敵か、味方か、便利な使用人か? 「ゴーレム」が登場するマンガ28 Pt.

ゴーレムの大元はユダヤ教の伝承で語られる、自律行動する泥人形。主人の命令に忠実に従う、いわゆる呪術的なロボットだ。物語などでもやはり、ロボットに近い存在として描かれることが多いゴーレムだが、最近ではそのバリエーションも豊富となっている。今回はそんなゴーレムが登場する作品を紹介しよう。

作成日時:2019-03-04 10:00 執筆者:マンガペディア公式

敵か、味方か、便利な使用人か? 「ゴーレム」が登場するマンガ

出典:小学館


『荒野のゴーレム』

『荒野のゴーレム』

出典:小学館

西部開拓時代のアメリカを舞台に、ゴーレムを狩る賞金稼ぎの活躍を描いた、ファンタジックな西部劇。物語の舞台は、ゴーレムを労働力として扱う、西部開拓時代の米国を元にした架空の世界。主人公の少年・ビリーは、暴走したゴーレムを破壊する「壊し屋」を生業とする少年だ。彼はパートナーの特別なゴーレム・ジェーンと共に、荒野を旅しながら、賞金稼ぎを続けていく。

本作におけるゴーレムは、人型に並べた岩に「ゴーレム水晶」を加えることで製造される。ゴーレムは主に労働力として使用され、用途に応じてサイズは様々。重量50tに達する大型のものも存在する。命令に忠実で疲れ知らずのゴーレムは、非常に便利な代物だが、難点が1つある。それが原因不明の暴走だ。暴走には第一から第四までの段階があり、第一段階では命令を無視して勝手に移動を始めるのみに留まる。だが段階が進行するに従って凶暴化し、さらに「打ち込まれた砲弾を打ち返す」といった行動を見せるようになる。暴走したゴーレムは、軍が出動しなければ止められないほどの脅威なのだ。主人公の少年・ビリーは、そんな暴走ゴーレムを狩る賞金稼ぎだ。ビリーは、彼を「お兄ちゃん」と呼ぶゴーレム・ジェーンを相棒としている。ジェーンはゴーレムでありながら人間のように感情豊かで、他人の意志の流れを読む目を持つ。しかも、その目の力をビリーに貸し与えることができるのだ。普通のゴーレムとは、あまりにも異なるジェーンの素性は、本作の大きなキーポイントだ。


『刻命のゴーレム』

『刻命のゴーレム』

出典:集英社

ゴーレム技師を目指す少女と、天才ゴーレム技師の出逢いから始まった、世界存亡の危機を描く、壮大なSFファンタジー。物語の舞台は19世紀の大英帝国をベースとする架空の世界。そこではゴーレム技術による「第三次産業革命」が巻き起こっていた。主人公のアシュリー・ウォルコットは、ゴーレムを作る職人「律法師」を志す17歳の少女。アシュリーはロンドンへ向う列車で、天才ゴーレム技師と運命的な出会いをする。

本作におけるゴーレムは、霊性泥土と呼ばれる粘土で形作ったボディと、特殊な言語で書かれたスクリプトで構成される自動人形である。ファンタジックな呪物というよりは、プログラムで動くロボットのような存在だ。本作の世界では、子どもの玩具から、召使い、果ては自動運転を行う列車型ゴーレムまで、様々な形のゴーレムが作られている。特に舞台となる大英帝国はゴーレムによる産業革命で大きく発展し、市民は豊かな暮らしを送っていた。その一方で、急速に発達したゴーレムに職を奪われた下層民も増加。社会的な不満も高まっている。そんな中、天才ゴーレム技師・ギブスンは、人間と同等の能力を持つゴーレムの製作を夢見ている。だが、彼の夢は、社会に大きな混乱をもたらすことになる。


『アラフォー社畜のゴーレムマスター』

『アラフォー社畜のゴーレムマスター』

出典:双葉社

社畜青年が剣と魔法の異世界に転生し、第二の人生を歩む姿を描いた冒険ファンタジー。主人公・松田毅は、ブラック系の警備会社に務めるアラフォー男性。根っからの社畜だった彼は、過酷な業務の末に過労死する。そんな毅を、「神」と名乗る存在がファンタジー世界に転生させる。かくして、類い希な土魔法の使い手に生まれ変わった毅の、異世界での冒険が幕を開ける。

本作の主人公・松田毅は、ゴーレムマスターの称号に恥じない、反則級の素質の持ち主として異世界に転生する。彼が転生した世界では、土魔法は火、水、風、土の四大元素魔法の中でも最強。ただし、魔力消費量が膨大なので、戦闘には適していないとされる。ところが毅は、土魔法しか使えない代わりに、ゴーレムを操る魔力消費が通常の1/100。その上100体までのゴーレムを同時制御可能というボーナスつきだ。召喚できるゴーレムも、土で出来た巨人という典型的なものから、騎士の姿をしたもの、翼で空を飛ぶガーゴイルにグリフォンと多種多彩。ゴーレムによる圧倒的な力を手にした毅は、社畜時代には叶わなかった自由で我が侭な暮らしを求め、旅を始める。


『CLAY・LORD-土の王-』

『CLAY・LORD-土の王-』

出典:一迅社

ゴーレム造型師の名家の血筋を受け継ぐ主人公が活躍する、ファンタジー・ストーリー。主人公のクレイ・アスガイアは、「土の王家」と謳われるゴーレム造型師の名家の若き当主である。そんなクレイは、とあるゴーレム品評会に出席したことをきっかけに、世間の注目を集めていくこととなる。

本作におけるゴーレムは、土と魔力で作る主人に忠実な生き人形。基本設定は、元となった伝承にかなり近く、身体のどこかに刻まれた「EMETH(真理)」の頭文字を削り「METH(死)」にすると土に還ってしまう。ゴーレムは護衛用や労働用、愛玩用など、さまざまなタイプのものが、貴族を中心に広く普及している。またゴーレムを作る造型師も多く、彼らは各地で行われる品評会で腕を競い合っている。そんなゴーレム造型師の頂点に君臨する名門こそ、主人公・クレイが当主を務めるアスガイア家である。特別な家柄だけに、クレイに仕えるゴーレムもまた特別。特に白銀、黒鉄、ロゼの3体は、人間と区別がつかない自然な外見と、豊かな感情、そして自らの意志を持つ。固い絆で結ばれたクレイと3体のゴーレムたちは、力を合わせて様々な困難に立ち向かっていく。


『ゴーレム・ア・GO! GO!』

『ゴーレム・ア・GO! GO!』

出典:集英社

主人公の小学生・砂原マモルと、彼の家に居候するゴーレムが巻き起こす騒動を描いたギャグ・コメディ。マモルはある日、家の前で行き倒れになっているゴーレムを発見する。マモルが家の土を与えると、ゴーレムはその美味しさに大感激。恩返しと称して、強引にマモルの家に居候することとなる。

本作のゴーレムは、かなり独特で謎多きキャラクターだ。レンガで組まれた外見は、典型的なゴーレムのイメージに近い。しかし、その特性は一般的なゴーレムとはかけ離れている。本来ゴーレムは、主人の命令に黙々と従う泥人形だ。ところが本作のゴーレムは、主人や制作者がいない上に、自らの意志で自由に行動する。しかも感情豊かで、お世辞や皮肉も使いこなす。そして最大の特徴は、自らが食べた土が「摩訶来土(マカライド)」という魔力の宿った土に変化し、頭部に蓄積されること。ゴーレムはこの「摩訶来土」を粘土のようにこねることで、不思議な道具を作り出すことができるのだ。


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