概要・あらすじ
終戦の声を聴いたばかりの近未来東京。ここでは、膨大な情報量をさばくメディア王の海勝麟六が警察と手を組み幾多の難事件を解決していた。そんなこともあり、現在では探偵業は流行らないと言われているが、海勝麟六の推理の裏では、事件の真実をあぶりだす「最後の名探偵」・結城新十郎と助手の因果の姿があった。
ふたりの不思議な絆が力を発揮し、難解な謎を解き明かす。
登場人物・キャラクター
結城 新十郎 (ゆうき しんじゅうろう)
戦後の東京で「結城探偵事務所」を営んでいる青年。細身であるが運動神経抜群で、卓越した推理力には定評があり、警察や連合調整部からも信頼されている。彼は、事件の裏にある“本当の真実”をあぶり出すことを得意とする「最後の名探偵」である。 しかし、それを知らない者たちからは「敗戦探偵」と呼ばれていた。彼は、とある理由から、普段は世間と距離をとって暮らしている。仕事にあたって因果という少年の助手を使っている。
因果 (いんが)
探偵・結城新十郎の助手で相棒の美少年。前髪が長く右目が隠れており、パンダの帽子をかぶり、パンダのぬいぐるみを持っている。少々幼稚で小生意気な小悪魔気質。しかし、身体能力は新十郎より高い。普段は新十郎に守られているが、御魂が渦巻くと美しい成人女性に変身し、相手にひとつ質問をして答えさせる。 彼の正体は人ではないもので、対象者の命ごと御魂を奪うものであったが、新十郎との契約により、命はとらず新十郎と共に行動するようなった。
海勝 麟六 (かいしょう りんろく)
面長の顔にメガネをかけている男性。戦後に復旧したインフラとその技術を独占している通信会社JJシステムの会長で、通称メディア王。政財界にも顔が利き、検察庁・警視庁の情報分析顧問も務めている。頭脳明晰で膨大な情報量を処理し、検察庁連合調整部の検事虎山泉から持ち込まれた難事件も難なく解決するため、世間からは「名探偵以上の推理力の持ち主」と言われる。 飄々とした態度で物事を進める食わせ者。
海勝 梨江 (かいしょう りえ)
通信会社JJシステムの会長海勝麟六の娘。長く豊かな黒髪を持つ、裕福で育ちの良いお嬢様。大らかで好奇心旺盛で、ずぼらな面も持ち合わせた性格。探偵の結城新十郎に出会ってから彼に興味を持ち、父の麟六に持ち込まれた事件を、こっそり新十郎に吹き込んでは彼を事件に巻き込んでいる。 母親は、彼女がが3歳の時に死亡している。
虎山 泉 (こやま いずみ)
ショートヘアにメガネをかけた女性で、検察庁連合調整部の検事。連合調整部とは、諸外国からの圧力と各省庁との調整を行うための部署で、戦後新設されたもの。彼女独自の判断で捜査を行う権限を持ち、探偵・結城新十郎の持っている事件に関わることもしばしば。 難事件の場合は、情報分析顧問・海勝麟六の分析と意見を聞く。凛として理知的な性格である。
速水 星玄 (はやみ せいげん)
警察庁警備局課長の男性。仕事柄、さまざまな難事件に関わっている。検察庁連合調整部の検事・虎山泉のことを尊敬しているが、それが高じて彼女が崇拝している情報分析顧問・海勝麟六に取って代わろうとし、別天王の力に乗じ事件を起こす。
別天王 (べってんのう)
別天王会の現御神とされる髪の長い少女。人ならざる者であり、「言霊」を操る催眠術師とされている。