邪眼のバラーによって、女魔法使いアリアンロッドの村緑の原の一族は滅亡した。生き残った族長の娘ヘンルーダと共に、一族再興の誓いを果たすための旅に出ることになる。壮大なケルト・北欧(ファンタジー)作品。1世紀頃のアイルランドからローマまでのヨーロッパを舞台に物語が展開。ドラゴンやユニコーンなどの架空の生物が登場しながらも、実存した地名や歴史上の有名人が登場するという、虚構と史実を織り交ぜた形て描かれている。また、真実の名、誓い(ゲッシュ)などの共感魔術や、文化圏による慣習の違いなどが、巧みに物語に織り交ぜられている。外伝として、吟遊詩人、稀有のマーニを主人公にした『風の呪歌 射干玉の髪の姫君』がある。