こわしや我聞

こわしや我聞

学生でありながら解体会社の社長を務める少年が、代々伝わる特殊な能力を駆使して、政府や企業から秘密裏に依頼された破壊を遂行するこわしやとして活躍するアクション作品。「週刊少年サンデー」2004年11号から2005年52号にかけて連載された。

正式名称
こわしや我聞
ふりがな
こわしやがもん
作者
ジャンル
アクション
関連商品
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作風

解体業という職種にスポットを当て、そこに仙術と呼ばれる特殊能力を盛り込むことで、バトルアクションとしての特色を持たせている。一方で、工具楽我聞が所属する卓球部の動向など、日常生活に関する描写が多いことも特徴。また、中盤以降に顕著となる真芝グループこわしやたちとの対立は、壊す者と作る者という対立構造を表わしており、見どころの一つとなっている。

作風の変遷

本作『こわしや我聞』は、主に前半部分において、本業であるこわしやとしての仕事の他、学校や家庭における日常などを多く描写しており、コミカルな雰囲気が楽しめる。しかし物語が進むにつれて、敵対する企業である真芝グループとの因縁、および対決や、我聞の父親である工具楽我也に関する謎などに焦点が当てられ、シリアスな側面が目立つようになる。ただし、我聞が仙術を極めるために努力する点においては、終始一貫している。

あらすじ

神奈川県立御川高校に通う工具楽我聞は、工具楽屋の社長というもう1つの顔を持っていた。工具楽屋は、普段はビルや家屋の解体を生業にしているが、その本業は政府や警察などが壊したいものを秘密裏に破壊するこわしやである。我聞は修得した仙術を用いて、万能ナイフや危険な薬品など、さまざまなものを壊して実績を上げていった。そんな中、行方不明となった父親・工具楽我也の捜索を巡り、こわしやと対立する真芝グループとの争いに身を投じていく。

単行本の装丁

本作『こわしや我聞』のカバー折り返しには、番外編となる4コマ漫画が掲載されている。登場するのは、主にその巻で活躍した人物たちで、本編で生じた小さな疑問に対する回答を示す場合もある。

登場人物・キャラクター

工具楽 我聞 (くぐら がもん)

工具楽屋の25代目社長を務めている17歳の少年。普段は学生として神奈川県立御川高校に通い、放課後は解体業者として自ら現場に立つ。その一方でこわしやとしての裏の顔を持っており、政府や企業などの密命を受けることで、常人では破壊不可能なものを壊す任務を請け負っている。物質に爆発の力を加えることで破壊する仙術の使い手で、これを応用することで素手でコンクリートの壁を破壊することすら可能。 母親はすでに亡くなり、父親である工具楽我也も行方不明となっている。そのため工具楽屋やこわしやとしての仕事で弟妹を養っており、兄弟仲は極めて良好。また、社長という立場から、工具楽屋の面々には強く信頼を寄せており、工具楽我聞自身も、危なっかしいと思われつつも皆に慕われている。 学校では卓球部に所属しており、仙術を応用したスマッシュを使うことで一目置かれている。

國生 陽菜 (こくしょう はるな)

工具楽我聞の秘書で、工具楽屋の経理部長も務めている17歳の少女。我聞とは、神奈川県立御川高校で同学年でもある。いかなる時も冷静で、絵に描いたような才色兼備の女性。成績優秀で、その計算能力は経理の仕事にも活かされているが、美術だけは壊滅的。かつて工具楽我也に引き取られており、彼を父親のように慕っている。 反面、恩を返すことに躍起になるあまり仕事に集中しすぎる欠点がある。我也の実の子供たちに多少のコンプレックスを抱いており、我聞をはじめ、工具楽屋の社員や学校の同級生とも一定の距離を置いていたが、彼らの人の良さに触れることで、次第に打ち解けていく。

中之井 千住 (なかのい せんじゅ)

工具楽屋の専務を務める78歳の男性。現場と経営の両方を取り仕切る有能な人物で、運転手も兼任している。社長になったばかりの工具楽我聞に対しては親切ながらも厳しく接しており、説教をすることもしばしばある。若い頃は軍隊に所属しており、静馬さなえや神楽牙王とは旧知の間柄。高齢なこともあり、普段は積極的に荒事に参加することはないが、実は神楽からも警戒されるほどの狙撃のエキスパート。 爆弾を投げた直後に狙撃し、軌道を変えることで目標に着弾させるという荒業を披露したこともある。

森永 優 (もりなが ゆう)

工具楽屋の技術部長を務めている25歳の女性。英国の大学を卒業したエンジニアで、博士号を持っているという噂がある。解体用の道具の作成や、システムへのハッキングなどの技術に精通しており、複雑な構造の爆弾を3分と経たずに解体するなど、器用さも併せ持つ。ノリのいい性格で、のちに工具楽果歩と同調しG・H・Kを立ち上げ「デルタ1」のコードネームを名乗り、工具楽我聞と國生陽菜の仲を深めようとたびたび暗躍している。

辻原 蛍司 (つじはら けいじ)

工具楽屋の営業部長を務める長身の青年。外回りが多く、あまり会社にいることはない。飄々とした性格で、社長に就任したばかりの工具楽我聞をポンコツと評する一方で、彼の成長に期待をかけている。また、工具楽我也のこともよく知っており、敬意を払っている様子をたびたび見せる。真芝グループとは深い因縁があり、いずれ工具楽屋と全面的に衝突することを予見している。 中国拳法の達人で、その戦闘力は仙術を使う我聞を上回る。

工具楽 果歩 (くぐら かほ)

工具楽我聞の妹で、中学2年生の少女。工具楽珠、工具楽斗真の姉。少しませた性格で、工具楽一家の家事を一手に引き受けている。母親を亡くし、父親である工具楽我也も行方知れずになってしまったため、家族を失うことに強い恐怖心を抱いている。そのため、我聞が危ないことをすると、普段の工具楽果歩からは考えられないほど取り乱すこともある。 しかし、情緒不安定になりかけたところを國生陽菜に諭されて、それ以降陽菜を慕うようになる。また、恋話が大好きで、陽菜に我聞のお嫁さんになってもらうためG・H・Kを立ち上げ、「デルタ2」を名乗って森永優とともにたびたび悪巧みを行う。

工具楽 珠 (くぐら たま)

工具楽我聞、工具楽果歩の妹で、小学5年生の少女。工具楽斗真の姉。活発な性格で、陸上競技を得意としている。大のお兄ちゃん子で、我聞が買ってくれたスポーツシューズを大切にしている。典型的な、考える前に行動するタイプながら、父親である工具楽我也が行方知れずになった際は、家の中に閉じこもってしまうほどのショックを受けていた。 のちにG・H・Kの一員となり「デルタ3」のコードネームを与えられるが、我聞と國生陽菜をくっつけることにはあまり関心がなく、ノリの良さから森永優と騒ぐことが多い。

工具楽 斗真 (くぐら とうま)

工具楽我聞、工具楽果歩、工具楽珠の弟で、小学2年生の少年。おとなしめの性格で、工具楽一家の中では唯一の常識人。何でもそつなくこなし、兄姉の行動に冷静に突っ込みを入れたり、株価のチェックを趣味としていたりと、インテリな一面がある。しかし、何事にもあまりやる気を見せず、楽してその場を乗り越えることを好んでいる。 のちにG・H・Kの一員となり、「デルタ4」のコードネームを与えられるが、こちらも役割はほぼ突っ込み役となっている。

工具楽 我也 (くぐら がなり)

工具楽我聞、工具楽果歩、工具楽珠、工具楽斗真の父親。工具楽屋の24代目社長を務めていた。最強の仙術使いといわれており、その実力は我聞を大きく上回っているとされる。8か月前突如として姿を消し、それ以来行方知れずとなっているが、辻原蛍司はこの失踪に真芝グループが関わっていると推測している。

西 青海 (にし あおみ)

内閣調査室に所属している青年。軍が秘密裏に開発したという万能ナイフを窃盗団に奪われてしまい、これを使った犯罪が繰り返されているため、ナイフの破壊をこわしやである工具楽我聞に依頼した。当初は高校生の我聞を甘く見ていた節があったが、見事任務を達成したため、我聞を含めた工具楽屋を見直し、今後も仕事を頼むことを約束した。 のちに勃発した真芝グループとの戦いにおいても、ヘリコプターなどを用意し工具楽屋をサポートした。

静馬 さなえ (しずま さなえ)

静馬流と呼ばれる、水の力を用いた仙術を操る老年の女性。中之井千住はかつての軍隊の後輩で、彼からは大尉殿と呼ばれ敬われている。辻原蛍司の招聘に応じて工具楽屋を訪れ、工具楽我聞に仙術の修業を積ませた。その際に全然変わっていないなどと発言したことから、我聞のことは昔から知っていた様子。

佐々木 亮吾 (ささき りょうご)

神奈川県立御川高校に通う少年。工具楽我聞とはクラスメイトで、卓球部に所属している。明るい性格のお調子者で、我聞の身体能力の高さに一目置いており、体育の授業などでは自分のクラスを目立たせるために我聞を立てるような発言をすることが多い。また、國生陽菜のファンで、彼女と親しい我聞を羨ましく思っている。 卓球の実力は高く、我聞と互角に打ち合うが、彼が仙術を卓球に応用した場合は、さすがに苦戦していた。学力は芳しくなく、同じく補習仲間である我聞、皇翔馬と合わせて卓球部3バカトリオと呼ばれることもある。

中村 孝弘 (なかむら たかひろ)

神奈川県立御川高校に通う少年。工具楽我聞とはクラスメイトで、卓球部に所属している。真面目な性格の優等生で、クラスでは我聞や佐々木亮吾とよくつるんでいるが、彼らの行動に突っ込みを入れることが半ばパターン化している。また、人の気持ちを悟つことに鋭く、我聞が落ち込んでいることを察して、それとなくフォローを入れることもある。

皇 翔馬 (すめらぎ しょうま)

神奈川県立御川高校に通う少年で、卓球部のキャプテンを務めている。彫りの深い顔立ちと筋肉質な体躯の熱い男で、ある意味卓球部を象徴している人物。卓球の腕は確かだが勉強はできず、キャプテンでありながら工具楽我聞、佐々木亮吾と合わせて卓球部3バカトリオと呼ばれることもある。

カンジ

解体業に従事している男性。工具楽屋の社員ではないが、ほぼ専属で工具楽屋の仕事を請け負っている。仙術のことを知らないため、工具楽我聞がハンマー1つでビルを爆破解体しようとした時は心底から驚いた顔を見せた。実際に成し遂げたため、「流石社長」と称賛していた。

ヤスヒロ

解体業に従事している長髪の青年。ほぼ専属で工具楽屋の仕事を請け負っており、社長である工具楽我聞や、その秘書の國生陽菜などからは、相棒のカンジとともに頼りにされている。のちに保科ますみが工具楽屋で仕事をするようになってからは、ユンボを自在に扱う彼女に全幅の信頼を置いている。

オリマー・ヒゲリオン (おりまーひげりおん)

窃盗犯の男性。弟のジィル・ヒゲリオンと合わせて「ヒゲブラザーズ」を名乗っており、全国の金庫を破って金品を奪っている。本業は情報屋で、金庫破りが得意なのはさまざまな企業の機密情報を盗み出すためである。西青海率いる内閣調査室にマークされており、工具楽屋の協力もあって身柄を確保されるが、のちに桃子・A・ラインフォードに拾われる形で、真芝グループ企画研究部の第5研に所属する。

ジィル・ヒゲリオン (じぃるひげりおん)

兄のオリマー・ヒゲリオンとともに「ヒゲブラザーズ」を名乗り、情報屋を生業としている男性。副業として金庫専門の窃盗をしており、誤って金庫の中に閉じ込められてしまい命の危険に晒されるが、工具楽我聞が金庫を破壊したことで生還し、そのまま拘束された。のちに桃子・A・ラインフォードに拾われる形で、真芝グループ企画研究部の第5研に所属する。

ジャンゴウ

真芝グループで新兵器のモニターを務めている男性。かつては傭兵として戦っていたが、その際にゲリラに捕まり、殺されかけたところを凪原に救われ、そのまま彼の子飼いとして真芝グループに所属する。戦闘の際には新理論を用いた特殊装甲である強化スーツ\"青\"を身に着けており、仙術すら弾くほどの防御力を備える。 二度に渡って工具楽屋と戦うが、成長を遂げた工具楽我聞の仙術に圧倒され、敗北。そのまま凪原に切り捨てられ、仕掛けられた爆弾で殺されそうになるが、他ならぬ工具楽屋によって命を救われる。

凪原 (なぎはら)

真芝グループの営業部に所属している、エージェントの青年。かつて真芝グループの戦闘部隊に所属しており、辻原蛍司とも親しく、彼からは「凪」と呼ばれていた。真芝傘下の研究所からテスト結果を回収し、会長である神楽牙王に送り届ける任務を任されており、そのために子飼いであるジャンゴウや、場合によっては研究所の所長すら捨て駒にすることを厭わない、冷酷な性格。 自らが請け負った任務を「ビジネス」と称している。

保科 ますみ (ほしな ますみ)

解体業に従事している20歳の女性。かつては厳格な父親に対する反発から不良の道に走っていたが、父親の死後、生前愛用していたユンボを譲り受けたことにより、改心して真面目に解体業への道を志した。空手を嗜んでいるためケンカはめっぽう強く、その気の強さで工具楽我聞を翻弄するが、外見が幼く20歳には見えないため、そのことにコンプレックスを抱いている。 愛用しているユンボを七見イサムに奪われ、ATM荒らしに使用されていることを聞き、愕然とする。

藤原 兼人 (ふじわら かねと)

警視庁の特別公安部に所属している男性。七見イサムが他県で引き起こした犯罪の凶悪性を鑑み、彼が強奪したユンボの破壊を工具楽屋へ依頼する。エリートだが鼻持ちならない男で、依頼相手である工具楽屋には一貫して見下した態度を取る。

七見 イサム (ななみ いさむ)

全国で、重機を使ったATM荒らしを繰り返している凶悪な男。その連続性や、目的のため他者を平然と傷つける所業から警視庁の特別公安部にマークされており、部下からも「イカれている」と陰で恐れられている。その素性はこわしやとしてではなく一個人として活動している仙術の使い手で、重機を使った犯罪を繰り返していたのは、こわしやである他の仙術使いをおびき寄せて戦うことで、自らの資質を磨き上げるためだった。 保科ますみが大切にしていたユンボを強奪し、警視庁が工具楽屋にユンボの破壊を依頼する原因となったため、工具楽我聞の怒りを買い、彼の前に敗北する。のちに凪原の手によりスカウトされたことで真芝グループの一員となり、仙核で強化された仙術を以て、再度我聞たちの前に立ちはだかる。

山薙 晃 (やまなぎ あきら)

真芝グループ企画研究部の第1研究所所長を務めている28歳の青年。冷静沈着な性格で、大抵のことには動じず、澄ました態度を保っている。仙術への対抗策となる研究を専門としており、マガツやマガツタマなどの、仙術を無効化する兵器を開発することで、こわしやとの戦いを有利に運ぼうとしている。

八雲 四郎 (やぐも しろう)

真芝グループ企画研究部の第3研究所所長を務めている32歳の男性。陰気な性格だが、自らの研究に絶対の自信を持っている。誰でも仙術を使えるようにするというコンセプトの研究を行っており、犯罪者を拉致して実験に使うことで、誰でも仙術を使用可能にする仙核を開発する。第3研究所に乗り込んできたこわしやに対しては、仙核を身に着けた犯罪者を差し向けた。

ルドルフ・本条 (るどるふほんじょう)

真芝グループ企画研究部の第4研究所所長を務めている38歳の男性。兵器関連を主に研究しており、強襲用潜水艦\"音断\"など、音を応用した兵器を主に開発している。傲慢かつ怒りっぽい性格で、自らの開発した兵器を仙術で傷つけられた時は激しい怒りをあらわにしていた。

桃子・A・ラインフォード (とうこえーらいんふぉーど)

真芝グループ企画研究部の第5研究所所長を務めている14歳の少女。電子兵器を研究しており、14歳という若さながら、キノピーやクーパのような、優れた製品をいくつも開発している。そのモニターを自ら行うべく、留学生として神奈川県立御川高校に潜入。工具楽我聞や工具楽果歩らと交流し、歳の近い人たちとの触れ合いに心を癒されかける。 それでも任務を果たすべくクーパを差し向けるが、精神的な脆さを我聞に指摘されて動揺する。それを凪原の勝手な判断で裏切りと捉えられてしまい、彼とその部下に我聞ごと命を狙われてしまう。

昴 真夜 (すばる まや)

真芝グループ企画研究部の第6研究所所長を務めている23歳の女性。主に火器を研究しており、いくつもの爆発物や特殊砲弾などを開発している。常に気だるげで、企画会議を行っている最中も眠そうにしているが、自ら開発した火器を使うことで、こわしやと戦うこともできる。

御剣 一振 (みつるぎ いっしん)

真芝グループ企画研究部の第7研究所所長を務めている18歳の少年。刀剣開発を担っており、あらゆるものを切り裂くような万能ナイフなどを実際に作り上げている。御剣一振自らも刀を振るって戦闘を行うことが可能で、一振りの刀で戦況を変えることを証明しようとする。

十曲 才蔵 (とまがり さいぞう)

真芝グループ企画研究部の第8研究所所長を務めている20歳の青年。兵装開発を任されており、仙術すら無効化するほどの防御力と、身体強化機能を両立させたスーツを数多く開発している。自身を天才と公言してはばからず、口癖は「アイアムジーニアス」。他の所長と異なり、自らがスーツを身に着けることでその有用性をアピールしようとしており、工具楽我聞と幾度となく激突し、次第にライバル関係となる。 かつて繊維工業の老舗である十曲家を引き継いでいたが、真芝グループに吸収されたため、その独立のために部下である高瀬千紘と山岡を伴い、真芝に参じている。

高瀬 千紘 (たかせ ちひろ)

真芝グループ企画研究部の第8研究所で、十曲才蔵の部下を務めている女性。ドジでどんくさい一面を持つが、十曲に対する忠誠心は非常に強く、彼を天才だと信じて常に行動を共にしている。十曲が戦闘を行う際にはアドバイザーとして活動しており、彼と工具楽我聞の戦いにおいては、高瀬千紘のアドバイスによってことなきを得た場面もあった。

山岡 (やまおか)

真芝グループ企画研究部の第8研究所で、十曲才蔵の部下を務めている男性。主に運転手を担当しており、十曲に対して強い忠誠心を抱いている。また、逃走する際にカラーボールを投げつけて追跡する車の目つぶしをしたり、ハッキングに備えてコンピュータウィルスを仕込んでおくなど、用意周到な面が見受けられる。

天野 恵 (あまの めぐみ)

神奈川県立御川高校に通う少女で、卓球部に所属している。場を仕切るのが得意で、卓球部の活動に対する熱意も強い。頼りがいのある性格から、男子部員からは「軍曹殿」と呼ばれることもある。國生陽菜を気に入っており、卓球部の合宿に参加した彼女を勧誘し、見事部員にすることに成功した。文化祭においては、優勝賞品である部費増加を狙い、一致団結を促した。

住 友子 (すみ ともこ)

神奈川県立御川高校に通う少女で、卓球部に所属している。天野恵や國生陽菜と仲が良く、部ではよく行動をともにしている。比較的常識的な性格をしており、恵に対して静かに突っ込みを入れたりすることが多い。文化祭が終わった頃に彼氏ができたが、卓球部の面々はその事実を知らない。

静馬 かなえ (しずま かなえ)

静馬仙術の24代目当主を務める女性で、静馬さなえの孫娘。水の理を用いた仙術の使い手で、その実力はさなえにも匹敵するほど。卓球部が合宿で訪れた海岸で、偶然にも工具楽我聞、および國生陽菜と出会い、ともに真芝グループの輸送部隊と一戦交えた。その後も、静馬番司を工具楽屋に派遣したり、真芝との戦いでは前線に立ち圧倒するなど、こわしやの中心人物の1人として活躍した。

静馬 番司 (しずま ばんじ)

静馬かなえの弟で、水の理を用いた仙術の心得を持つこわしやの1人。実力は工具楽我聞と同程度で、かなえと比較すると未熟さが目立つ。そのため、かなえの意向により、研修という形で工具楽屋でともに修行することとなる。のちに真芝グループの研究所に潜入するが、捕らえられてしまい、仙核の実験体とさせられてしまう。

ミゲル

真芝グループに恨みを抱いている、テロリストの男。生まれ故郷の国が、真芝に雇われた者の手で内戦状態に陥っており、終わらない戦乱に絶望し、テロに身を投じてしまう。真芝の工場を破壊するために、200トンの重油を積載したタンカーをジャック。自らの命と引き換えに工場を爆破する計画を立てる。ミゲルの主張に、同じく真芝を憎んでいる静馬番司は納得しかけてしまうが、工具楽我聞はミゲルの行動を、目的のために自身や周りの命を顧みないやり方であると批判。 これに同調した番司とともに、計画を阻止された。

鬼怒間 リン (きぬま りん)

神奈川県立御川高校に通う少女で、生徒会長を務めている。厳格な性格で、卓球部の企画したメイド喫茶を、風紀を乱すものであるとして中止させようとする。しかし、國生陽菜の説得を受け、実際に中身が伴うか改めて確認することにして、結果、メイド喫茶の出店を認めた。その後も卓球部とは何かと縁があり、そのたびに性格も僅かながら軟化していった。

帖佐 理来 (ちょうさ りく)

光の理を利用した仙術を使いこなす、こわしやの青年。女性好きな軽い性格。光を捻じ曲げて自身の位置を誤認させたり、光を断って姿を消すなど、相手をかく乱することに突出した戦法を得意とする。反面、破壊力に関しては心もとなく、静馬番司とともに真芝グループの第3研究所へ偵察に向かった際には、仙核を使用した兵士の不意打ちによって倒されてしまう。

如月 勇次郎 (きさらぎ ゆうじろう)

鉄(くろがね)の理を利用した仙術を使いこなす、27歳のこわしやの青年。真芝グループの第3研究所に対する総攻撃のため、救援として呼び出された。筋骨隆々とした大男で、仙術を利用した打撃の威力は、装甲車を易々と叩き潰すほどの威力を持っている。帖佐理来とは友人同士だが、静馬かなえを巡るライバルでもある。 しかし肝心のかなえは、どちらも眼中にない様子。

奥津 太一 (おくつ たいち)

炎の理を利用した仙術を使いこなす、51歳のこわしやの男性。真芝グループの第3研究所に対する総攻撃のため、救援として呼び出された。炎の力を自在に操り、金属を溶断することすらやってのけるが、性格は冷静そのもので、敵の抵抗が少ないことに不信感を抱いたり、仙核を装備した兵士たちを見て、その危険性を即座に見抜いたりしている。

阿部 雪見 (あべ ゆきみ)

雷の理を利用した仙術を使いこなす、19歳のこわしやの少女。真芝グループの第3研究所に対する総攻撃のため、救援として呼び出された。仙術で雷を飛ばし、離れた敵に対して攻撃することを得意としており、その性質上、研究所のような金属で覆われた場所と相性がいい。なお、使用する仙術の名前を、英語名にアレンジしている。

西音寺 進 (さいおんじ すすむ)

木の理を利用した仙術を使いこなす、21歳のこわしやの青年。真芝グループの第3研究所に対する総攻撃のため、救援として呼び出された。樹木を自在に操り、鞭のような武器として扱ったり、逆に身を守る盾として利用することも可能としている。また、人の命をできるだけ助けるという意思を持っており、敵である真芝の人間たちも、仙術を使うことで研究所の崩壊から救っている。

キノピー

桃子・A・ラインフォードが作り上げた、キノコ型のペットロボット。クーパの制御ユニットとしての役割も持っている。自ら考え行動するAIが搭載されており、桃子にとっては友達のような存在。分別のある性格で、わがままな桃子を諫めたり諭したりすることも多い。また、ボディガードとしての機能も備わっており、桃子がピンチの場合は愛刀を持って立ちふさがるが、身体が小さいため役に立たない。

神楽 牙王 (かぐら がおう)

真芝グループの会長を務める男性。見た目は50代といったところだが、かつて中之井千住とともに軍隊に所属しており、実際は彼と同い年の老人である。若い頃に仙術の力に魅せられたことにより、強い力を渇望するようになり、新理論を活かした兵器開発企業である真芝グループを立ち上げた。目的のためなら手段を選ばず、失敗した人間を容赦なく切り捨てる冷酷な性格で、部下の所長たちに命じて、こわしやの打倒と仙術の力の独占を狙う。

國生 武文 (こくしょう たけふみ)

國生陽菜の父親。反仙術と呼ばれる、仙術を無効化させてしまう技術の使い手で、工具楽我也とは親友同士だった。しかしある時、乗っていた飛行機が事故に遭い、消息を絶ってしまう。生死すら不明の状況に陥ってしまったため、この話を聞いた陽菜は強いショックを受ける。

集団・組織

こわしや

政府や警察組織などの依頼を受けて、犯罪に使われかねない危険な兵器や物質などを破壊する任務を帯びた職人たち。仙術と呼ばれる特殊な能力を持っており、これを活用することで、硬い物質の破壊や、妨害する者との戦闘などの、危険を伴う任務を遂行する。こわしやの主は代々血族が継承しており、工具楽我聞は25代目の当主として活動している。

工具楽屋 (くぐらや)

江戸時代より続くという老舗のこわしやで、現在も会社として存続している。表向きは解体業として活動しているが、政府や警察からは広く知られており、時折こわしやとしての仕事が舞い込んでくる。しかし、先代社長であった工具楽我也が行方不明となり、息子の工具楽我聞が社長を継いだが、彼は未熟ゆえに失敗も多く、大きな利益をあげるような仕事にはなかなかありつけないのが実情となっている。

卓球部 (たっきゅうぶ)

神奈川県立御川高校に通う工具楽我聞が所属している部活動。我聞のクラスメイトである佐々木亮吾と中村孝弘も所属しており、彼らはクラスの中でもよくつるんでいる。部内の雰囲気は常に和やかだが、練習には熱心で、我聞も含めて相応の実力を誇っている。また、勢い任せな一面があり、テンションが上がると「ジーク・ピンポン!」という謎の掛け声で盛り上がることがある。 のちに國生陽菜も、天野恵らの勧誘によって入部し、マイラケットを購入するなどやる気を見せている。

G・H・K

國生陽菜に工具楽我聞の嫁になってほしいと考える、工具楽果歩によって立ち上げられた組織。会員は果歩の他に、よくわからないうちに巻き込まれた工具楽珠と工具楽斗真、そして、面白そうという理由のみで参入した森永優がいる。とにかく2人を意識し合わせることが目的で、そのためならいかなる手段も辞さないが、お互いに朴念仁であるため、ことごとく失敗している。

真芝グループ (ましばぐるーぷ)

世界中に展開している大手企業グループ。刀から銃器、戦車などの武器を主に開発し、売り出している。新理論を取り入れるようになると技術が飛躍的に進歩し、人知を超える威力や機能を備えるものも数多く作られるようになり、国家レベルの脅威に成長する。真芝グループは、自らを「作る者」と捉えており、それゆえに壊すことを専門としているこわしやを敵視している。 仙術を使えるこわしやたちには常に後塵を拝してきたが、その不利を覆すべく、普通の人間に仙術を使わせる仙核や、仙術そのものを使えなくしてしまうマガツを新たに開発している。

場所

神奈川県立御川高校 (かながわけんりつみかわこうこう)

工具楽我聞、國生陽菜などが通っている高校。我聞が工具楽屋の社長であることは知られているが、こわしやや仙術については知られていない。のちに静馬番司や、桃子・A・ラインフォードなども新たに転入している。なお、一時期修行に出ていた我聞の身代わりとして変装した中之井千住が登校していたことがあったが、中村孝弘以外誰1人として本人でないことに気づかなかった。

第3研究所 (だいさんけんきゅうじょ)

真芝グループの企画研究部が擁する研究所の1つで、八雲四郎が所長を務めている。仙核の研究が行われているが、拉致した犯罪者を人体実験に利用するなど、非道なもので、さらに工具楽我也の所在地でもあることが発覚したため、こわしやたちの攻略対象となる。

第1研究所 (だいいちけんきゅうじょ)

真芝グループの企画研究部が擁する研究所の1つで、山薙晃が所長を務めている。第3研究所から脱出した工具楽我也が移った場所とされており、こわしやに対する切り札となる反仙術の研究が行われている。そのため、現時点において真芝の最重要拠点となっており、山薙以外の所長に加え、グループ総帥である神楽牙王までもが待ち受ける、まさに鉄壁の要塞と化している。

静馬神社 (しずまじんじゃ)

九州にある、静馬さなえが神主を務めている神社。静馬かなえや静馬番司も在住している。「仙洞」と呼ばれる洞窟が存在し、静馬のこわしやたちはこの場所で仙術の修業を行う。真芝グループとの戦闘によって己の力不足を痛感した工具楽我聞は、さなえの勧めによって静馬神社の仙洞を訪れ、修行に励み、その結果、仙術の力を大幅に上昇させることに成功する。

イベント・出来事

文化祭 (ぶんかさい)

神奈川県立御川高校で開催される文化祭。部活単位で出店を行うことが可能で、生徒投票で最も人気のあった部活に対して、臨時の部費が生徒会から支給される。その額は例年通りなら5万円とのことだが、本年度は文化祭実行委員会の仕切りが良かったということで、なんと30万円が支給された。

その他キーワード

特製スタン弾 (とくせいすたんだん)

森永優が開発した武器の1つ。安全ピンを抜くと5秒後に爆発し、その際に発生する20万ボルトの電粒子で、半径10メートル以内に存在するすべての人間を気絶させる効果を持つ。効果が高い反面コストがかさんでおり、1つ10万円と非常に高価なため、乱用は不可能とされている。また、実際に耐えきる人間もいたため、優は改良の必要性があると考えている。

ゴム弾バズーカ (ごむだんばずーか)

森永優が開発した武器の1つ。大口径のバズーカ砲で、ゴムでできた弾丸を撃ち出す。致死性はないながらもその威力はすさまじく、熊すらも一撃で昏倒させられるほど。ジャンゴウに向けて放たれ、壁を突き抜けるほどの衝撃を与えた。

マガツ

真芝グループの企画研究部第1研究所で開発された、反仙術の要となる巨大な装置。仙術の原動力となる氣の集中を妨害する効果を持ち、マガツの付近ではあらゆる仙術が無効化されてしまう。反面、起動するには莫大なエネルギーが必要とされており、真芝は新理論を応用し、50人もの人間を犠牲にすることで、その精神力をエネルギーとして代用するという暴挙に及んでいる。

マガツタマ

真芝グループの企画研究部第1研究所で開発された小型の装置で、マガツのプロトタイプとされている。勾玉の形状をしており、マガツ同様、仙術を無効化させる機能が内蔵されている。ただしその効果範囲は極めて狭く、もっぱらこわしやの攻撃に対するバリアとして利用されている。

仙核

真芝グループの企画研究部第3研究所で開発された小型の装置。こわしやに対抗するための研究の末に生み出されたもので、身に着けた人間に新理論による力を付与し、誰でも仙術を繰り出せるようになる効果を持つ。また、精神を支配する機能も搭載されており、捕らえたこわしやを大幅にパワーアップさせたうえで操るということも可能としている。

強襲用潜水艦"音断" (きょうしゅうようせんすいかんおとたち)

真芝グループの企画研究部第4研究所で開発された大型の潜水艦。新理論による兵器が内蔵されており、振動音波を放射することで周囲の人間の脳にダメージを与えることができる。また、音波を収束することで仙術による攻撃を相殺することも可能としているなど、こわしやに対する鉄壁の防御力を備えている。

クーパ

真芝グループの企画研究部第5研究所で開発された自律型戦闘マシーンで、巨大な亀の形をしている。キノピーをコアにすることで起動し、外部コントローラーに攻撃目標を音声入力することで、目標となった相手に攻撃を仕掛ける。コントローラーへの命令は絶対で、キノピーであっても命令に逆らうことはできない。物理攻撃を完全に遮断する粒子結晶バリア「プリズムシェル」と、円盤型の自動追尾攻撃ユニット「コクーパ」が内蔵されており、攻防ともに隙がない、強力な兵器に仕上がっている。

強化スーツ"青" (きょうかすーつぶるー)

真芝グループの企画研究部第8研究所で開発された強化スーツ。新理論が搭載されており、仙術を弾くほどの外部装甲と、着用者の力を増幅させる機能を持つ。十曲才蔵にとっては失敗作だったが凪原が独断で持ち出し、ジャンゴウにモニターとして装着させる。森永優のゴム弾バズーカや、工具楽我聞の放った工具楽仙術 弾・双掌砲を耐えきるなどの活躍を見せた。

兵装防護服"青"参式 (へいそうぼうごふくぶるーすりー)

真芝グループの企画研究部第8研究所で開発された強化スーツ。失敗作であるとされる強化スーツ\"青\"を改良したもので、圧縮された空気を一気に解放することで、人を越えた瞬発力を発揮する「ブースト」、爆発を自動的に感知し、空気対流の壁を形成することで熱と衝撃を分散させる「エアアーマー」など、多くの新機能が追加されている。 開発者の十曲才蔵自らがモニターとなるべく装着し、工具楽我聞を大いに苦戦させた。

兵装防護服"青"参式改 (へいそうぼうごふくぶるーすりーかすたむ)

真芝グループの企画研究部第8研究所で開発された強化スーツで、その名の通り、兵装防護服\"青\"参式を強化改造したもの。新たに肩の部分に4機のジェットエンジンが装着されており、このエンジンから圧縮空気を噴射することで、「エア・ジェット」と呼ばれる超高速の突撃を行えるようになっている。工具楽我聞との再戦時において十曲才蔵が装着したが、修行によってパワーアップした我聞の力で粉砕されてしまう。

仙術 (せんじゅつ)

こわしやが使用する、独自の肉体コントロール能力。体内に溢れる氣を操ることで、物質を破壊したり、身を守ったりすることができる。さらに、他のこわしやと接触することで理と呼ばれる力を獲得し、これによって自然現象に干渉できるようになる。

(ことわり)

こわしやが、他のこわしやと接触することで獲得できるとされる能力。自然現象に干渉できるようになり、仙術に応用することで火や水などを自在に操れるようになる。工具楽我聞は静馬さなえと修行をすることで爆発の理を修得し、それを応用した仙術を多数身に着けた。

新理論 (てきすと)

真芝グループが独占している新しい理論。武器や兵器に組み込むことで、何でも斬れるナイフや、あらゆるものをはじき返すバリアなど、驚異的な性能を発揮させることができる。反面、特殊な制御体系が構築されており、操作が難しいとされている。真芝グループは現在、新理論を応用した兵器開発に躍起になっており、8つの企画研究部によってさまざまな研究が進められている。

暴走 (ぼうそう)

仙術の使い手が負傷することで発生するという現象。傷をいやすために外部から無数の氣を取り入れ続けるようになり、攻撃を受けても瞬時に回復し、防衛本能から繰り出される攻撃は強力無比とされている。しかし、流れ続ける氣の影響で人格までも奪われてしまい、目の前の敵を殺戮するだけの破壊者となり果ててしまう。工具楽我聞は十曲才蔵との戦いにおいて、大きなダメージ受けたことで暴走してしまい、危うく大惨事に発展しかけた。

工具楽仙術 解・穿功連撃 (くぐらせんじゅつ かいせんこうれんげき)

工具楽我聞が使用する仙術の1つ。仙術の基本形とされており、相手の体内に拳を叩き込み、氣を送り込むことで肉体に隙間を発生させ、そこを再度殴りつけることで関節を外すことができる。こわしやとしての作業を阻もうとする悪漢に向けて使用された。

工具楽仙術 砕・追功穿 (くぐらせんじゅつ さいついこうせん)

工具楽我聞が使用する仙術の1つ。破壊対象をハンマーで叩くことでヒビを入れて、さらにハンマーを通じて氣を送り込み、入ったヒビを広げて広範囲を破壊する。我聞がジィル・ヒゲリオンを閉じ込めた金庫を破壊するために無我夢中でハンマーを叩きつけたところ、偶然発動し、それ以降は自らの意思で発動させることが可能となった。

工具楽仙術 弾・双掌砲 (くぐらせんじゅつ だんそうしょうほう)

工具楽我聞が使用する仙術の1つ。両手を前に突き出して相手の腹部に当て、そこから直接氣を送り込むことで衝撃を与える。ジャンゴウとの戦いにおいて使用され、軽々と吹き飛ばすほどの威力を見せたが、ジャンゴウが身に着けていた強化スーツ\"青\"の装甲に阻まれたため、決定打にはならなかった。

工具楽仙術 貫・螺旋撃 (くぐらせんじゅつ かんらせんげき)

工具楽我聞が使用する仙術の1つ。拳で殴りつけた標的に対して螺旋状の氣を送り込むことで、内部からの破壊を引き起こす。ジャンゴウとの対決において使用された時は、工具楽仙術 弾・双掌砲を受け止めた強化スーツ\"青\"の装甲を砕くことに成功した。しかし、兵装防護服\"青\"参式を身に着けた十曲才蔵には片手で受け止められてしまう。

工具楽仙術 撃・爆砕 (くぐらせんじゅつ げきばくさい)

工具楽我聞が使用する仙術の1つ。拳で殴りつけた標的に氣を送り込み、その氣を爆発させることで多大な破壊力を生み出す。静馬さなえとの修行により爆発の理を身に着けたことで使用可能となった技で、以前の仙術とは比較にならない破壊力を誇る。

工具楽仙術 崩・一点破 (くぐらせんじゅつ ほういってんぱ)

工具楽我聞が使用する仙術の1つ。物質の氣の流れを見切り、要となる一点に氣の一撃を通し、構成力自体を崩す。この技を実行するには多大な集中力を必要とするため、成立させること自体が非常に困難である。しかしその分、威力は抜群で、工具楽仙術 撃・爆砕をも上回る破壊力を発揮する。十曲才蔵との戦いにおいて使用されたが、発動する前に彼のD・T・Fによる攻撃を受け、不発に終わってしまう。

工具楽・静馬 合仙術 水龍爆吼 (くぐらしずま こうせんじゅつ すいりゅうばっこう)

工具楽我聞と静馬番司が、力を合わせて繰り出す仙術。番司の作り上げた水の渦に向けて我聞が工具楽仙術 撃・爆砕を放ち、その爆発力を練り上げた水で無理やり抑え込み、空気の流れに乗せることで目標に着弾させ、破砕する。強襲用潜水艦\"音断\"に対して使用されたが、新理論を利用した音波によって相殺されられてしまう。

七見仙術 貫・螺旋連撃 (ななみせんじゅつ かんらせんれんげき)

七見イサムが使用する仙術の1つ。工具楽我聞が使用する工具楽仙術 貫・螺旋撃を連続で繰り出し、大きなダメージを与える。この技を受けた我聞は、七見の氣の操り方が巧みであることは認めた。だが、一度受けたことで我聞に見切られてしまい、再び繰り出した際には氣を反らす技術によって無効化された。

静馬仙術 斬・水刃 (しずませんじゅつ ざんすいじん)

静馬さなえが使用する仙術の1つ。理の力を使うことで所持している杖に高圧の水流を宿らせて収束し、巨大な刃に変えて振り回すことで、目標を寸断する。その刃渡りは実に50メートルにも及び、さなえはこれを使うことで、辻原蛍司の乗り込んだヘリコプターをバラバラに切り裂いた。なお、全盛期では100メートルもの刀身を具現化することも可能だったという。

D・T・F

兵装防護服\"青\"参式に搭載されている自動攻撃システム。新理論によって実現した超反応モードで、考えずとも感じた瞬間に最も適当な攻撃を繰り出すことができる。凄まじい反応速度を誇り、工具楽我聞の繰り出した工具楽仙術 崩・一点破に対するカウンターとして用いられた。

静馬仙術 斬・水糸 (しずませんじゅつ ざんすいし)

静馬かなえが使用する仙術の1つ。理の力を使うことで水を無数の糸の形に変えて、絡めとることにより目標を切り裂く。静馬さなえの使用する静馬仙術 斬・水刃と相似した技で、水刃ほどの威力はないが、複数の糸を具現化できるため、命中精度はこちらの方が高い。真芝グループの潜水艦に向けて使用され、4つの糸を用いることにより原型をとどめないレベルまで破壊した。

静馬仙術 撃・水楼陣 (しずませんじゅつ げきすいろうじん)

静馬かなえが使用する仙術の1つ。指先から静馬仙術 斬・水糸を高速で振り回すことで身の回りに展開させ、周りの対象全てを薙ぎ倒す攻防一体の技。複数の敵を一度に倒す際に有効で、第3研究所における戦いでは複数の仙核所有者たちを同時に撃破した。

必殺!! 撃・大水弾 (ひっさつ げきだいすいだん)

静馬番司が使用する仙術の1つ。理の力を使うことで水を球状に圧縮し、目標に向けて撃ち出す。工具楽我聞に挑んだ際に使用するが、我聞の放った工具楽仙術 撃・爆砕によって内部から破砕され、元の水に戻り霧散してしまった。

如月仙術 撃・鉄槌 (きさらぎせんじゅつ げきてっつい)

如月勇次郎が使用する仙術の1つ。理の力を使うことで右手を巨大な鋼鉄のハンマーに変形させ、力任せに振り下ろす。その威力は戦車をぺしゃんこに叩き潰して爆発させるほどで、如月自身もこの仙術には自信を持っている。しかし見た目は格好悪く、そのことを阿部雪見に指摘されている。

奥津仙術 溶・火炎刀 (おくつせんじゅつ ようかえんとう)

奥津太一が使用する仙術の1つ。理の力を使うことで愛用している煙管に炎の力をまとわせ、剣状に収束して対象を破壊する。分厚い鋼鉄の壁を簡単に溶断するほどの威力を持ち、第3研究所の施設を破壊するために活用された。

阿部仙術 砕・雷走 (あべせんじゅつ さいらいそう)

阿部雪見が使用する仙術の1つ。理の力を使うことで拳に雷を収束させ、壁や地面に走らせて目標にぶつけることで破壊する。金属を伝導するため、鉄などでできた盾やバリケードは意味をなさず、屋内でこそ真価を発揮する技といえる。なお、雪見は本来の呼び名が好きではなく、「ライトニングボルト」というあだ名をつけている。

西音寺仙術 触・樹根操 (さいおんじせんじゅつ しょくじゅこんそう)

西音寺進が使用する仙術の1つ。理の力を使うことで樹木を操り、根を鞭のように撓らせることで相手に叩きつけ、破壊する。樹木は鉄やコンクリートを軽々と突き破ることができるため、屋内でも使用することが可能となっている。

西音寺仙術 防・樹障壁 (さいおんじせんじゅつ ぼうじゅしょうへき)

西音寺進が使用する仙術の1つ。無数の樹木で自分自身や対象を覆うことで、周囲から身を守る盾として機能させる。こわしやには珍しい防御のための仙術で、進はこの技を使うことで、崩落する第3研究所から、工具楽屋の社員や他のこわしやたちを無事に生還させた。

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