生徒からの人気も高く、同僚教師からも信頼の厚い中学校教師鈴木先生が、教室内で起こる小さな出来事から浮かび上がる生徒達の悩み、考え方などに真摯に取り組みつつ、自らの悩みや矛盾に苦悩しながら成長していく、中学校を舞台にした教育ヒューマンドラマである。給食時におけるマナー問題をはじめ、性教育、同僚教師たちとの諍い、生徒同士のいざこざなどを詳細にかつ執拗に描いた表現手法が大きな特徴となっている。作品内でしばし登場する学級会議などにおける生徒同士の討論シーンはまさに裁判の様を呈しており、それぞれの立場からの見解の違いなどを述べるシーンが延々と続く手法はこれまでの教師が主人公の漫画とは一線を画した作品である。同時に中学生特有の利己主義な人物も多く登場し、子供特有の狡猾さも巧みに表現されている。