あらすじ
第1巻
ブラック企業として知られている株式会社クリエイトに勤務するサラリーマンのモフ田は、連日の14時間勤務を明けたある日、突然猫の姿になってしまっていた。同僚や上司に驚かれながらも出社し、猫として働く中で、モフ田は勤務環境が変化していることに気づく。(エピソード「プロローグ」。ほか、29エピソード収録)
第2巻
株式会社クリエイトのホワイト企業化が進んだある日、新入社員への説明会が開かれる。かつてモフ田の妻である遠野をカツアゲしようとしてモフ田にお仕置きされた不良の新島タツオたちを迎えて、かつてのブラック企業はさらにホワイトな職場へと変わっていく。(エピソード「プロローグ」。ほか、37エピソード収録)
関連商品
LINEスタンプ
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登場人物・キャラクター
モフ田 (もふだ)
ある日突然、巨大なサバ白猫になっていた男性。ブラック企業の株式会社クリエイトに勤めている。あまり物事に動じない性格で、猫になった日もまずは大川チーフに連絡を取り、通常業務に勤しんでいる。パソコン操作は爪で行っているため問題ないが、強い睡魔に襲われることから休憩時間が異常に多い。しかしその姿がかわいい、癒やしになると社員のあいだでも話題になっており、株式会社クリエイトのマスコット的な存在となった。病院にかかる際は動物病院なため、保険がきかないことが悩みの種となっている。会社の広報やキャットグッズ系の事業部からも注目されており、インスタグラムの更新や写真集の発行、モフ田印のキャットフードや猫トイレの開発が行われている。猫の言葉が理解できるため、野良猫から相談を受けることがある。遠野を社長の娘と知らないまま交際を始め、結婚にまでこぎつけた。
パイセン
モフ田の同僚で、先輩にあたる男性。株式会社クリエイトに勤めており、本名は「シバ山」。黒髪にスクエアタイプの眼鏡をかけた中年で、基本的に口が悪い。モフ田が猫になった際にもあまり動じておらず、病院に連れて行くと言って動物病院に連行し、その場でワクチン接種まで行った。
大川チーフ (おおかわちーふ)
モフ田の直属の上司にあたる男性。株式会社クリエイトに勤めている。まゆ毛と目の距離が近く、強面な容姿をしている。犬派で猫は苦手だがモフ田の優秀さは評価しており、猫の嗅覚の鋭さを知ってからは禁煙に踏み切るなど優しい一面もある。また、一人娘がおり、娘のワガママには弱い。「モフ田さんみたいな猫が飼いたい」という娘の言葉に負け、モフ太郎というサバ白の子猫を飼うことになった。
マキ瀬 (まきせ)
モフ田の同僚の男性。株式会社クリエイトの広報部に勤務しており、モフ田の写真を大量に撮影しては会社名義のツイッターやインスタグラムに投稿したり、モフ田の写真集やフィギュアの製作、販売企画を立ち上げている。モフ田のフォトジェニックな姿にこだわるあまり、雨でびしょ濡れになったモフ田を心配するよりも先に写真撮影するなど、信頼関係に歪みを生じさせることもしばしばある。実はペローという犬を飼っており、以前、酔って会社名義のアカウントで「モフ田さんよりうちのペローの方がかわいい」とツイートしてしまい、炎上させてしまったことがある。
万田常務 (まんだじょうむ)
株式会社クリエイトの常務を務めている初老の男性。ロマンスグレーの髪を真ん中分けにしており、額の中央にほくろがある。以前は鬼のように怖いといわれていたが、モフ田が猫になって以降は重度の猫好きが露見し、モフ田の写真などを取り引き材料として多少の無理は押し通されつつある。モフ田を個人的に呼び出し、抱きしめてニオイを嗅いだり、気力が湧かないときに尻尾を抱きしめたりするなど、モフモフハラスメント行為を行っている。
スコ
株式会社クリエイトとのコラボを提案してきた、同業他社に勤務している男性。本名は「須古」。モフ田と同じく、ある日突然、茶白のスコティッシュフォールドになっていた。ぽっちゃりとした体型で黒目がちな非常にかわいらしい見た目をしているが、ブラック企業で酷使され続けたため、その目の奥は濁った色をしているとされる。現在は株式会社クリエイトに出向しているが、本来の会社からの仕事もしなければならず、微妙にブラック勤務から抜け出せずにいる。また、ブラック勤務が長すぎるあまり、ホワイトな職場にいると不安で胃に穴があいてしまう。不安軽減のため、万田常務から特別休暇を出してもらい、アメリカ旅行に出かけた。その先でジェニファーに見初められて付き合うことになり、アンソニー・ロッソに紹介されたことからハリウッドで映画の主演を務めることにもなった。
遠野 (とおの)
モフ田の妻で、株式会社クリエイトの社長の娘。モフ田と結婚してからは「嫁ちゃん」とも呼ばれている。茶髪のロングヘアの女性で、大の猫好きであり、モフ田と知り合う前からモフ田グッズを集めるなど大ファンだった。株式会社クリエイト入社のためには即戦力となる必要があると言われ、別のブラック企業に勤務していた。しかし、学生時代の新島タツオに絡まれているところをモフ田に救われたことからモフ田の人柄にも惹かれ、モフ田に近づくためにあらためて株式会社クリエイトに入社した。奥手なモフ田に対して積極的に接し、あっという間に結婚にこぎつけた。
社長 (しゃちょう)
遠野の父親で、株式会社クリエイトの社長を務めている初老の男性。ロマンスグレーの髪に、口ひげを蓄えている。モフ田が上層部全員を悩殺したことから、ホワイト企業化を進めている。会社の業績が伸びたことや、遠野の笑顔が増えたのはモフ田のおかげだと考え、感謝している。また社屋を一部改装する際、柱の一本を猫の爪とぎ仕様にするなど細やかな配慮ができる人物でもある。
新島 タツオ (にいじま たつお)
株式会社クリエイトの新入社員の男性。もともと不良だったため金髪で、言葉づかいも荒い。以前、遠野をカツアゲしようとしていたところをモフ田に壁モフで止められ、それ以降モフ田に心酔している。いかにモフ田を尊敬しているかを面接試験で語ったところ、面接官だった万田常務に気に入られて入社となった。語彙力がなくディスカッションに向かないため、週に一回のペースで万田常務が話し相手となり、モフ田について議論することでディスカッションスキル向上の特訓を行っている。
丸山堂の社長 (まるやまどうのしゃちょう)
大企業として知られている丸山堂で、社長を務めている初老の男性。前髪だけにボリュームのある茶髪に、豊かな口ひげを蓄えている。フクという茶トラ白の猫を飼っており、不注意で逃がしてしまったところをモフ田に助けられた。この事件がきっかけで、丸山堂と株式会社クリエイトの提携が決定している。かつては社員に対して無関心だったが、猫を飼いだしてから人が変わったと噂されていた。
橋本 (はしもと)
株式会社クリエイトの新入社員の男性。スクエアタイプの黒ぶち眼鏡をかけており、人付き合いが苦手で根暗な性格をしている。実は明るい場所にいるときの猫の目を怖がっており、モフ田の存在を知らずに入社したため、非常に悩んでいる。しかし、モフ田が橋本と同席しているときは目が細くならないように配慮する姿を見て、橋本自身も猫に歩み寄ることを決めた。
ジェニファー
スコがアメリカ旅行中に出会ったハリウッド女優。ウエーブがかったセミロングの金髪に、青い瞳をしている。お互いの自由を尊重し合える猫のような人物を交際相手の理想としており、空港で偶然目にしたスコに一目惚れした。スコがハリウッド好きと知り、案内した。また、スコが苦手と言ったために厚化粧と香水をやめている。スコを映画祭にも同伴させ、アンソニー・ロッソに紹介した。スコの外見だけでなく内面も気に入っており、いつか人間に戻ったスコの姿も見てみたいと話している。
アンソニー・ロッソ
ハリウッドで活躍している超大物映画監督。アッシュブロンドの初老の男性で、ジェニファーの猫好き友達でもある。ジェニファーに紹介されたスコを一目で気に入り、次回作の主演に抜擢した。契約の際、株式会社クリエイトの社名や商品を使うことを承諾している。
フラワーマン
都市伝説の怪物。白い巨体でユラユラしながら夜道に現れ、長い触手で人を襲い、栄養にするとされている。また握力は1トンあり、空を飛べて時速400キロで追いかけてくるなどの情報が流れている。しかし実態は、モフ田が額にケガをした際につけられた、花形のエリザベスカーラーを装着した姿を見た通行人がカンちがいしただけだった。
場所
株式会社クリエイト (かぶしきがいしゃくりえいと)
モフ田たちが勤めている会社。万田常務をはじめとする上層部には非常に厳しく恐ろしい人間ばかりが集まっていることで知られていたが、実はその全員が重度の猫好きだった。かつては残業代やボーナスも出ない、労働力を搾取するブラック企業だった。しかし癒やしを求めた社員が、モフ田の毛並みに殺到してモフ田が疲弊したため、上層部がモフ田を守るために福利厚生などを整備し直し、ホワイト企業となった。現在は隠れて残業をすると上層部から叱られてしまう。
丸山堂 (まるやまどう)
大企業として知られている会社で、丸山堂の社長が代表取締役を務めている。丸山堂の社長が猫を飼い始めてからは、毎月5000円の手当やペットの通院用有給、ペットロス休暇などが盛り込まれたペット手当が導入されており、新卒の入社希望者が例年の10倍に跳ね上がった。また、ペット手当受け取りのために、毎月丸山堂の社長に飼っているペットの写真を送るシステムも導入されており、社員間のコミュニケーションが円滑になった。