概要・あらすじ
近未来の日本。壁に囲まれた緑豊かな施設の中では、何人もの少年少女たちが暮らしていた。そのうちの一人であるトキオは、抜き打ちテストの最中、答案の端末に「外の外に行きたいですか?」という謎のメッセージが表示されているのを見つける。そのことで、トキオはそれまで考えたこともなかった施設の外に興味を持ち始める。勘の鋭い少女ミミヒメは、「外からふたりの人が僕を助けに来てくれる。
そのうちの一人はトキオにそっくりの顔をしている」と予言する。しかし、施設を取り仕切る園長は、「外の世界は怪物たちがうごめく地獄だ」とトキオに教えるのだった。施設の外を調べ始める中で、トキオは周りの子どもたちの様子がどことなくおかしくなっていることに違和感をいだき始める。
一方、荒廃した街の中で、トキオにそっくりの顔立ちをした少年マルと、彼をボディガードとして雇った少女キルコの二人組が、サバイバル生活をしながら旅をしていた。二人はある男たちを探しながら、目的地である「天国」を目指していた。しかし、荒廃した世界には人間だけではなく、「人食い」や「ヒルコ」などと呼ばれる、巨大な鳥のような姿をした怪物が人間を襲っていた。
登場人物・キャラクター
トキオ
壁に囲まれた緑豊かな施設の中で暮らしている少年の一人。ある日のテスト中、端末に浮かび上がってきた「外の外に行きたいですか?」というメッセージを読んでから、それまで考えたこともなかった、施設の外にある世界について興味を覚え、同時にミミヒメを助けに来るという、「自分とそっくりの顔を持つ人」に恐怖を覚えるようになる。
ミミヒメ
壁に囲まれた緑豊かな施設の中で暮らしている少女の一人。一人称は僕。抜き打ちテストが行われることを事前に察知したりできる、鋭い勘の持ち主。施設の外に出たがっており、次第に「外からふたりの人が自分のことを助けに来てくれる」というイメージを見るようになる。同時に、そのうちの一人はトキオとそっくりの顔立ちをしているとトキオに伝える。
タラオ
壁に囲まれた緑豊かな施設の中で暮らしている少年の一人。トキオと仲がいい。ほかの子どもたちが外で遊んだり作業をしているときにも寝ていることがあり、外に出るときも自動運転機能付きの車椅子を使っている。頭がよく、施設の外についての想像をトキオに伝える。
園長 (えんちょう)
年老いた女性。壁に囲まれた緑豊かな施設を運営していると思われる人物。車椅子に座っている。トキオたち、施設の中で暮らす子どもたちからは「園長先生」と呼ばれている。施設の外については子どもたちに進んで教えようとはしていないが、自分から興味を持ち始めたトキオには、「外の世界は怪物たちがうごめいている」と教える。
マル
荒廃した世界を旅し、「天国」を目指している少年。女性に見間違われることもある中性的な顔立ちで、どこかトキオに似た雰囲気を持つ。ボディガードとして雇ったキルコのことは、「おねえちゃん」と呼んでいるが、特に血縁関係はない。怪物のことは「ヒルコ」と呼ぶ。怪物を殺せる何か特殊な能力があるらしい。
キルコ
マルとともに旅をしている少女。一人称は「僕」。東京で便利屋を営んでいたが、マルから旅の護衛を依頼され、同行している。充電式で謎の光線(キルコ自身は「キル光線」と呼んでいる)を発射する拳銃を所持。抜け目のない性格の持ち主。旅の道中で二人の男を探しているが、どんな関係の人物なのかは不明。怪物のことは「人食い」と呼ぶ。
その他キーワード
怪物 (かいぶつ)
荒廃した世界の中でうごめく、謎の生物。全長数メートルほどの巨大な鳥のような外見をしている。アメーバのように伸び縮みする不定形の頭部を持ち、いくつもの目玉を持つ。人間を襲っているらしい。人によって呼び方がまちまちで、「怪物」以外にも「ヒルコ」や「人食い」などと呼ばれることも。
書誌情報
天国大魔境 11巻 講談社〈アフタヌーンKC〉
第1巻
(2018-07-23発行、 978-4065119761)
第2巻
(2019-03-22発行、 978-4065147443)
第3巻
(2019-10-23発行、 978-4065172667)
第4巻
(2020-05-22発行、 978-4065194706)
第5巻
(2020-12-23発行、 978-4065217252)
第6巻
(2021-07-21発行、 978-4065240496)
第7巻
(2022-03-23発行、 978-4065272992)
第8巻
(2022-11-22発行、 978-4065295892)
第9巻
(2023-06-22発行、 978-4065319444)
第10巻
(2024-02-22発行、 978-4065342053)
第11巻
(2024-10-22発行、 978-4065370544)