し受けている。さまざまなリスクを考えて必ず避妊手術を受けることになっているが、ニールとバズはアクシデントで避妊手術を受けないまま第16次火星開発ミッションチームに同行し、宇宙船内で子供を10匹授かった。