持田あきの代表作の一つ。現代日本を舞台に、予備校講師の順子と男子高校生の匡平の、大人の自己成長と青春の交錯を描いた物語。順子は匡平と共に東大受験という目標に向かうが、その過程で匡平の父親による裏口入学騒動が発生する。センター試験当日には、特進クラスの生徒による受験票盗難事件が起こり、緊迫した状況が展開される中、順子と匡平が事件解決に向かう。これらの出来事を通じて、順子と匡平の関係が試され、互いの成長へとつながっていく。本作は年齢差のある恋愛や教育問題、家族関係といった要素を持ち、互いの成長に重点を置いた恋愛物語で、登場人物の内面の変化を細やかに描写する手法により、心理的な成長過程を表現している。現代日本の受験制度と官僚社会の構造を背景とし、東大受験を頂点とする学歴社会の仕組みが存在する世界が構築されている。集英社「Cookie」2016年7月号から連載。テレビドラマが2019年1月から放送。小説が2018年12月に刊行された。