古い昔からの怪異がある町、魔界都市のような「鎌倉」に住む若きミステリー作家一色 正和とその妻亜紀子を中心とした、一話完結形式のミステリーロマン。「鎌倉」では妖怪が堂々と街を歩き回り、長生きしたネコは霊力を持つ。タヌキやキツネは人を化かし、憑依もする。亡くなったはずの人間はまるでゾンビのように生き返り、成仏出来ない時には悪霊となって跋扈する。天国も地獄も魔界もすぐそこにあり、宇宙人やタイムトラベラー、怪盗・鎌倉ルパンまで現れる。数々の怪奇事件にスーパー素人探偵・一色正和が立ち向かう。協力する警察陣もユニークな面々揃い。恐山刑事は、イタコのように被害者の霊を呼び出し、事件の真実を聞き出してしまう。稲荷刑事は、こっくりさんを使い、お稲荷さんの力で事件を解決。人間ではないタヌキ刑事も大活躍。そんな「鎌倉」で起きる事件の数々の驚くべき顛末をつづり、 第38回日本漫画家協会大賞を受賞した、西岸良平の代表作。