あらすじ
第1巻
高校生の少年、小鳥遊宗太は、ファミリーレストラン「ワグナリア」でアルバイトを始める事となった。小さくてかわいいものが大好きな宗太は、自分の教育係を務める事となった身長の低い先輩の種島ぽぷらの事をすぐに気に入る。しかしその事で、店長の白藤杏子からはロリコン扱いされてしまう。(1品め)
宗太は杏子を怒らせてしまった事により、週7日勤務のシフトを強いられ、働き詰めの毎日を送る羽目になる。そんな中、杏子のクレーム対応を見た宗太は、そのあまりにも傍若無人な対応に衝撃を受ける。そして、宗太は杏子に精神年齢が幼いと言ってしまい、さらに杏子を怒らせてしまうのだった。(2品め)
ぽぷらは先輩として宗太に厳しく接するように努めるが、宗太はそんなぽぷらの背伸びした様子を見て、思わずかわいいと思ってしまう。するとぽぷらは先輩としての威厳を見せようと、試行錯誤を始めた。しかし、そんな様子が宗太にとってはさらにかわいらしく見えてしまう。(3品め)
宗太はフロアチーフである轟八千代の事が気になっていた。それを聞いたぽぷらは、それは恋なのかと尋ねるが、宗太はそれを否定する。宗太は八千代が腰に差している刀の事が気になっていたのだ。さらに八千代が杏子を慕っている様子を見て、宗太は八千代を変な人だと認識するのだった。(4品め)
宗太はフロア担当の伊波まひると、初めて同じシフトで働く事となる。すると宗太はいきなりまひるに殴られてしまう。実はまひるは極度の男性恐怖症であるため、男性に対しては無条件に襲い掛かってしまう性質だった。まひるは男性と同じシフトを避けるよう杏子にお願いしていたのだが、杏子の手違いによって、まひるは宗太と同じフロアで働く事となってしまう。(5品め)
ワグナリアには、月間目標として「客目線で行動する」という項目が設定されていた。しかし宗太は、男性恐怖症であるまひるには、それは難しいのではないかと意見する。それを聞いたまひるは、自分の接客を新人の宗太に否定された事に怒り始める。さらに宗太は杏子に対しても、客の目線に立つ事などできるのかと言い放つ。(6品め)
まひるは挨拶と同時に宗太に殴り掛かり、宗太はそれを通り魔のようだと言い表す。そんな宗太は、ぽぷらとまひるとで態度を180度変えており、まひるはどうすれば宗太が自分に優しくしてくれるかを考え始める。そして、まひるは自分が宗太好みの人間になればいいのだと結論を出す。(7品め)
ある日、宗太はワグナリアのチーフマネージャー、音尾兵吾と出会う。兵吾は行方不明の妻を捜してあっちこっちに出掛けているため、めったにワグナリアに顔を出さないのだ。それを聞いた宗太は、なぜ妻に逃げられたのかと兵吾に尋ねるが、兵吾は逃げられたのではないと返す。実は兵吾の妻は極度の方向音痴で、買い物に出掛けたまま行方不明になっていたのだ。(8品め)
八千代は兵吾に杏子を取られたと勘違いして嫉妬し、刀を持って兵吾に襲い掛かる。それを見たキッチン係の佐藤潤は、このまま兵吾を斬れば、雇われ店長である杏子が首になると八千代に忠告。八千代は杏子のために一度は刀を収めるが、いっそ殺してしまえば首にする事もできないだろうという飛躍した論理で、再度兵吾に襲い掛かる。(9品め)
またも店を空ける事となった兵吾に対し、杏子がスタッフに言づけておく事はあるかと尋ねる。兵吾はいつもどおり普通に働いてくれれば問題ないと言うが、それを傍から聞いていた宗太は、そのいつもが問題なのではないかと考えていた。そして宗太は、なぜこんな奇天烈な店に客が来るのかと思いを巡らす。そんな彼に対しぽぷらは、病みつきになる危なっかしさがあるからこの店に来ているのだ、と語っていた常連客の事を教える。(10品め)
杏子がワグナリアに出た虫を即座に退治して処理してみせる。すると、小さくてかわいいものが大好きで、虫にすら感情移入してみせる宗太が、それを知ってショックを受けてしまう。さらに宗太は虫とぽぷらは同じく小さくてかわいいものだから、虫を殺すのはぽぷらを殺すようなものだと、独自の理論を展開し始める。(11品め)
ぽぷらは、宗太にまひるとなかよくするようにとお願いする。そして、ぽぷらは宗太にまひるの事を褒めてはどうかとアドバイスを送る。宗太は小さくないものを褒めるのを嫌がるが、なんとか譲歩した結果、まひるの付けているヘアピンがかわいいと言い出す。するとまひるは、それを褒められた事による照れ隠しで宗太を殴ってしまうのだった。(12品め)
宗太が、杏子のどこがそんなに好きなのかと八千代に尋ねる。すると八千代は杏子と出会った時の話を始める。幼い頃の八千代は、刀を持っていたせいで虐められていたのだ。そんな中、虐められている八千代を助けてくれたのが、通りすがりの杏子だったのだ。(13品め)
潤は時おりぽぷらをからかってはその反応を楽しんでいた。しかし、ぽぷらはそんな潤を相手にして怒ってしまう。そんな中、ぽぷらは店の皿を割ってしまい、破損報告書にその事を書こうとする。しかし、ぽぷらは背が小さいせいで壁に張りつけている破損報告書まで手が届かない。そんなぽぷらに対し、潤は手助けを申し出る。(14品め)
ある日、宗太は兵吾から女の子と接するのが苦手という話を聞かされる。宗太は、男が苦手なまひると兵吾とを会わせない方がいいと考えるが、偶然にも兵吾とまひるが同じ部屋で鉢合わせになってしまう。まひるはいきなり初対面の兵吾に殴りかかるが、宗太があわてて止めに入る。(15品め)
ある日、杏子は仕事中の八千代が体調を崩している事を知り、彼女を休憩室で休ませる事にする。八千代の抜けた穴を埋めるため、杏子は試しに慣れない仕事をしてみる事にしたが、失敗ばかりを繰り返してしまう。(16品め)
宗太はいまだ研修中の身であったが、杏子はその事実をすっかり忘れてしまっていた。週に7日のシフトで働いている宗太はとっくに仕事を覚えており、その能力はすでに研修中とはいえないレベルに達していた。(17品め)
まひるが女性に対して完璧な接客をする事に気づいた宗太は、男性にもそれくらいの接客ができればと考え、まひるに男性恐怖症になった経緯を尋ねる。しかし、まひるはいつも反射的に男性に殴り掛かっているため、自分の男性恐怖症についてよくわかっていなかった。(18品め)
杏子はキッチンで働いている潤に、何か作ってほしいと頼む。潤は店の決まりどおりに三割引きで杏子にお金を請求しようとするが、杏子はただで作ってほしいとだだをこねる。結局、八千代の口添えでしぶしぶ料理を作り始める潤だったが、そんな彼に対しぽぷらは、八千代にだけは優しいと口にする。その言葉に対する潤の反応から、宗太は彼が八千代を好きな事に気づいてしまう。(19品め)
まひるは道行く酔っ払いの女性を心配して、家まで送ってあげる事にした。その後、まひるはその女性が宗太の姉、小鳥遊梢である事を知る。宗太は自分の姉がいつも酔っぱらっている変人である事を恥ずかしく思っており、まひるに対して、それを公言しないようにお願いする。そんな中、梢が客としてワグナリアに来てしまうのだった。(20品め、21品め)
兵吾が久しぶりにワグナリアに帰って来る。しかし、帰って来た際には杏子から食べ物などをたかられ、ぽぷらからは無自覚に傷つけられ、まひるからは殴られそうになり、八千代からは嫉妬の念を浴びせられる。しかし、人のいい兵吾はそれでも文句一つ言わないのだった。(22品め)
潤は密かに八千代に片思いをしているが、その思いは少しも伝わらなかった。それどころか八千代は潤に対し、杏子のどこが好きなのかと惚気話をする始末。それにより傷ついた潤は、ぽぷらをからかってその鬱憤を晴らそうとするが、ぽぷらで遊ばないようにと宗太に怒られてしまう。(23品め)
第2巻
小鳥遊梢が落とした写真を伊波まひるが拾った。そこに映っているのは女の子に見えたが、実はそれは幼い頃の小鳥遊宗太であった。宗太は幼い頃、姉達に女装を強いられていたのである。それを知ったまひるは、思わず宗太に同情してしまう。(24品め)
宗太の朝は姉達の面倒を見る事から始まる。まず三女の梢により絡まれ、それから逃れた次は次女である小鳥遊泉が、散らかした部屋を掃除し始める。そして、その最中に長女の小鳥遊一枝により理不尽な暴力を浴びせられてしまう。四女である小鳥遊なずなはそんな宗太の味方になってくれるが、宗太は時おり腹黒い一面を覗かせるなずなの将来を心配する。宗太はそんな実家を早く出たいと考えており、今日も家を出るための資金を貯めるべくアルバイトに精を出すのだった。(25品め)
まひるはファミリーレストラン「ワグナリア」の休憩室でテスト勉強をしていた。しかし、数学と古文は教師が男性である事からまともに授業を聞けていないため、そのせいで勉強が捗らない。そこでまひるはアルバイト仲間である種島ぽぷらから数学を教えてもらう事にした。しかし、ぽぷらも古文は苦手であるらしく、彼女からそれを教わる事はできなかった。そんな中、宗太が、幼い頃に自分が女装していた事実をまひるに黙っていてもらう代わりとして、彼女に勉強を教える。(26品め)
ある日、宗太はキッチンで働いている相馬博臣が、ワグナリアで働く従業員の色々な事情に詳しい事に気づく。宗太がそれを博臣に指摘すると、博臣はなぜか、ワグナリアではまひる以外は知らないはずの、宗太が女装していた過去についても知っていた。そんな弱味をにぎられた事により、宗太は博臣の代わりに彼の仕事をこなすのだった。(27品め)
佐藤潤は、轟八千代から白藤杏子の惚気話を延々と聞かされたために疲れてしまう。そんな彼の様子を見た博臣は、八千代にもっと潤の事を見てあげてはどうかと忠告する。すると八千代は潤が杏子の事を好きなのではないかと勘違いを始め、その事を潤本人に尋ねる。そして潤は八千代のその考えに呆れてしまうのだった。(28品め)
宗太は口のうまい博臣であれば、まひるに対しても殴られずに対処できるのではないかと思っていた。しかし、実際には博臣はまひるを苦手としていた。まひるは博臣が話し掛ける前に彼を殴りつけるため、博臣の口のうまさが通用しないのだ。そんな中、博臣は誤ってまひるに接近してしまい、殴られてしまう。それでも博臣は宗太が店に来る以前よりは殴られる回数が減ったらしく、どうやってまひるとなかよくなったのかと宗太に尋ねる。(29品め)
ある日、宗太の妹であるなずながワグナリアにやって来る。するとぽぷらが彼女の身長の大きさに驚き、さらになずなが小学生であると知り、自分との違いを痛感して泣き出してしまった。そんな中、まひるがぽぷらを励ますが、まひるは小学生であるなずなの胸が自分よりも大きい事を知って、ぽぷらと同じようにショックを受けてしまうのだった。(30品め)
ぽぷらは自分の身長が伸びない事を悩んでおり、それを潤や博臣に相談にいく。一方、潤と博臣はヒマを持て余しており、ぽぷらがやって来た事でひま潰しのカモが来たと内心ほくそ笑んでいた。そして、潤や博臣は口々に、身長を伸ばすためという名目でウソを教えてしまうが、純粋な性格のぽぷらはそれをすべて信じ込んでしまうのだった。(31品め)
ある日、宗太は姉の一枝からなぜワグナリアで働いているのかと問い詰められた。弁護士を生業としている一枝から見て、ワグナリアは少なくとも傷害罪、銃刀法違反、労働基準法違反に抵触していると考えられ、一枝は何かしらの法的措置を取った方がいいのではないかと考え始める。しかし、考えた末に一枝は金にならなそうだと結論づけ、法的措置を取る事を止める。(32品め)
ワグナリアの店長であるはずの杏子は働かずにお菓子ばかりを食べ、だらだらと過ごしていた。するととうとう宗太の堪忍袋の緒が切れ、彼女に少しは働けと怒鳴りつける。それを見たぽぷらは宗太に落ち着くよう促し、杏子となかよくできるように取り計らう事にした。しかし、宗太からしてみれば年上で横暴な性格というだけで、杏子の事を好きにはなれなかった。そんな中、杏子の事が大好きな八千代が彼女のいいところを宗太に教えようとする。(33品め)
ぽぷらがワグナリアに出勤して潤に挨拶すると、潤は早速ぽぷらの事をからかい始める。それに困ったぽぷらは宗太に助けを求めるが、宗太はからかわれているぽぷらがかわいい事に気づいてしまったために助けられないと、それを断ってしまう。するとぽぷらは今度は八千代に助けを求める。それを聞いた八千代は普段からそんなにイライラする事があるのかと潤に尋ねるが、その元凶は八千代であるために潤は怒ってしまうのだった。(34品め)
博臣はまひるの事を見つけるや否や、殴られないために死んだふりをし始める。一方、潤はまひるに殴られないためにクマ避けの鈴を身につけており、彼もまた博臣と同じくまひるをクマであるかのように扱っていた。それを見たぽぷらは、博臣達がまひるを人間扱いしない事に怒り始め、それを改善するように求める。しかし、博臣達からすれば殴られてしまう事に対するなんらかの対策は必要だった。そこでぽぷらはまひるの対策に詳しい宗太に助けを求め、宗太によるまひる対策講座が始まった。(35品め)
八千代はいつものとおり杏子に献身的に尽くしていた。八千代は小学生の頃からずっと杏子に献身的に尽くしており、それを知った宗太は八千代に同情してしまう。すると杏子は八千代が中学生の頃の話をし始める。杏子が中学生の八千代に、私に構ってばかりで自分の事はしなくていいのかと尋ねたところ、八千代は一生杏子の世話をしていたいと口にしたのだ。そこで杏子は思い切り世話される事を決め、それ以来この関係が続いていた。(36品め)
ワグナリアのチーフマネジャーを務めている音尾兵吾が、久しぶりにワグナリアに顔を出す。そして博臣と会って挨拶を交わしていた。それを見た宗太は博臣に、兵吾に対していつものように脅しを掛けないのかと尋ねる。しかし、博臣によれば兵吾は後ろめたい秘密を何一つ持っていないらしく、それを利用した脅しを掛けられないのだと口にする。(37品め)
まひるは八千代を見て、そのスタイルのよさや勤務態度などにあこがれていた。そして、まひるはどうすれば八千代のようになれるのかと彼女に直接尋ねる。すると、八千代は好きな人がいれば、その人のために努力するようになれるのではないかと、まひるに説く。しかし、男性恐怖症であるまひるには、人を好きになる事自体のハードルが高く、それが無謀に思えてしまう。ただ、まひるは宗太とはしゃべる事はできているため、彼を好きにならないといけないのかと思い詰めてしまう。(38品め)
ぽぷらはいつも自分をからかって来る潤に復讐してやると言い出し、宗太にその方法を尋ねた。宗太は、物を隠したり、靴に画鋲を入れたり、無言電話したりすればいいのではないかと提案するが、根が優しいぽぷらはそれらをすべて却下する。そして、ぽぷらは今度は博臣に復讐の方法を尋ねる。博臣は自分がされて嫌な事をすればいいのではないかと提案し、ぽぷらは自分がされて嫌な事を潤に対して実践し始める。(39品め)
バレンタインを目前に控え、まひるはぽぷらから、普段お世話になっている宗太にチョコレートをあげてはどうかと提案される。しかし、男性恐怖症であるまひるにとってチョコレートをあげるのは初めてで、いざ宗太に渡そうとする最中、まひるは照れ隠しで宗太を殴りつけてしまう。(40品め)
ある日、まひるがワグナリアに出勤すると、宗太がすべての仕事を終わらせてしまった事から、まひるはヒマを持て余してしまう。そんな中、まひるがテーブルを拭いていると、宗太からテーブルの吹き方を指導される。宗太は家での家事をすべて自分でこなしているため、家事全般に対して非常に優れていたのだ。それを知ったまひるは、宗太がバイトで大変であるにもかかわらず、家事まですべてこなしている事に感心する。(41品め)
突然、博臣が宗太に謝罪を申し出る。何事かと宗太が博臣に尋ねると、博臣は宗太の幼い頃の女装写真をうっかり落としてしまったらしい。そして、あろうことかそれをぽぷらが拾ってしまう。宗太はその写真に写っている子供が自分だとバレない内に、ぽぷらに写真を返してほしいと申し出る。しかしぽぷらは、宗太が幼い女の子の写真を持ち歩いているのかと疑惑の眼差しを向け、それにより宗太はぽぷらから変態扱いされてしまう。(42品め)
ホワイトデーの日、宗太はまひるにもらったバレンタインデーのチョコレートのお返しをする事にした。しかし、宗太は近づいて殴られるのが嫌だからと、まひると距離を取る。そして、投げ渡すのは失礼に値するとして、通販で購入したマジックハンドを用いてまひるにお返しを手渡しした。中身はヘアピンで、まひるはそれをもらった事を喜ぶのだった。(43品め)
宗太はワグナリアに見知らぬ箱があるのを発見してそれを開けようとするが、ぽぷらに止められる。中にはぽぷらが拾った子猫が入っており、ぽぷらは無断でそれをワグナリアに持ち込んでしまったのだ。それを見つけた杏子はその子猫を捨てに行こうとするが、ぽぷらは里親を見つけるまで待ってほしいとお願いする。そんなぽぷらのために杏子が、子猫の里親を見つけてあげるのだった。(44品め)
第3巻
種島ぽぷらは、小鳥遊宗太から小さくてかわいいと撫でられた際に、年上にそんな事をするのは失礼ではないかと抗議する。しかし、宗太は小さくてかわいいぽぷらを一生年上として扱う気はないと宣言し、ぽぷらを怒らせてしまう。ぽぷらがその事を佐藤潤に相談すると、潤は多少の事は我慢するのが大人の対応だろうとぽぷらを諭し、ぽぷらはそれを実践するのだった。(45品め)
ぽぷらは、伊波まひるに男性恐怖症では父親ともまともに暮らせなくて大変ではないかと尋ねる。しかし、まひるにとって父親と暮らさない事は普通の事であり、それに対しては特に嘆いてはいなかった。また、まひるが男性恐怖症になる原因は父親によるものであり、まひるは男性恐怖症になった時の話をみんなに始める。(46品め)
音尾兵吾が久しぶりにファミリーレストラン「ワグナリア」に顔を出すと、その傍らには家出少女の山田葵がいた。葵は人のいい兵吾に対して噓っぱちの悲劇的な境遇を話す事で、それに同情した兵吾から働き口としてワグナリアを紹介され、新人アルバイトとして働く事になった。(47品め)
宗太はワグナリアの新人アルバイトとなった葵の教育係を務める事となった。しかし、葵は物覚えが悪く、さらに宗太に対して反抗的な態度を見せる。そんな中、葵は兵吾から仕事は覚えたかと尋ねられて、バッチリ覚えたとウソをつく。だが人のいい兵吾は彼女のウソを信じ込み、彼女を褒める。葵はそんな兵吾の優しさにときめき、彼の養子にしてもらおうと言い出すのだった。(48品め)
葵はワグナリアの屋根裏に住み始め、冷蔵庫を無断私用するなど勝手な振る舞いを始める。その事を潤に咎められるが、葵はそれを真に受けない。しかし、葵がキッチンのガス台を勝手に使っている事や、客席を丸ごと屋根裏に持って行っている事などを相馬博臣によってバラされ、それにより葵は潤から本格的に叱られてしまう。すると、轟八千代がそんなに怒っては可哀想だと葵をかばう。(49品め)
宗太は仕事の物覚えが悪い葵につきっきりになった事で、まひるに構えなくなっていた。そんな中、ようやく葵も仕事を覚え、皿も割らなくなったように見えたが、葵は割った皿を隠していただけであった。それを知った宗太は葵を叱ろうとして、逃げる彼女を追い掛ける。(50品め)
ある日、ぽぷらはワグナリアでのアルバイトを辞めないといけないかもと言い出し、驚いたみんながぽぷらにその理由を問い詰める。ぽぷらは周囲の友達が最近塾や予備校に通い始めたために、自分も勉強に精を出さなくてはいけないのではと焦っていたのだ。しかし、アルバイトを辞めたくないぽぷらは同僚達にを相談を始める。(51品め)
葵が仕事でのミスや店の調味料などを、バレないように少しずつ取っている事を博臣によってバラされ、それを知った宗太と潤から叱られてしまう。そこで葵は博臣に自分の悪事をバラされないようにするため、逆に彼の弱みを調べてみる事にした。しかし、誰に聞いても博臣の事がよくわからず、葵はそんな博臣がみんなとなかよくないのだと思い、同情して泣き出してしまう。博臣がそんな葵をなだめようとする最中、その様子をぽぷらによって見られ、女の子を泣かすような人だと勘違いされてしまう。(52品め)
いつものように八千代は潤に対して杏子の惚気話をしていた。すると葵が八千代に対して潤は八千代に片思いしているのに、杏子の惚気話なんかしていいのかと言ってしまう。八千代は事の真相を潤に尋ねると、潤は勢いのままに八千代に自らの思いを伝えてしまった。それにより八千代と潤のあいだに気まずい空気が流れてしまう。(53品め)
潤の気持ちを知ってしまった八千代は、今までそんな潤に対して杏子の惚気話をしていた事を思い返し、それに罪悪感を抱いてしまう。それにより八千代は仕事が手につかなくなってしまった。一方、潤もまた、八千代に思いを伝えた事による動揺で仕事どころではなくなってしまった。そして、キッチンとフロアにて一番働く二人が調子を崩したせいで、お店の経営にも影響を及ぼしてしまう。するとぽぷらは潤と八千代の二人が喧嘩しているのだと勘違いして、二人を呼び出して話し合いの場を設ける。(54品め)
宗太はスーパーに行った帰り道、道に座り込んでいるまひると出会う。宗太がまひるに事情を尋ねると、まひるは店員が男であるせいで買い物ができなかったらしく、どうしようかと座り込んでいたのだと答えた。そこで宗太はまひるの代わりに買い物をして、家まで送ってあげる事にした。その道中、宗太は姉の小鳥遊一枝に出会い、まひるとの関係を誤解されてしまう。(55品め)
宗太の姉である小鳥遊梢が彼氏にふられたからとワグナリアを訪れ、宗太やまひるの仕事の邪魔をしてしまう。宗太はそんな梢を厄介者扱いしつつ席を離れると、今度はアルバイトのシフトがない葵が客として宗太を呼び出し、構ってほしがる。宗太がそんな葵を注意しつつ卓を去ると、仕事中のぽぷらが葵に捕まってしまう。(56品め)
宗太が風邪を引いた妹の世話によりアルバイトを休む事になった。するとみんながその事をまひるに伝え、宗太がいなくても大丈夫かと心配する。まひるは宗太がいなくても大丈夫だと毅然と振る舞うが、普段殴りつけている宗太がいないせいかどこか落ち着かない。一方、博臣は宗太がいないと自分がまひるにより殴られる確率が上がると、不安がる。そして、心配したとおり博臣はまひるとばったり出くわし、彼女により殴りつけられてしまう。(57品め)
まひるが宗太にチョコレートをあげた事が、まひるの父親にバレてしまい、誤魔化すために宗太は女性であると思わず言ってしまう。すると父親はそれを確認するためにワグナリアに来ると言い出す。仕方なくまひるは宗太に女装をお願いするが、それを宗太は嫌がる。しかし父親にそれがバレると、まひるがワグナリアを辞めさせられるとわかり、悩んだ末に宗太は女装をするのだった。(58品め、59品め、60品め)
宗太がアルバイトから早めに帰宅する事となった。すると、ぽぷらが宗太に今日くらいはゆっくり休んでねと優しい言葉を投げ掛けるが、その言葉に宗太は表情を曇らせた。宗太にとっては自宅ですら休まるような環境ではなく、案の定宗太は姉達の対応に追われて休まるヒマがない。(エピソード「小鳥遊家の日常 その①」)
宗太は梢に対しては姉達の中でも特に邪険に扱っていた。それは梢が宗太に対して暴力を振るうからであったが、梢はなぜ宗太が自分にこんなにも冷たいのかがわからない。それに拗ねた梢はどうせなら徹底的に嫌われてやろうと、宗太の自室に無断で侵入してしまう。(エピソード「小鳥遊家の日常 その②」)
宗太は今月の家計が厳しい事を嘆いていた。すると、小鳥遊なずなが一枝から追加でお金をもらって来てくれる。なずなは兄の宗太が幼い頃から家事でがんばる姿を目にしており、そんな宗太の助けになりたいと日頃から考えていた。しかし、そのせいでなずなは少々計算高い性格へと成長してしまい、宗太はそれを嘆くのだった。(エピソード「小鳥遊家の日常 その③」)
一枝と小鳥遊泉は昔から折り合いが悪く、またも些細な事で喧嘩してしまう。すると、泉は一枝に普段から宗太に頼るばかりではなく、自分の事は自分でしろと言われた事を気にして、自ら部屋の掃除を始めた。しかし、泉は余計に部屋を汚くしてしまい、それを見た一枝はそんな泉に呆れてしまう。(エピソード「小鳥遊家の日常 その④」)
第4巻
小鳥遊宗太の貢献によって伊波まひるは、ファミリーレストラン「ワグナリア」のアルバイトを辞めずに済む事になった。しかし、その一件によりまひるは宗太に好意を抱くようになり、彼を殴りたくないからと、以前よりも彼と距離を取るようになってしまう。一方、宗太は女装したせいでまひるに避けられているのだと勘違いしてしまう。(61品め)
山田葵はいつまでもアルバイトの研修から抜け出せない事を嘆いていた。そこで種島ぽぷらの提案により、新たな仕事としてパフェの作り方を練習する。しかし、その練習によりパフェの材料を使い過ぎてしまい、それを佐藤潤に叱られてしまう。(62品め)
ある日、ぽぷらが宗太にあこがれの眼差しを向け始める。葵はぽぷらが宗太に惚れたのだと思い、まひるを加えた三人による三角関係に発展してしまうのではないかと危惧する。しかし、ぽぷらは宗太の女装姿にあこがれていただけで、もう一度宗太に女装をしてほしいとお願いした。(63品め)
宗太はまひるの男性恐怖症を本格的に問題視し始め、その解決に動き出す。そのために宗太はまひるに自分となかよくなるのはどうかと提案、最終的には手をつないでデートしに行こうとまで言い出す。すると、まひるはその提案に照れてしまい、思わず宗太に殴り掛かってしまうのだった。(64品め)
潤達は白藤杏子が勝手にキッチンの食材を食べてしまう事に困っていた。そこで、相馬博臣が、入荷数を間違えて食材がギリギリだから絶対に食べないようにと杏子にウソをつく。その数日後、杏子はお腹が減り過ぎて苦しそうな表情を浮かべていた。それに罪悪感を抱いた潤は、廃棄する食材を使って杏子のために料理を作る。(65品め)
杏子が出張により5日間、ワグナリアを留守にする事となった。すると轟八千代が杏子のいない寂しさによって元気を失ってしまう。そこでみんなで八千代を元気づける方法を考える。そんな中、博臣が八千代に杏子の代わりに潤に尽くせばいいのではと提案した。その提案により八千代は潤に対して甲斐甲斐しく世話を焼き始める。(66品め、67品め)
まひるは宗太から女の子扱いされない事を嘆いていた。そんな中、ぽぷらが印象を変えるためにまひるの髪を弄ろうとするが、髪が短いために弄りづらい。そこでまひるがウィッグを付けてみると途端に女の子らしくなり、それを見た葵とぽぷらが騒ぎ出す。(68品め)
宗太は八千代のほんわかした雰囲気が少々苦手だった。そこで博臣の提案により宗太は八千代と話してみる事にする。すると八千代は杏子の惚気話を始めてしまい、宗太はそれを我慢して聞く事になる。そして、宗太はさらに八千代に苦手意識を持ってしまうのだった(69品め)
音尾兵吾がワグナリアに顔を出し、葵が彼に思いっきり甘え始めた。さらに葵は兵吾に養子にしてほしいと言い出す。兵吾はそんな彼女を叱ろうとするが、根が優し過ぎるために厳しくする事ができない。(70品め)
ぽぷらが冷凍室のドアを開けられず、中に閉じ込められてしまう。途中で潤により助けられたぽぷらだったが、彼女はそれが潤のいつもの悪戯だと思い込んでいた。しかし、それはぽぷらの勘違いで、実は杏子がぽぷらがいるにもかかわらず誤ってドアを閉めたのだとわかる。ぽぷらは勘違いであった事を潤に謝罪するが、潤により報復の悪戯をされてしまう。(71品め)
なずなが道を歩いていると、宗太とまひるがいっしょにいるのを見掛けた。そして、二人が付き合っているのかどうか気になったなずなは、職業体験レポートという名目でワグナリアにて働く事にした。そこでなずなは宗太がまひるに殴られている姿を目撃する。しかし、宗太はなずなを店の事情に巻き込みたくないからと、殴られた理由を説明しないため、なずなは宗太がマゾヒストだと勘違いしてしまう。(72品め)
宗太がマゾヒストなのだと勘違いしたなずなは、それが事実であるかの真偽をまひるに尋ねる。そして、聞き違いをしたまひるの返答から、なずなは宗太がマゾヒストである事に確信を得てしまう。そして、なずなは宗太に暴力を振るうために、小鳥遊梢から護身術を習う事を決意する。(73品め)
ぽぷらはまひると宗太の恋を応援したいと考え、宗太にまひるのいいところをアピールする。しかし、宗太はまひるよりもぽぷらの事に夢中になってしまう。そこでぽぷらは宗太の好きそうな人形を用意して、それを「伊波さん」と名付けた。その人形を渡された宗太はかわいいと褒めるが、偶然その場を通り掛かったまひるは、自分がかわいいと言われたのだと勘違いしてしまう。(74品め)
ある日、八千代がずっとこのままみんなで働いていたいと口にする。するとそれを聞いた潤は自分達はアルバイトなのだから、いつかはここを辞めていくのだと言う。八千代はそれを聞いて急に寂しくなり、それを杏子に相談すると、杏子はそれは今に始まった事ではないと返す。納得する八千代だったが、なぜか潤が辞める事に特別な寂しさを覚えるのだった。(75品め)
スランプにより小説が書けなくなった小鳥遊泉は、旅に出ますという書置きを残して外出する。それを見た宗太達は泉が出て行ったと大騒ぎする。一方、普段外出する事のない泉は運動不足により近くの公園で動けなくなっていた。そんな中、まひるが通り掛かり泉に声を掛ける。(76品め)
酷い筋肉痛になった泉の世話をするために宗太がアルバイトを休む事となった。しかし、その日のフロアは、まひる以外には半人前の葵や、普段から働く事のない杏子しかおらず、さらにその日に限って男性客ばかりが来店してしまう。そこでフロアの穴を埋めるために、急遽キッチンの潤や博臣がフロアに出て接客する事になってしまう。(77品め)
葵とぽぷらとまひるは休憩室で怪談話をしていた。その帰り道、まひると宗太の後ろを誰かがあとをついて来る。その正体は、怪談のせいで一人でワグナリアにいるのが怖くなってしまった葵だった。そして、葵とまひるは急遽宗太の家に泊まる事になり、葵は梢にまひるが宗太の事が好きである事をしゃべってしまう。それを面白がった梢は、まひると宗太を二人きりにしようとする。(78品め、79品め)
第5巻
山田葵が伊波まひるといっしょに小鳥遊宗太の家に泊まった事を、種島ぽぷらにしゃべろうとする。しかし、その途中で宗太がやって来て葵の口を塞ぐ。宗太はぽぷらに姉の小鳥遊梢の事などを知られたくなかったのだ。だが、ぽぷらは一人だけ仲間外れにされてしまったと拗ねてしまう。(80品め)
白藤杏子と轟八千代はパフェの材料を買いに行く最中に、道に迷っているという女性に出会う。彼女と話していると、八千代はその女性が音尾兵吾の捜し人である妻の音尾春奈である事に気づくが、口下手である事から彼女を引き止めるのに失敗してしまう。(81品め)
まひるは佐藤潤が八千代に片思いしている事実を偶然知ってしまう。しかし、八千代は杏子の事が好きであり、潤の恋は報われないものだとまひるは考えていた。それによりまひるはつい潤に憐れみの視線を向けてしまうが、潤はその視線に鬱陶しさを覚える。(82品め)
宗太はまひるが潤をよく見ている事に気づく。それを宗太はまひるが潤に恋したのだと勘違いしてしまい、それについ動揺してしまう。それを聞いた相馬博臣は宗太が潤に嫉妬しているのだと考え、彼にその真意を尋ねる。(83品め)
ファミリーレストラン「ワグナリア」で、時々アルバイトをしている小鳥遊なずなは、優秀であるが故に葵の仕事までやってしまう。しかし、葵はそんな彼女の働きぶりに嫉妬し、彼女に意地悪を働こうとする。すると、それを察したなずなが葵を立てるためにわざと失敗してみせ、葵に助けを求める。(84品め)
八千代は迷子になっている春奈と出会ったが、引き止められなかった事に罪悪感を抱いていた。そんな中、春奈の夫、音尾兵吾がワグナリアに顔を出すが、八千代はそんな兵吾に対していつもの調子で接しない。みんなはそれを疑問に思い、八千代の事を心配する。(85品め)
ぽぷらは宗太がワグナリアに忘れていった定期券を届けに、彼の家に行く。そこでぽぷらはワグナリアの常連客である梢が宗太の姉である事実を知り、それを秘密にされていた事に嫉妬してしまう。(86品め)
宗太はぽぷらのお願いを聞くために、女装をしてまひるとデートをする事になった。デートでは、女装により落ち込む宗太にまひるが気を遣い、そんなまひるに宗太は好感を抱く。しかし、宗太は自分が大嫌いであるはずの年上の女性に好感を抱いている事に気づき、その事実に激しく動揺してしまう。(87品め、88品め)
宗太が迷子の女の子を保護して、その子をワグナリアに連れて来る。店の客にもその子の事を尋ねるが、誰も知らない。そんな中、宗太はその女の子を自分が育てると言い出してしまう。(89品め)
ワグナリアにやって来た梢は、酒に酔った勢いでフロアで働く女の子達を捕まえた挙句、その子達にさまざまなコスプレ衣装を着せ始めた。そして、露出の多い衣装を着た八千代とばったり出くわした潤はその姿に激しく動揺してしまう。(90品め)
まひるが自分の男性恐怖症を治す気概が足りないと、ぽぷらが説教を始める。そしてぽぷらはまひるをロープや手錠を使って拘束し、男を殴れないようにした。しかし、そんなまひるに宗太が近づくと、パンチの代わりに蹴りが飛んで来てしまう。(91品め)
葵は道を歩いている最中、迷子になっていた春奈と出会う。葵はその女性が兵吾の妻である事を知らなったが、好みの年上女性であった春奈につい甘えてしまう。その最中、葵は春奈に自分の母親になってほしいと言い出す。(92品め)
潤はぽぷらに、からかい方がワンパターンだと言われてしまう。すると潤は改心したのかぽぷらを褒め始め、その様子にぽぷらは激しく動揺してしまう。数日後、ぽぷらは潤から褒められる事にようやく慣れるが、そんなぽぷらに潤はがっかりしてしまう。潤はぽぷらの動揺する様子を面白がっていただけで、決して改心したわけではなかったのだった。(93品め)
ぽぷらは自分だけが宗太の実家に泊まっていない事を寂しがっていた。そんなぽぷらは自分も家に泊まらせてもらえるよう宗太にお願いするが、宗太は断固としてその申し出を断る。するとぽぷらは梢にお願いして、彼女の客として宗太の家に泊まる事になった。(94品め、95品め)
小鳥遊泉は宗太の彼女がぽぷらで、さらにぽぷらの事を小学生だと勘違いしていた。周囲に相談しても勘違いが深まるばかりで、解決の糸口が見えない。そんな中、泉は宗太をロリコンの犯罪者にしないために、宗太とぽぷらの仲をなんとかしようと決意するのだった。(96品め)
ぽぷらとまひるが宗太の家に泊まりに行ったと聞いて、それを知らなかった葵は拗ねてしまう。そして、葵はみんなが自分に優しくしてくれるように策を巡らせる。(97品め)
梢がなずなの着ている制服を借りてワグナリアで働こうとする。宗太はそんな梢を邪険に扱うが、弱味をにぎられてしまっているために強気に出る事ができない。そして梢の横暴な振る舞いを見たみんなは、宗太の心労に理解を示すのだった。(98品め)
機械に弱い八千代は携帯電話を持っておらず、潤の持っている携帯電話に興味を示し始める。すると博臣が潤といっしょに携帯電話を買いに行ってはどうかと八千代に提案した。(エピソード「轟八千代の今日この頃」)
葵はワグナリアの屋根裏に住み着きながら、ウェイトレスとしてそこで働いていた。そんな彼女の1日のスケジュールが語られる。(エピソード「山田葵の今日この頃」)
第6巻
普段から小鳥遊宗太に迷惑を掛けっぱなしの伊波まひるは、轟八千代の提案で宗太に喜ばれそうな事を始める。それを聞いた宗太は、自分も家庭の事情などの愚痴を聞いてもらっている立場だからと、それを止めさせる。(99品め)
宗太が、ファミリーレストラン「ワグナリア」の休憩室に置いてあったアルバムの写真に写っている少女の事を一目で気に入る。しかし、その少女が幼い頃の白藤杏子だとわかり、宗太はそれに大きなショックを受けるのだった。(100品め)
佐藤潤と種島ぽぷらが風邪を引いてしまう。それによりワグナリアは人手不足になり、杏子の後輩である真柴陽平と真柴美月がワグナリアの助っ人にやって来る。(101品め、102品め、103品め)
陽平と美月は以前迷惑を掛けてしまったお詫びとして、再度ワグナリアに働きにやって来ていた。しかし、仲の悪い二人は仕事の最中に口喧嘩を始めてしまう。(104品め)
杏子が家事やアルバイトなどで忙しい宗太の負担を和らげるために、まひるの担当を解任させると言い出した。宗太は自分でなければまひるの担当は難しいと言うが、それをまひるに相談したところ、彼女はどっちつかずの返事をしてしまう。宗太はそれに怒ってまひると喧嘩してしまった。(105品め、106品め)
小鳥遊梢はまた彼氏にふられたと言ってワグナリアを訪れていた。そんな梢を見た陽平は彼女が美人だと口にする。すると梢は自分を褒めてくれた陽平に惚れ、交際を申し出る。(107品め)
美月は潤と八千代の仲睦まじい様子を見て、八千代の事を守ろうとし始める。すると八千代は潤とは大事な友達だから問題ないと言うが、八千代に片思いをしている潤は友達だと言われてショックを受けてしまう。(108品め)
山田葵は相馬博臣の事を知ろうと質問を投げ掛けるが、秘密主義である博臣はその質問に答えてくれない。そこで葵はぽぷらを誘って博臣の事を知ろうと、彼を遠くから観察し始めた。(109品め)
宗太とぽぷらの仲を誤解している小鳥遊泉はそれに嫉妬し始め、小鳥遊なずなを連れて宗太のあとをつける。しかし、なずなの思っている以上に泉は体力がなく、彼女のそんな虚弱すぎる様子に、なずなはだんだんとイラついてしまう。(110品め)
ある日、まひるは近所で噂になっている痴漢に出くわす。彼は山田桐生と名乗り、行方不明になった妹を捜しているだけで、決して痴漢ではないとその疑いを否定した。まひるは実はその青年が葵の家族ではないかと推測する。(111品め)
まひるは桐生から妹をいっしょに探してほしい、と協力をお願いされた。まひるはそれを承諾して、桐生から感謝される。しかし、そんな二人の様子が遠くから見ていた宗太には仲睦まじく見えてしまい、宗太はそれに嫉妬してしまう。(112品め)
美月は八千代と潤の仲が怪しいと思っていた。それを聞いた梢は面白がって美月といっしょに二人きりの八千代と潤を遠くから観察し始める。(113品め)
まひると桐生との仲を誤解した宗太はそれに悩むあまり、様子がおかしくなってしまう。そして、悩む中で宗太は自分がまひるの世話を焼く内に彼女に惚れてしまったのではないかと考える。しかし、その事実を受け入れられない宗太はショックで倒れてしまう。(114品め)
葵は道で音尾春奈と出会う。春奈の事を気に入っている葵は、自分の新しい母親になってもらいたいと、彼女を連れてワグナリアを訪れる。(115品め)
ワグナリアの個性的過ぎるメンバーが、どういった成り行きでアルバイトに採用されたのか、杏子の口からそれが語られる。それを聞いた宗太は自分が一番まともだと言い出すが、みんなからはその発言を呆れられてしまう。(116品め)
ワグナリアで働く松本麻耶は普通である事にこだわり過ぎるあまり、逆に個性的な人物と見られていた。しかし、麻耶はそれを自覚する事なく日々を過ごし、結果的に周囲から変な人だと認識されてしまうのだった。(エピソード「松本麻耶の普通の日々 その1」「松本麻耶の普通の日々 その2」)
第7巻
小鳥遊なずなが小鳥遊宗太の身長に追いついた。それにより心を痛めた宗太は、1日だけ種島ぽぷらに妹として振る舞ってもらう事にする。しかし、そんな二人の様子を見た周囲は何があったのかと不思議に思い始める。(117品め)
山田葵はファミリーレストラン「ワグナリア」の研修から卒業するために、白藤杏子に直談判する。しかし、レジすらまともに打てない葵は杏子によりそれを断られてしまう。葵がそれでも食い下がると、杏子はみんながいいと言えば研修を卒業してもいいと口にした。そこで葵はみんなからその言葉を引きだすための策を巡らす。(118品め)
兄の助けになりたいと思っていたなずなは、そのために姉達のもとを回ってさまざまな社会勉強を始める。小鳥遊梢からは護身術を習い、小鳥遊泉の部屋で彼女が所持している本を読み、小鳥遊一枝のもとでは彼女から話を聞く。(119品め)
行方不明の妹を捜していた山田桐生だったが、それを捜しにワグナリアに来た途端に、目的を忘れて伊波まひるとの談笑に耽ってしまう。それを見た宗太は二人の様子に嫉妬して桐生に食って掛かる。(120品め)
桐生は行方不明の妹を捜すために再びワグナリアを訪れる。そんな中、事情を知っているらしい相馬博臣は葵のためを思い、葵と桐生の二人を引き合わせないようにする。(121品め)
佐藤潤は自分の思いに気づかない鈍感過ぎる轟八千代に向かって、つい馬鹿だと罵ってしまう。そして、そんな八千代がなぜフロアチーフになれたのかと疑問に思う。しかし、八千代の働きぶりを見た潤は、それがフロアチーフに相応しいものだと認め、彼女を疑った事を謝る。(122品め)
ぽぷらは道を歩いている途中で小学生にからかわれてしまった。それによりぽぷらが困っている中、通り掛かりの桐生がそんなぽぷらを助けてくれた。(123品め)
まひるは宗太からかわいいと言われているぽぷらを見て、自分もかわいいと言われてみたいと思い始める。するとそれを知った博臣が面白がり、まひるが宗太からかわいいと言われるように策を巡らす。(124品め)
宗太は葵がいつまで経っても仕事を覚えようとしない事に怒っていた。そして、仕事中に立ち止まっている葵を見た宗太は、つい頭ごなしに彼女を叱ってしまう。しかし、葵は仕事中に覚える事のメモをしていただけで、それを知った宗太は葵にその事を謝る。(125品め)
宗太は道で真柴美月と真柴陽平に出会う。二人は杏子を尊敬するあまり、彼女中心の生活を送っていた。宗太はそれに同情するが、美月と陽平は好きでやっている事だからと、その同情を否定する。(126品め)
ぽぷらは杏子が大人っぽい恋に悩んでいるものだと思い込む。そんな杏子にぽぷらはアドバイスを送ろうとするが、子供っぽいぽぷらにはうまくアドバイスをする事ができない。(127品め)
宗太が小学生と付き合っていると誤解している泉は、その交際を止めるために身体を鍛えようと決意した。そこで泉は梢からの指導を受ける。しかし、あまりにも貧弱すぎる泉は、少し身体を動かしただけですぐにへばってしまう。(128品め)
美月は八千代を過保護に扱っており、それを見た潤はこれでは八千代が自立できないだろうと危惧する。そこで潤は美月に八千代に構うのは止めろと忠告する。すると美月は潤に、八千代が好きだからそんな事を言うのかと食って掛かる。(129品め)
八千代は潤が美月の事を好きだと誤解して、その事に落ち込んでしまう。しかし、八千代はなぜ自分が落ち込んでいるのか理解できず、それに悩むあまり調子を崩してしまった。そんな八千代の様子を見た潤は、この関係が続く事を不毛に思い、関係を進めようと決意する。(130品め)
桐生がワグナリアを訪れると、博臣は葵と桐生を引き合わせないように気を遣う。そんな中、葵は買い物に出掛けようとするが、博臣はそのあいだに葵が桐生に出会うのではないかと危惧して、博臣は葵の買い物についていく。(131品め)
ぽぷらが、位置が高くて今まで手が届かなかった破損報告書に手が届いた事を、嬉しそうにみんなに報告する。すると背が伸びたのだと思い込んだ宗太と潤がそれに落ち込んでしまう。どうしてもぽぷらの言葉を信じ切る事ができない二人は、彼女の身長について調べ始める。(132品め)
休憩中のまひるの後ろで縦に長く積んだ段ボールが倒れそうになり、それを見た宗太が段ボールが倒れないように手で支える。しかし、それにより宗太に接近されたまひるが彼に殴り掛かろうとするが、殴れば段ボールが倒れるからと宗太に言われたまひるは、その衝動を必死で抑える。(133品め)
意図せず宗太に押し倒される事になったまひるはそれに照れてしまい、必要以上に宗太に近づかないように彼を避け始める。しかし、それにより疲れてしまったまひるは休憩室で眠ってしまう。その様子を見た宗太は寝てる時は殴らないのかと気になり、試しにまひるに触れてみる。(134品め)
松本麻耶は道を歩いている途中で様子のおかしいまひるを見掛ける。変な事に巻き込まれたくない麻耶はそれを一度は無視するが、根が優しいために戻って来て彼女に声を掛ける。(エピソード「松本麻耶の普通の日々 その3」「松本麻耶の普通の日々 その4」)
第8巻
小鳥遊宗太に頭を撫でられた伊波まひるはそれに照れてしまって熱を出し、ファミリーレストラン「ワグナリア」のアルバイトを休む事になった。すると宗太はそれに罪悪感を抱き、まひるのお見舞いに行く。しかし、まひるは家族に宗太が女性であると言っているため、宗太は女装をする羽目になってしまう。(135品め)
携帯電話を持っていない山田葵は、みんながメールでなかよくしているのを見て、それを羨ましがる。そこで葵は仕事の連絡事項を書く掲示板に葵へのメールコーナーを設け、疑似的にメールをしようと目論む。(136品め)
まひると佐藤潤は意図せず休憩室に二人きりになってしまう。潤は動揺を面に出さないが、まひるに殴り殺される事を危惧していた。しかし、まひるは潤が余裕の態度であると思い込む。(137品め)
以前迷子になってワグナリアにて保護されていた少女が、宗太にもう一度会うためにワグナリアを訪れる。それを喜んだ宗太がその少女につきっきりになると、普段宗太に構われっぱなしの種島ぽぷらが、それに寂しさを覚えてしまう。(138品め)
相馬博臣が潤の片思いを応援しつつも、面白そうだからと、その恋敵である白藤杏子から役立つ情報を探っていた。その最中、博臣は、杏子に対して八千代が自立できないのは、杏子達とずっといっしょにいるせいだ、と思わずしゃべってしまう。(139品め)
杏子は八千代が自立できないのは自分達のせいだと考えて、悩んでいた。それにより杏子は食べ物をほとんど口にしなくなり、八千代がその事を心配する。そんな八千代の姿を見た潤もまた、杏子の体調を心配し始めた。(140品め)
葵がコンビニに出掛けているあいだに、杏子達が店の戸締りを済ませてしまい、葵はワグナリアに入れなくなってしまう。その事で一人途方に暮れていた葵のもとに潤がやって来て、彼女を助ける。(141品め)
まひるは長いあいだ宗太を殴っておらず、この調子で男性恐怖症が治る事を切望していた。するとそれを聞いた葵とぽぷらが、彼女に協力して男性恐怖症が治る方法をいっしょに探る。(142品め)
小鳥遊なずなは、小学生であるにもかかわらず身長が伸び過ぎてしまったために、兄の宗太に甘えられなくなっていた。それを聞いたぽぷらは年上として、なずなにもっと甘えてもいいのだとアドバイスを送る。それによりなずなは以前のように宗太に甘える事ができるようになった。(143品め)
小鳥遊梢と話していた八千代が酒を飲みに行く事に興味を示した事から、潤は八千代を飲みに誘うが、日時までは決められないでいた。それを傍から聞いていた博臣は、潤の煮え切らない態度に苛立ってしまう。(144品め)
まひるは男性恐怖症を治すために、宗太とメールをする事になった。そして、宗太と別れる間際に今日中に彼にメールを送る事を約束する。しかし、宗太のもとにはいつまで経ってもまひるからのメールが届く事はなく、宗太は携帯電話ばかりを何度も確認してしまう。(145品め)
葵は博臣から買ってもらったクマのぬいぐるみを失くしてしまう。それを聞いたみんなは協力してそのぬいぐるみをいっしょに探し始める。(146品め)
宗太は道で山田桐生と出会う。彼とあまりかかわり合いになりたくない宗太はさっさとその場をあとにしようとするが、桐生が宗太の母親の話を始めた途端、宗太はそれがどんな内容が気になって仕方がなくなる。(147品め)
宗太と博臣はショッピングモールに一人でいる八千代を見つけ、彼女のプライベートがどんなものか気になって、遠くから観察し始める。そんな八千代は宗太達の想像以上にゆっくりとした時間の過ごし方をしていた。しかし八千代自身はその日、いつもの5倍は機敏に動いていたらしく、それをあとから知った宗太と博臣は驚いてしまう。(148品め)
潤はその日、ストレスのない日々を送っていた。しかし、ぽぷらを見つけた途端、いつものようにからかってしまう。そして、潤はストレスが溜まっていないにもかかわらず、なぜぽぷらをからかってストレス発散をしているのかと考えてしまう。(149品め)
まひるは潤とぽぷらの仲のよさに改めて気づく。そしてまひるは実はぽぷらは潤の事が好きなのではないかと考えた。そんな中、葵が潤とぽぷらに付き合ってはどうかと提案し始める。(150品め)
葵はワグナリアに帰って来た音尾兵吾に甘え始める。兵吾はそんな葵に父親の事を尋ねるが、葵には幼い頃から父親がいなかった。それを聞いた兵吾は今日だけは自分を父親のように考えていいと葵に言う。(151品め)
小鳥遊家の自宅に峰岸透から電話が掛かって来る。透は宗太の母親の部下であり、母親は透を通して小鳥遊家の近況を聞きたいらしい。しかし、透は極度のマゾヒストであるために誰も彼と会いたがらず、結局宗太が代表して透に会いに行く事になってしまう。(152品め、153品め)
宗太が透に会いに行くためにアルバイトを休む事となり、その代わりとしてなずながワグナリアを手伝う事になった。そんな中、なずなはまひるから、最近は宗太を殴っていない事を聞かされる。宗太がマゾヒストであると勘違いしているなずなは、その事にショックを受けてしまう。(154品め)
葵がワグナリアのみんなの子供時代の話を聞きたがる。その話をみんなから聞いた葵は、代わりとして自分の子供時代の話をし始めた。幼い頃の彼女はおかっぱ頭で和服姿をしており、その頃の写真を見たみんなは、座敷童のようだと口々に言う。(エピソード「WORKING!!(すぺしゃる版)」)
第9巻
伊波まひるは長いあいだ、男性を殴っていなかった。それを聞いた山田葵は、それはまひるが男性を避けているだけで、決して男性恐怖症が治ったわけではないとケチをつける。そこでまひるは葵達と共に男性の前で男性恐怖症が治ったかどうかを確認しようとする。(154品め)
轟八千代は片思いに悩んでいるという佐藤潤に遠慮して、長いあいだ白藤杏子の惚気話をしていなかった。しかし、とうとう我慢し切れなくなり、潤に正直に気持ちを伝える。それを聞いた潤は八千代に遠慮しないよう言い聞かせ、八千代の本気の惚気話を聞く羽目になってしまう。(155品め)
種島ぽぷらは毎月身長が目標まで伸びなかった際には、その罰として嫌いなピーマンを食べるようにしていた。それを聞いた葵は、ぽぷらにそんな事より好き嫌いをなくす努力をしてみてはどうか提案する。そこでぽぷらと葵は嫌いなピーマンを克服するため、その方法をみんなに尋ねる。(156品め)
八千代と潤がいないあいだに、博臣はどんな人であれば八千代を任せられるかと白藤杏子に尋ねる。しかし、杏子はどんな人であっても八千代は渡さないと言い、その潔さが潤にもあればと博臣は思うのだった。(157品め)
まひるは道を歩いている途中で山田桐生と出会い、彼の妹捜しに協力する事となった。しかし、桐生は妹を捜しているにもかかわらず、人気のない場所へと探しに行ってしまう。そんな桐生を見たまひるは、彼は馬鹿なのではないかと思ってしまうのだった。(158品め)
アルバイトをしている最中、小鳥遊宗太は眼鏡を割ってしまう。宗太は眼鏡なしには人の判別がつかず、誤って宗太はまひるのすぐ近くまで接近してしまう。しかし、宗太に鼻先まで近づかれたまひるは照れるあまり、気絶してしまう。(159品め)
葵は宗太に頭を撫でられた時の気持ちよさが忘れられず、もう一度宗太に頭を撫でられたいと切望していた。そこで葵は宗太に頭を撫でられるべく一計を案じる。(160品め)
潤は八千代とアルバイトの休みがかぶる事を知り、八千代を飲みに誘う。すると八千代は飲みの作法について知るべく、小鳥遊梢から話を聞く事にした。そして、梢は初めての飲みでは新しい下着を買う事が重要なのだと、少々ズレた飲みの作法を八千代に教えてしまう。(161品め、162品め)
梢に新しい下着を買う事を薦められた八千代だったが、どんな下着を買えばいいのかがわからなかった。そこで八千代はみんなに相談して、どんな下着を買えばいいのか考える事になる。(163品め)
潤は八千代といっしょに居酒屋で酒を飲んでいた。酒に酔い始めた八千代は徐々に言動がおかしくなり、ついには新しい下着をつけている事を潤に教えてしまう。(164品め)
相馬博臣は、潤と八千代による飲みの席がどんな様子であったのかが気になっていた。そんな中、八千代の潤に対する接し方が明らかに変わっており、それを知った博臣はどんな事があったのかを潤に激しく問いただす。(165品め)
八千代は飲みの席のあとで潤に抱きしめられた事が忘れられず、その事にどういった意味があったのかと考えていた。しかし、それを考えるあまり八千代は仕事が手につかなくなってしまう。そんな八千代の様子を見たぽぷらは、彼女の代わりに仕事をフォローするべく、積極的にがんばり始める。(166品め)
宗太は、自分の好みからは極端に外れているまひるを、かわいいと思っている自分を受け入れられず、その事に激しく動揺し始める。そんな中、宗太はまひるの行動から彼女を嫌いになれる要素を探し始めた。(167品め)
宗太は桐生からまひるの事を好きなのではないかと言われて、その言葉に激しく動揺する。そんな宗太の様子がおかしい事に気づいたまひるは、葵から、宗太の様子がおかしいのはまひるを意識し始めているせいだと教えられた。そこでまひるは葵の提案により、宗太に自分のアピールをし始める。(168品め)
宗太はまひるを泣かせてしまった事に動揺し、その結果家事に没頭し始める。それを見た小鳥遊一枝達はこのままでは宗太が家事に専念するあまり、料理の材料代や掃除の洗剤代がかさんでしまい、家計が崩壊するのではないかと危惧し始めた。(169品め)
小鳥遊泉は宗太の動揺の原因は彼女と別れたせいだと勘違いしていた。そんな中、泉は宗太の新しい彼女を見つけてはどうかと思いつく。そこで、泉は自分のお気に入りの少女であるまひるに、宗太と付き合ってほしいとお願いした。(170品め、172品め)
一枝は離婚経験のある女性で、もとは母親の部下である峰岸透の妻だった。そんな一枝が透と結婚する事となった経緯と、別れる事となった経緯が語られる。(エピソード「小鳥遊家の恋愛事情 一枝編」)
泉は宗太が彼女と別れた事に動揺して、小説家としての仕事が疎かになっていた。そんな泉に原稿の催促をするために、泉の担当編集から電話が掛かって来る。担当編集は泉の仕事ぶりに呆れながらも、彼女の悩みを聞いてやる。(エピソード「小鳥遊家の恋愛事情 泉編」)
第10巻
小鳥遊宗太は小鳥遊泉から、新たな彼女候補として女の子を紹介してもらう事になった。それを断ろうとする宗太だったが、泉の勢いに押されてひとまず彼女と会う事になる。一方、泉の紹介で彼女の弟と会う事になった伊波まひるだが、その弟が宗太である事は知らなかった。(173品め)
宗太はまひるの好きな人が自分なのではないかと疑問を抱き始める。しかし、その事実を受け止めきれない宗太は激しく動揺してしまった。それにより仕事が手につかない宗太だったが、そんな宗太の仕事を種島ぽぷら達がフォローする。(174品め)
ぽぷらはファミリーレストラン「ワグナリア」の裏口から、中に侵入しようとしている山田桐生を発見する。彼はぽぷらを発見すると、彼女にまひるや宗太となかよくなるための協力を取りつけようとする。(175品め)
ワグナリアを訪れた真柴美月は佐藤潤を休憩室に呼び出し、轟八千代に対する思いのほどを確かめるために、彼女に関するクイズを潤に出題する。しかし、潤はそのクイズには一つも答える事ができなかった。それに呆れる美月だったが、そのついでに出題した白藤杏子に関するクイズに潤はすべて正解する。(176品め)
杏子は潤が八千代の事を好きである事を知ってしまう。すると杏子は、潤が八千代にとってふさわしい相手かどうかを見極め始めた。そんな杏子が思っていた以上に八千代の中での潤の存在は大きく、杏子はそれに関してひとまず保留という結論を出すのだった。(177品め)
山田葵は相馬博臣に構ってほしかったが、彼からは相手にされない。そこで葵は博臣のほしがる情報を集める事にした。まず葵はまひると何かあったのかと宗太に尋ねるが、宗太からは邪険に扱われてしまう。そこで葵は八千代に潤と何かあったのかと尋ねる。(178品め)
宗太はぽぷらが機嫌の悪そうな表情を浮かべている事に気づく。彼女に何かあったのかと宗太が尋ねても、ぽぷらからは素っ気ない返事をされてしまう。すると葵は近頃みんなが仕事に対して不誠実であった事を指摘、それにぽぷらが怒っているのではないかと言い出す。(179品め)
葵は納豆断ちをして、それに代わる新たな好物を探し始めた。そこで葵はみんなに何かいい食べ物はないかと尋ねるが、役立つ解答は得られなかった。そんな中、葵は納豆の新たな魅力に気づき、納豆をまた受け入れる事を決意するのだった。(180品め)
小鳥遊なずなが店を手伝っている最中、音尾兵吾が帰って来る。しかし、チーフマネージャーであるにもかかわらず、小学生のなずなが店を手伝っている事実を知らなかった兵吾は、それを問題視する。しかし、ほかのみんなは、働かないにもかかわらず給料をもらっている葵の方にこそ問題があると言い出した。そこで葵はなずなに対して敵対意識を燃やし始める。(181品め)
ワグナリアに来ていた桐生は葵を見つけ、彼女こそが捜していた妹だと口にする。そして桐生は葵を家に連れて帰ろうとするが、葵はそれを嫌がる。そんな中、博臣が二人のあいだに割って入り、葵をかばう。(182品め、183品め)
葵は桐生に居場所を知られた事で、ワグナリアから一時避難して小鳥遊家にやって来ていた。そこで宗太は葵に家出した理由を尋ねる。葵は母親との確執と兄の無神経さに嫌気が差して、家出を決意したのだった。それに同情した宗太はしばらくのあいだ、葵を家に置いてあげる事に決める。(184品め)
葵はワグナリアに働きにやって来るが、家には頑として帰らないと言い張る。そこでみんなで葵が家に帰る気になるように仕向ける事にした。(185品め)
葵の元気がない事に気づいたぽぷらは、それを解決するために葵の兄の桐生と話をする。そこでぽぷらは母親をワグナリアに連れて来て、葵との話し合いの場を設けてみてはどうかと提案する。それを聞いた桐生は母親を連れて来る事をぽぷらに約束した。(186品め)
峰岸透が小鳥遊家にやって来て、同僚である菊乃の調子が悪くて仕事のしわ寄せが自分に来ているという愚痴を、小鳥遊一枝に漏らす。その菊乃こそが葵と桐生の母親だった。(187品め)
まひるの学校での様子を見た彼女の友人達は、まひるが恋をしている事に気づいた。そして、友人達はまひるの恋に協力すると言い出す。そこでまひるに足りないのは色気であると友人達が言い出し、まひるの色気をアップさせるために、胸を大きくするべきだと口にする。(エピソード「青春☆でいず①」)
ぽぷらが学校で宗太を見掛けると、彼はいつも一人でいた。そこでぽぷらは宗太に友人がいないのではないかと考え、宗太に悩みはないかと尋ねる。(エピソード「青春☆でいず②」)
幼い八千代がいつも杏子達といっしょにいたところ、不良と付き合いがあると近所中の噂になってしまう。それを知った八千代の母親は、杏子達との付き合いを止めるよう八千代に言う。それを知った杏子は清楚風の恰好をして八千代の自宅に行き、八千代といっしょにいさせてほしいと母親に直談判する。(エピソード「青春☆でいず③」)
真柴美月は八千代となかよくする潤を憎んでいた。それを知った小鳥遊梢はそんな事は止めて、恋愛をしようと美月に提案する。そしてそれを拒もうとする美月の意見を聞かずに、美月の衣服をおしゃれに着飾り始める。(小鳥遊家の恋愛事情 梢編)
なずなは小学校でラブレターをもらい、その事を家族に相談する。そんな中、宗太がなずなの気持ちについて尋ね、それによりなずなは理想の男性像を語り始めた。(エピソード「小鳥遊家の恋愛事情 なずな編」)
第11巻
娘である山田葵と話し合うために、菊乃がファミリーレストラン「ワグナリア」を訪れる。しかし、菊乃が極度の口下手であるせいで話し合いが思うように進まず、葵も菊乃を拒絶してしまう。(188品め)
菊乃を拒絶してワグナリアを飛び出した葵は、音尾春奈と出会う。春奈は葵からの話を聞いて彼女を励ましつつ、母親となかよくするべきだと諭す。そんな中、葵を追って来た菊乃は、彼女と話し合って和解。葵は家に帰る事を決意するのだった。(189品め)
家に帰る事を決意した葵だったが、その後もワグナリアで働きたいと思いを伝えた。それを聞いた白藤杏子が葵の意見を認め、彼女はアルバイトを続ける事になるのだった。(190品め)
春奈が音尾兵吾のもとに帰って来たために、兵吾はワグナリアを休む事がなくなる。そして、春奈はまた迷子にならないように、兵吾が仕事をしているあいだはワグナリアにいる事となった。しかし、みんなが目を離したスキに、春奈はもといた休憩室から姿を消してしまう。(191品め)
小鳥遊宗太は、伊波まひると山田桐生がなかよくしているところを見ると、それに嫉妬するようになっていた。それに気づいた桐生は、宗太とまひるとの仲を近づけようとする。(192品め)
佐藤潤は轟八千代の誕生日が明日に迫っている事を知る。そこで潤は八千代に誕生日プレゼントを用意して、彼女に渡す。しかし、その誕生日プレゼントはなぜか四つあり、真柴美月がそれを疑問に思う。すると相馬博臣がやって来て、彼女にプレゼントが四つある理由を説明し始めた。(193品め)
種島ぽぷらは宗太から身長が縮んだのではないかと言われ、それにショックを受けてしまう。その様子を見た宗太は、ぽぷらにそれを指摘した事を後悔するが、まひるから宗太の身長が伸びたのではと指摘される。それによりぽぷらは自分の身長が伸びたのではなく、宗太の身長が伸びた事を知り、嫉妬してしまう。(194品め)
葵は菊乃に携帯電話がほしいとお願いしてみるが、買ってもらうまでに1か月と2週間も掛かってしまう。さらに葵が菊乃に電話番号とメールアドレスを教えてほしいとお願いすると、それにも2週間の時間が掛かる。そんな事もあり、葵は菊乃に迷惑を掛けてしまっているのではないかと心配する。(195品め)
小鳥遊家のみんなはそれぞれで母親とのやり取りを思い出していた。しかし、どのやり取りもロクなものではなく、それにより母親の人物像がうかがい知れる。(196品め)
いつも明るい小鳥遊梢だが、実は母親から雑に扱われていたのがトラウマになっていた。そんな中、怒った美月に一生一人でいろと言われて、それに大きなショックを受けてしまう。(197品め、198品め)
桐生は無神経であるせいで、葵から兄として扱われていなかった。そして、とうとう葵から兄は博臣だけで十分だと言われて、桐生はそれにショックを受けてしまう。(199品め)
ぽぷらはワグナリアで唯一人、潤が八千代に片思いしているのを知らなかった。その事実をまひるからやんわりと聞いたぽぷらはそれを確かめるべく、八千代の事を観察し始める。そして、ぽぷらは八千代の方が潤を好きなのではないかと考える。(200品め)
まひると恋愛関係に発展して来ている事実を認識しつつある宗太だったが、忙しい自分には恋愛なんて無理だと考えていた。そんな中、宗太は梢や小鳥遊泉がいつからか世話が要らなくなっている事に気づく。(201品め)
ある日、峰岸透が宗太に会うため、ワグナリアにやって来る。そして、透は宗太に対して姉達を口実にして自分の恋愛から逃げるなと忠告する。(202品め)
ワグナリアでまひるに殴られた透は、すぐさま小鳥遊一枝の勤務先に向かう。そして、透は一枝を前にして一枝に殴られるのが一番気持ちいいと伝え、彼女に復縁を迫った。そのあまりの強情さに一枝は根負けしてしまい、透とよりを戻す事を決める。(203品め)
透が、一枝と復縁するきっかけとなったまひるにお礼をするために、再びワグナリアを訪れた。その際、宗太に明日、母親が帰って来る事を伝えた。それを聞いた宗太は母親が帰って来る事を強く嫌がる。(204品め)
母親が帰って来ると知った小鳥遊家は、なずな以外のみんながそれを嫌がっていた。しかし、その日に帰って来る予定だった母親は、いつまで経っても小鳥遊家に現れない。今日は来ないのだと悟ったみんなが寝静まる中、母親の小鳥遊静が宗太の寝室に現れる。(205品め)
博臣により潤の中学生時代が語られる。中学生の潤は周囲から不良だと思われていたが、実際は勘違いされていただけで、まじめな少年だった。しかし、潤がその誤解を解こうとすると、その行為がさらに周囲の勘違いを深める原因になってしまう。(シークレット★めもりーず①)
博臣の高校生時代が語られる。高校生の博臣は風紀委員に所属しており、なぜかみんなの秘密をにぎっていたせいで、周囲からは不気味がられていた。しかし、それは葵の妄想の話である事がわかり、それを博臣は否定するのだった。(シークレット★めもりーず②)
博臣により松本麻耶の中学生時代が語られる。友人から中学生になったら普通好きな人くらいいるものだと言われた麻耶は、普通である事に躍起になるあまり、無理矢理好きな人を作ろうとしてしまう。そんな中、麻耶は次の曲がり角で出会った学生を好きになろうと決めつけ、そのタイミングで桐生と出くわす。(シークレット★めもりーず③)
第12巻
小鳥遊静が長らく留守にしていた小鳥遊家に帰って来る。そして、小鳥遊宗太に対して気になる子ができたのかと尋ね、その相手である伊波まひるに興味を持つようになる。(206品め)
まひるは宗太と直接手をつないだ事で浮かれていた。一方、宗太はまひるとの距離を近づけようと努力し始め、自分に言い訳をせずに、まひるにきちんと向き合おうと決意する。(207品め)
山田桐生は山田葵から兄として扱われない事を嘆いていた。そこで桐生は葵が兄のように慕っている相馬博臣から弟扱いされるようになれば、自然と葵から兄として扱われるのではないかと思いつく。しかし、その方法は非常に面倒くさく、博臣はそれを嫌がるのだった。(208品め)
轟八千代は佐藤潤の事を意識するあまり、彼と話す事に照れ始めてしまう。そんな中、白藤杏子がいつものように八千代にパフェを作ってもらおうとするが、八千代は潤と話せなかった事で落ち込んでおり、そんな余裕はなかった。そこで杏子は自分でできる事を進んでやるようになる。(209品め)
杏子は八千代の代わりとしてパフェを作ってくれる人物を探すべく、ファミリーレストラン「ワグナリア」の店員達を相手に、抜き打ちでパフェ作りのテストを行う。そこでみんなの作ったパフェを食べた杏子は、その味からみんなの悩みを言い当て始める。(210品め)
葵と種島ぽぷらはワグナリアが恋愛禁止であった事を思い出し、付き合っている従業員達がアルバイトを辞めさせられるのではと心配していた。そして葵とぽぷらは音尾兵吾に直談判して、彼らが付き合い始めたとしてもワグナリアを辞めさせないようにと説得する。(211品め)
まひるは宗太との仲を深めるために、自分に足りないのは女子力であると考える。そして、みんなに女子力を磨くにはどうすればいいかを相談した。すると博臣が、宗太にクッキーを焼いて来るのはどうかと提案する。(212品め)
兄妹仲が悪い葵は、兄妹仲のいい宗太や小鳥遊なずなを参考にするため、彼らに話を聞く。一方、桐生もまた、兄妹仲をよくするためになずなに話を聞いていた。それぞれ兄妹仲をよくしたい事がわかった葵と桐生は、お互いに歩み寄る事にする。(213品め)
ある日、博臣はみんなから素っ気ない態度を取られてしまう。それにより、みんなを怒らせてしまったかと自分の行動を省みるが、思いつかない。そんな博臣が休憩室に入ると、みんなからお祝いの言葉をもらう。みんなは博臣に内緒でサプライズパーティーの準備をしていたのだ。みんなの優しさに触れた博臣は照れてしまう。(214品め)
潤と八千代がお互いを意識し始めている事に気づいた杏子は、潤を脅迫し始める。しかし、潤はそれには屈しないため、杏子は潤に八千代をどうしたいのかと尋ねる。(215品め)
杏子に発破を掛けられた潤は、決意を新たにして八千代に思いを告げる事にした。そして、これに失敗したらアルバイトを辞めると博臣に伝えるが、その言葉を偶然八千代が耳にしてしまう。(216品め)
潤の告白をうまく聞き取れなかった八千代は、それにショックを受けてその場から逃げ出してしまう。潤はそんな彼女を見つけ出し、今度こそうまく聞き取れるようにと耳元で八千代に思いを告げる。八千代はその告白を受け入れ、二人は付き合う事になった。(217品め、218品め)
八千代は潤と付き合う事になったために浮かれていた。そんな中、いつものように杏子にパフェを作ろうとするが、杏子から断られ、八千代は大きなショックを受けてしまう。杏子は八千代が潤と付き合う事となったのを機に、八千代に自立を促すべきだと考え、距離を取ろうとしたのだ。そんな風に八千代と杏子がすれ違う中、潤がその解決に乗り出す。(219品め、220品め)
八千代と潤が付き合ったのを機に、杏子はワグナリアでの恋愛を解禁する事を宣言する。それを聞いたみんなは、宗太にまひるとの関係を進展させるよう促す。そこで宗太はまひるとの関係に変化が生じ始めたのはいつからかと考え、それが女装した時からであると結論づける。そして、宗太はまひるとの関係を見つめ直すために女装をし始めてしまう。(221品め)
潤はアルバイトを2週間も休んでいた。そんな中、八千代が潤の家にお見舞いにやって来る。そして、八千代は潤に対して改めて自分の思いを告げるのだった。(222品め)
宗太がアルバイト中にずっと女装を始めた。周囲のみんなは宗太がまひるとの関係に悩んでいる事を察し、彼に負担を掛けないようにと気を遣い始める。(223品め)
ぽぷらは潤が八千代と付き合い始めた事で、もう潤からからかわれないと考えていた。しかし、潤はそれ以降もぽぷらをからかっていた。すると八千代が潤にからかわれているぽぷらを見て怪訝な顔つきをする。ぽぷらはそれを嫉妬しているのだと考え、潤と必要以上の接触を避けようとする。(224品め)
宗太が女装をしている最中、桐生がワグナリアにやって来る。宗太は桐生に女装している事を悟られたくないと考え、「ことり」という別人を演じる。それは一見成功したように見えたが、実は桐生は空気を読んで、そう見えるように演技をしていただけだった。(225品め)
宗太と潤はいつも以上に博臣が静かである事に気づく。何かよからぬ事でも企んでいるのかと博臣に尋ねるが、博臣の真意はうかがい知れない。そこで宗太と潤は周囲のみんなに、博臣について変わった事はなかったかと聞いて回る。(226品め)
ぽぷらは八千代の事を尊敬しており、八千代がいればワグナリアは安泰だと考えていた。そんな中、ぽぷらは八千代に呼び出され、アルバイトを辞めようと考えている事を告げられる。(227品め)
13巻
轟八千代からアルバイトを辞めると告げられた種島ぽぷらは、なぜ辞めるのかと問い質した。それに対し八千代は、今の現状に甘えたくないと考えており、自分の成長のためにほかの環境でがんばってみたいのだと答える。それを聞いたぽぷらは、八千代の決断を応援する事に決めたものの、白藤杏子に八千代の次のフロアチーフとして抜擢され、戸惑ってしまう。(228品め)
八千代は真柴美月をファミリーレストラン「ワグナリア」に呼び出し、佐藤潤と付き合っている事を伝えようとしていた。しかし、それを聞く前から何を言われるかの予想をしていた美月はその事実に嫉妬して、潤が八千代に相応しい男かどうかを見極めるために、遠くから二人の様子を観察し始める。(229品め)
小鳥遊宗太は、女装をする事で伊波まひるとの関係を見つめ直し、結論を出そうとしていた。そして、宗太はまひるに、普段の自分と女装とではどちらがいいかを尋ねる。すると、まひるは普段の男らしい宗太の方がいいと口にした事で、宗太は女装を辞める事を決意する。(230品め)
宗太はまひるとのデートを取りつけ、まひるはその事に動揺していた。一方、いつも通りに思えた宗太だったが、実は動揺しており、山田葵によりその動揺を見抜かれる。(231品め)
宗太とまひるのデートの日がやって来る。しかし、それをまひるの父親により気取られてしまい、父親はデートの待ち合わせ場所までやって来てしまう。父親は宗太を女性だと勘違いしていたが、事実を知って怒っていたのだ。そんな中、宗太は長いあいだ自分を女性だと偽っていた事をまひるの父親に謝る。(232品め、233品め、234品め)
まひるは父親と和解できた事で、男性恐怖症を克服したと喜んでいた。そんな中、葵はそれが本当かを確かめるために、まひると男性を引き合わせようとする。まひるはまた男性を殴ってしまうかもとそれを断ろうとするが、相馬博臣がまひるに近づき、彼女の男性恐怖症が治っている事を証明してみせる。(235品め)
八千代は潤と博臣の会話を遠くから耳にして、自分が彼女としてそれほど大事にされてはいないのかと思い込んでしまう。そこで八千代は潤の真意を確かめるべく、美月と共にそれを探り始める。(236品め)
ぽぷらは手伝いに来ていた小鳥遊なずなが、困っている事はないかと、その様子を観察していた。しかし、なずなは周囲のフロアスタッフ達をうまく気遣っており、ぽぷらはそんな彼女を尊敬し始める。(237品め)
美月は小鳥遊梢からしばらく会えないというメールを受け取り、何かあったのではと心配し始める。そして、梢は真柴陽平を連れて小鳥遊家に行ってみる事にした。実は梢は母親の小鳥遊静に名前を憶えてもらっていない事を気にしており、彼女になんとか名前を憶えてもらうようにと労力を費やしていたのだ。それでも母親に名前を憶えてもらっていない梢のために、美月は静に対して直談判する。(238品め)
音尾春奈は今月に入ってから14回も行方不明になっていた。その度に捜索を手伝っている博臣は、自分の注意力に自信をなくしてしまう。しかし、注意していても春奈は忽然と姿を消してしまうのだった。そこで博臣と音尾兵吾は、春奈を探す事に長けている葵に助力を願う。(239品め)
宗太は最近になってから、アルバイトに顔を出さないようになっていた。そんな中、忘れ物を取りにワグナリアにやって来た宗太はなぜか女装を始め、それを見た杏子は宗太の体調を心配し出す。そして、電話により宗太の事情を聞いた杏子は静の異常さに気づくのだった。(240品め)
葵は兄として慕っている博臣を母親の菊乃に紹介したいと言い出した。博臣は嫌がるが、無理矢理菊乃に紹介される事となってしまう。そこで博臣はなぜか菊乃から、葵と山田桐生の兄妹仲について相談を受ける羽目になる。(241品め、242品め)
宗太がアルバイトに復帰したあと、まひるはなぜか彼と顔を合わせていなかった。それを避けられているものだと察したまひるは、宗太とシフトを合わせてもらえるよう杏子に相談する。男嫌いだったまひるが、自ら男性とシフトを合わせるようになるまでに成長を遂げた事を実感した杏子は、そんなまひるの願いを聞き入れる。(243品め)
宗太は静によりアルバイトを辞めさせられる事となった。それを聞いたまひるは静の決定に納得がいかず、小鳥遊家に向かう。しかし、静の命令を受けた小鳥遊家の四姉妹がまひるの邪魔をする。(244品め、245品め、246品め)
どうにか小鳥遊家にたどり着いたまひるは、静に宗太のアルバイトを辞めさせないようにと直談判する。しかし、それを渋る静のもとになずながやって来て、博臣を通して入手した写真を見せる。静の弱味が映ったその写真を使い、なずなは静を脅迫するのだった。(247品め)
宗太はみんなの尽力によりアルバイトを続けられる事となった。そして宗太は、自分がいないあいだに八千代がアルバイトを辞める事となった事や、ぽぷらが次のフロアチーフとして任命された事を聞かされる。(248品め)
宗太はまひるを呼び出し、思いを告白した。まひるは宗太の思いを受け入れ、彼と手をつなぐ。これによりまひるは男性恐怖症を治すための最終目標を達成し、晴れて二人は付き合う事になるのだった。(249品め)
潤はみんなを呼び出し、どうすれば八千代に刀を手放してもらえるか相談していた。そこでみんなは八千代を説得しようとするが、もうひと押しが足りない。そこで潤が八千代に対し、これからは自分が守ってやると宣言。これにより八千代は、刀を手放す事を決意する。(250品め)
八千代はみんなからもらった思い出のアルバムに、博臣だけが映っていない事が気がかりだった。そこで八千代は葵に頼み込み、博臣の写真を撮ってもらう事にする。(251品め)
静が息子の件で迷惑を掛けたからと、部下の峰岸透を通して、ワグナリアを訪れたみんなの食事代を持つ事となった。するとワグナリアにはさまざまな客が訪れ、にぎやかになっていく。(252品め)
登場人物・キャラクター
小鳥遊 宗太 (たかなしそうた)
高校一年生。ワグナリアのアルバイトスタッフ。フロア担当。種島ぽぷらに誘われてワグナリアでアルバイトを始めた。小さいものやかわいいものが異常なくらい大好きで、「女性は12歳過ぎたら年増」「12歳以上は対象外」が持論。姉3人妹1人の姉妹に囲まれて育っており、特に姉たちには手を焼かされてきたため、年上の女性に対しては手厳しい。 基本的に常識人で、変人揃いのスタッフへのツッコミ係を担当しているが、たまに自分もサラッと毒を吐くことも。伊波まひるの男性恐怖症を治す役割を任され、殴られたり女装したりなど受難の日々が続いている。
種島 ぽぷら (たねしま ぽぷら)
高校二年生。ワグナリアのアルバイトスタッフ。フロア担当。小鳥遊宗太の学校の先輩。小中学生と間違われることもあるほど小柄で、本人はそのことをひどく気にしている。背が低くて踏み台がないと棚の上のものが取れないことなどを除けば、仕事ぶりは優秀で、職場の人間関係に対する気配りもできる。 なお、いくら訂正しても小鳥遊宗太のことを「かたなし君」と間違えて呼び続けている。
伊波 まひる (いなみ まひる)
高校二年生。ワグナリアのアルバイトスタッフ。フロア担当。幼少の頃から父親に「男は怖いもの」と言い聞かされて育ったため、極度の男性恐怖症に陥っており、男性が近づくと、誰彼かまわず反射的に殴り飛ばしてしまう。自分でも男性恐怖症を治したいとは思っており、小鳥遊宗太の協力を得て克服すべく努力していたが、後に、とある出来事をきっかけに小鳥遊宗太に対して恋心を抱くようになる。 貧乳にコンプレックスを持つ。
白藤 杏子 (しらふじ きょうこ)
ワグナリアの雇われ店長。28歳。店長だがレジを打つことくらいしかできない。大食らいで、しょっちゅう店のものに手を出している。好物は轟八千代が作ったパフェと音尾兵吾の旅行みやげ。年齢を気にしており、年齢の話題には敏感になっている。学生時代はスケバンとしてならし、今でも多くの舎弟分がいる。 スケバン時代に轟八千代と知り合い、以来、憧れの存在としてなつかれている。
轟 八千代 (とどろき やちよ)
ワグナリアのフロアチーフ。笑顔を絶やさず、ほんわかした雰囲気を持っている。人当たりも良く仕事もできる。実家が刃物店ということで、幼少時から刀を常に持ち歩いており、本人はそのことをまったく変だとは思っていない。子供の時にいじめられていたところを白藤杏子に助けられて以来、彼女を慕うようになり、白藤杏子がワグナリアの店長になると、一緒にいたいがためにワグナリアで働くようになる。 同僚の佐藤潤に片思いされているが、そのことには全然気づいていない。
佐藤 潤 (さとう じゅん)
ワグナリアのキッチン担当。ヤンキーっぽい外見をしているが、仕事ぶりは真面目で有能。ストレス解消のためよく種島ぽぷらをからかっているが、面倒見は良い。ワグナリアで働き始めた頃から轟八千代のことが好きだが、気付いてもらえず4年間ずっと片思い状態である。
相馬 博臣 (そうま ひろおみ)
ワグナリアのキッチン担当。高い情報収集能力を持っており、他のスタッフたちのいろいろな弱みや個人情報をいつの間にか入手しており、それをネタに自分のお願いを聞いてもらうという、好青年っぽい外見とは裏腹なブラックな一面を持つ。なぜか山田葵に懐かれてしまい、いろいろと世話を焼いてあげている。
山田 葵 (やまだ あおい)
ワグナリアのフロア担当。山田は偽名で、そのほか年齢、経歴なども自己申告によるもので実際は謎に包まれている。実は家出中で、帰るところがないことからワグナリアで住み込みで働くこととなり、屋根裏で寝泊まりしている。仕事ぶりはお粗末で、毎日のように皿を割っているため、いつまでたっても研修マークが取れない。
小鳥遊 一枝 (たかなし かずえ)
小鳥遊宗太の姉で、小鳥遊家の長女。弁護士。離婚して小鳥遊家に出戻ってきている。外面はいいが家の中では傍若無人な振る舞いを見せ、小鳥遊宗太を六法全書で殴ったりすることも。小鳥遊宗太同様、小さくてかわいいものに目がない。些細な理由で離婚したものの、元夫はいまだに小鳥遊一枝にベタ惚れで、復縁を願っている。
小鳥遊 泉 (たかなし いずみ)
小鳥遊宗太の姉で、小鳥遊家の次女。小説家。一日中、部屋にこもって小説ばかり書いているため、生活能力はゼロに等しく、食事や部屋の掃除、洗濯など身の回りのことを小鳥遊宗太に依存している。ペンよりも重いものを持つと筋肉痛になり、家の周りを歩いただけで疲労困憊して動けなくなってしまう。 将来に渡って小鳥遊宗太に面倒をみてもらうのが夢。
小鳥遊 梢 (たかなし こずえ)
小鳥遊宗太の姉で、小鳥遊家の三女。護身術の講師。大酒飲みで、年中酔っ払っている。技をかけたりするものの、小鳥遊宗太のことはかわいがっている。ワグナリアで小鳥遊宗太がバイトをしているのを知ってからは、毎日のように来店している。寂しがり屋でほれっぽい性格。
小鳥遊 なずな (たかなし なずな)
小鳥遊宗太の妹で小鳥遊家の四女。小学六年生。姉たちと違ってしっかり者のよくできた妹で社交性も高いが、計算高い一面もあり、野心家。小学生とは思えないほど発育が良く、身長は兄と同じくらいあり、胸は伊波まひるより大きい。兄とまひるの関係が気になり、確かめるためにワグナリアで働くことになる。
小鳥遊 静 (たかなし しずか)
小鳥遊一枝、小鳥遊泉、小鳥遊梢、小鳥遊宗太、小鳥遊なずなの母親であり、職業は政治家。癖のある黒髪のロングヘア。周囲からはその見た目を魔女のようだと評されている。今でこそ背が高いが、昔は身体が小さく、その頃の姿を周囲に知られるのを嫌がっている。非常に横暴かつ偏屈な性格で、嘘をつかれるのを極端に嫌っている。 仕事柄家を留守にする事が多いが、なぜか家族の誰かに恋愛の気配が漂った際に帰宅する事が多い。
峰岸 透 (みねぎし とおる)
小鳥遊静の秘書を務めており、小鳥遊一枝の元夫。短髪で、朗らかそうな見た目をした男性。極度のマゾヒストで、物理的、精神的な痛みを問わずどんな事にも興奮してしまう。中でも一枝による罵倒やお仕置きが大好きで、幼なじみだった一枝に何度も言い寄った事により彼女と最初の結婚をする事となった。しかし、仕事先の女性といっしょにいたところを一枝に知られ、それを浮気だと疑われてしまう。 この時、一枝に強く罵ってもらえると考えて浮気を肯定し、これが原因で一枝と離婚する事となった。その後は一枝との離婚調停を進めていたが、その最中に伊波まひるに殴られた事をきっかけに、やはり一枝の罵倒や折檻でなければ満足できないと考え直し、彼女の仕事先に押し掛け、その思いを伝えた。 その結果、一枝と寄りを戻す事となった。
音尾 兵吾 (おとお ひょうご)
ワグナリアのマネージャー。店では最も偉い立場にいるが、影が薄いため、店長の白藤杏子をはじめ、スタッフの誰にもそう思われてはいない。妻が極度の方向音痴のためすぐに迷子になり、それを探しに日本全国を旅しているため、店は不在がち。たまにお土産を持って帰ってくる。
山田 桐生 (やまだ きりお)
高校生。常に白い学生服を着ている。山田葵の実兄。妹と同じく山田は偽名。家出した妹の山田葵を探している最中に伊波まひると出会い一目惚れする。妹が働いているとは知らずにワグナリアに顔を出すようになるが、相馬博臣の機転により、妹とはニアミス続きで、なかなか会うことができないでいる。
音尾 春奈 (おとお はるな)
音尾兵吾の妻である女性。癖のある黒髪で、髪を頭後ろで1本に束ねている。極度の方向音痴で、買い物に行って以来、長いあいだ行方不明になっている。また、どんな状況からでも忽然と姿を消してしまい、例え縄で縛られたり、部屋を密室にされたとしても、関係なくどこかへと消えてしまう。山田葵により連れて来られたおかげで兵吾の再会を果たしたが、その後も定期的に行方不明になっている。
菊乃 (きくの)
山田葵と山田桐生の母親で、小鳥遊静の秘書を務めている。黒髪で、髪を頭後ろで1本に束ねている。極度の口下手であるせいで、考えをうまく伝えられない。また、周囲とコミュニケーションを取るための対応マニュアルを用意しており、それを読んだ人物にしか正確な考えが読み取れない。そのため娘の葵と気持ちがすれ違ってしまい、それが葵の家出する原因となった。 葵と再会を果たしたあとは少しずつ彼女とのコミュニケーションを取るように心掛けている。ちなみに娘と息子が名乗っている「山田」という苗字は偽名であり、「菊乃」が苗字なのか名前なのかは不明。静の秘書を務めるにあたっては諜報や変装などを主に担当している。静が小鳥遊家に帰るにあたってそのあいだの影武者を務めており、静そっくりの姿でその代わりを務めてみせた。
松本 麻耶 (まつもと まや)
ファミリーレストラン「ワグナリア」で、アルバイトをしている18歳の女性。黒髪のロングヘアで、眼鏡をかけている。小学生の頃に弁当にくさやを入れて持って行ったところ、友人達からそれを変だと指摘されて以来、「普通」である事に固執するようになった。それにより個性的な従業員が多く働いているワグナリアにおいて自分も変だと思われないように、みんなとは適度な距離を保つように心掛けている。 しかし、その行為が行き過ぎるあまり、ワグナリアのみんなからは変な人だと認識されてしまっている。また、それが「普通」だと言われればそれがどんなものであれ受け入れようとするため、それがもとで相馬博臣や佐藤潤からからかわれる事が多い。
真柴 陽平 (ましば ようへい)
白藤杏子の不良時代の後輩である青年。金髪で、ポニーテールの髪型をしている。杏子の事を慕っており、彼女の命令であればなんでも聞いてしまう。そんな杏子の命令の際にいち早く動けるようにと定職には就いていない。そのため、ファミリーレストラン「ワグナリア」が人手不足の際にはお店を手伝う事がある。小鳥遊梢の事を美人だと言って以来、彼女に惚れられているが、無職である事を理由に彼女の告白を断っている。 ただ、それでもあきらめていない梢からダーリンと呼ばれてしつこくつきまとわれている。双子の真柴美月とは犬猿の仲だが、なぜか彼女の若い頃の写真を持ち歩いているなど、度々仲のよさそうな様子を見せている。
真柴 美月
白藤杏子の不良時代の後輩である女性。黒髪で、まじめそうな雰囲気を漂わせている。ただ、不良だった頃の杏子につき従っていた時は髪を金髪に染めており、その頃の写真などを持ち出されると恥ずかしがってしまう。普段は保険外交員として働いているが、保険に勧誘する際は暴力を用いた強引な勧誘方法を実行している。保険外交員をしている理由は杏子に命令を受けた際は、いち早く彼女のもとに駆けつける事ができるから。 杏子と仲のいい轟八千代の事も「お嬢」と呼んで慕っており、これまでそんな八千代に粉を掛けて来た男性を片っ端から暴力を用いて脅していた。八千代に片思いをしている佐藤潤の気持ちにも気づき、これまでと同様に彼の事を邪魔しようとする。しかし、八千代の中で潤に対する気持ちが強い事や、潤の誠実な人柄などを鑑みて、渋々ながら潤の事を認めていく。 双子の真柴陽平とは犬猿の仲だが、なぜか彼の写真を持ち歩いているなど、度々仲のよさそうな様子を見せている。
場所
ワグナリア
『WORKING!!』に出てくる架空のファミリーレストラン。全国にチェーン展開しており、舞台となる店舗の所在地は北海道某市となっている。従業員割引制度があり、従業員は3割引で食事ができる。新人アルバイトは、店長の許可が出るまで研修バッジをつけていなければならない。登場人物以外にも、パートを含め数名のスタッフがいる。
アニメ
WORKING'!!
北海道の某所にあるファミリーレストランワグナリアでアルバイトをする主人公の男子高校生、小鳥遊宗太が、同じファミレスで働く個性的な仲間たちとドタバタな日常を繰り広げる。 関連ページ:WORKING'!!