概要・あらすじ
元格闘家の便利屋・鷲山禿男(わしやまひでお)と東新宿署の不良刑事・大倉光一。二人はある事件がきっかけで知り合いになり、つるむようになっていた。新宿の古ぼけたビルにある「便利屋鷲」で二人が酒を飲んでいると、新垣舞と名乗る女子高生が訪ねてきた。彼女が言うには、妹が六本木の半グレ集団のリーダー・桑本猛に駐車場で殺されたという。そこで、かたきを討つために拳銃が欲しいというのだ。女子高生一人でどうにかなる問題ではないと、禿男は舞を諭すが、彼女は納得しなかった。禿男をひっぱたき、「一人でやる」と叫んで去っていく。そしてその言葉どおり、舞は金属バットを片手に、桑本グループに乗りこむが、あっさり捕らえられてしまう。そこへ現れたのが禿男と大倉であった。二人の姿を見た舞は「あいつらの命令で来た」と嘘をついたため、禿男と大倉は引くに引けない状況に陥る。二人は舞にはめられたのだ。やむを得ず闘うことになった禿男だが、さすがは元優秀な格闘家である。手下たちを蹴散らし、桑本を一撃で倒してしまう。舞は大倉にナイフを渡されるが、桑本にトドメを刺すことはできなかった。泣きながら立ち尽くす舞からナイフを取り上げた禿男は、「殺すことはできないが、消すことはできる」と言葉をかけた。しばらくして、禿男と大倉は海の上にいた。小型ボートで桑本を運んだ二人は、"北"の船に、桑本と彼が持っていた大金を手渡した。韓国の刑務所に収容されていたことのある禿男は、"北"にコネがあったのだ。こうして桑本は日本から姿を消した。それから数日後。駐車場で殺されたという少女のことを調べていた大倉は、驚くべき事実を知る。彼女の姓は「新垣」ではなく、姉も存在しないのだ。「新垣舞」を名乗った少女は何者だったのか。その正体も狙いも、結局わからずじまいであった。(第1話「世界一ツキのない男」)
登場人物・キャラクター
鷲山 禿男 (わしやま ひでお)
新宿の古ぼけたビルで「便利屋鷲」を経営する男性。禿頭、太い眉、もみあげが特徴。「イーグルヒデ」のリングネームで活躍していた元総合格闘家。所属団体「NEO WORLD」のスポンサーだった悪徳実業家に暴力を振るった事件で、東新宿署の刑事・大倉光一と知り合う。大倉の入れ知恵で、事件直後にドラッグを服用。心神喪失状態での暴行に見せかけて実刑を免れる。日本の格闘技界から追放され、韓国の格闘技団体で活躍。その後、ある事情で韓国の刑務所に入り、2年後に出所。日本で便利屋を始め、大倉とのコンビでさまざまなトラブルを解決する。出生届を提出する際、父親が「秀(ひで)」と「禿(はげ)」を書き間違えたため、漢字は「禿男」だが読みは「ひでお」である。小学生の頃から運がなく、「体育委員になったとたん、運動会に台風が直撃」「修学旅行で乗ったバスが崖から落ちる」など数々の逸話を持つ。ニックネームは「不運のハゲオ」またはただの「ハゲオ」である。
大倉 光一 (おおくら こういち)
東新宿署の刑事。細身で長身。センター分けの長髪と薄い無精髭が特徴の男性。金にならないことや面倒なことには関わらない主義。「人生は"運"である。"努力"と"成功"は比例しない」という考えから、とりあえず飯は食える公務員になった。格闘技団体「NEO WORLD」のスポンサーだった悪徳実業家が関わる事件で、鷲山禿男(わしやまひでお)と知り合う。悪徳スポンサーに暴力を振るった禿男をかばい、ドラッグを飲んで実刑を免れるように勧める。禿男が新宿で便利屋を始めてからは、二人でつるみ、さまざまなトラブルを解決するようになる。
クレジット
- 原作
書誌情報
Too BEAT 3巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2022-02-28発行、 978-4098612345)
第2巻
(2022-11-30発行、 978-4098615452)
第3巻
(2023-08-30発行、 978-4098625567)