『それでも町は廻っている』『木曜日のフルット』などで知られる石黒正数の連載作品。代表作の一つでもある。大災害により文明が崩壊した日本を舞台に、壁に囲まれた安全な施設で平和に暮らす少年少女たちの世界と、荒廃した外界で危険な怪物と戦いながら生き抜く人々の世界という二つの異なる世界を並行して描く。施設で暮らすトキオは「外の外に行きたいですか?」という謎のメッセージを受け取り、外界では、トキオにそっくりの顔立ちをした少年、マルとそのボディガード役の少女、キルコが「天国」を探し求めている。物語が進むにつれて、施設の真の目的や外界の災害の原因、そして「天国」の正体といった謎が徐々に明かされていく。本作は、文明崩壊後の世界を舞台としたSFアドベンチャーである。二つの対照的な世界を同時進行で描く展開や、謎解き要素があるミステリー的な側面が特徴となっている。高度な技術を持つ閉鎖的な施設と、荒廃した外界という二重構造の世界設定が確立されており、外界では「ヒルコ」と呼ばれる怪物が徘徊する危険な環境が広がっている。講談社「月刊アフタヌーン」2018年3月号より連載。2018年に「このマンガがすごい!2019」オトコ編第1位に選出。テレビアニメ化され、2023年4月から6月まで放送された。