未知の世界を開拓しろ！壁に閉鎖された地が舞台!! オススメ漫画５選42 Pt.

外界への憧れを抱くタケロウは、世界の「中央」と市を結ぶ「ゲート」を眺める日々だった。そこに現れたのが、いじめられっ子の同級生・ニコこと雪名二心である。思いを共有する二人は、いつしか夢を語り合う仲に。ある日、タケロウはフォリナーの遺物である「ロスト」に足を挟まれ、ニコの力で助けられる。実は彼女はフォリナーの残され組だったのだ。ニコは特別警察に捕まるが、タケロウは祖父の助言もあり救出を決意。祖父から授かった車「マスターロスト」に乗り、中央を目指しニコとヒカリ市を脱出する。本作は、閉塞的な街から飛び出した男女の青春の旅物語だ。道中での出会いや体験に、残され組やロストの謎など複雑な要素が絡み合っているのも見どころである。

未曾有の大災害から15年が経過した近未来の日本は、「ヒルコ」なる人食い怪物が暴れ狂う荒廃した世界だ。天国を目指す少年・マルはトキオと全く同じ顔をしていた。マルの目的は「天国で同じ顔をした人間を探し、薬を打つ」ことである。協力者である女性・キルコと共に旅を続けるが、さまざまな争いごとに巻き込まれてゆく。一方トキオもまた、不可解な事件や妊娠・出産を経験し、学園での生活に疑問を持ち始めるのであった。そして園長の異常な計画が白日の下に晒され、学園の壁はついに崩壊する。本作は、二つの世界を行き来してストーリーが進んでゆく。伏線も緻密であり、壁の内外の時間軸やトキオとマルの関係性など、考察をしながら読み進めるのがオススメだ。

突如ウォール・マリアの南端・シガンシナ区に現れたのは超大型巨人であった。エレンたちは何とか逃げ切るが、彼の目の前で母親が捕食されるところを目撃してしまう。大いなるトラウマを抱えたエレンは巨人への復讐と駆逐のため、巨人を調査・討伐する「調査兵団」への入隊を決意。彼を慕うミカサとアルミンもまた追随する。時は流れ彼らの初陣の日、エレンは巨人に捕食されかけたことがきっかけで、規格外の能力に目覚めてゆく。「巨人」という存在の前に、人間はとても無力だ。グロテスクな殺戮と捕食のシーンに暗澹たる気持ちになる一方、エレンたちの闘いに人類の希望を見出すことができる。エレンの身体に変化が起こってからの、彼の暗躍と衝撃的とも思える結末にも要注目である。

瑛が壁に触れた瞬間、白く光る塗料が彼の手を汚す。壁にぶつかり倒れた人を救うべく、小林が外に出ようとするがいきなり白く巨大な怪物が現れ、一撃で命を奪われてしまう。身の危険を察した瑛は「死ぬ前に殺せばいい」と念じた瞬間、光り輝く怪物に姿を変えるのであった。人間を滅殺する怪物たちに憤りをおぼえた瑛は次々と彼らを殺すが、その度に赤い傷が刻まれ全身を染め上げてゆく。しかし怪物たちの意外な正体が明かされ、「咎人」となった彼は深い絶望に身をやつしてゆく。本作は、壁に触れた人間が塗料のおかげで化物になり、不毛な殺し合いをする絶望感を味わえる。唯一壁を超えられる可能性のある瑛の今後に注目したいが、長らく休載状態のため続編が期待されている。

あてどない旅に出た彼の楽しみは「グルメ」だ。川で魚を釣り、酒と共に味わうなどスローライフを満喫していたが、そうはいかないのが名騎士・バルドである。さっそく仇敵であるカルドス・コエンドラの刺客が現れたり、テルシア家の者が後を追ってきたりとてんやわんやだ。バルドはカルドスの陰謀により両家の争いに巻き込まれるが、機知により無事に回避。かつて慕っていたテルシア家の姫・アイドラ・テルシアの意志もあり、彼は旅を続けることに。行く先々で人助けや魔獣退治や薬師の修行など、無限大の老後をエンジョイしてゆく。バルドは屈強だが、冷静かつ優しい心持ちの男であるのが好感がもてる。旅先で登場する料理や酒の数々も旅情を引き立て、癒やされること間違いなしだ。