ロンドンが舞台のSF漫画！オススメ５選90 Pt.

本作は「宇宙戦争」をモチーフとしながらも、独自の要素を数多く盛り込み、全く新しい物語を構築している。原作はSFパニック・スリラーだが、本作は少年少女の成長を描く、ジュブナイルSFという色彩が強い。子供を金儲けの道具にする悪徳院長の下で育ったオリバーは、快活で賢く目端の利く世渡り上手に成長した。一方、オリバーと行動を共にするアリスは上流階級のご令嬢。世間知らずではあるものの、思い遣りと正義感に満ちた芯が強い少女だ。宇宙人の襲来という未曾有の危機の中、偶然出逢った2人は協力して困難を乗り越えていく。やがて、互いの立場を超えた絆が芽生え始める。

サリーがハウスメイドを務めるベネディクト女学校は、貴族や資産家などの上流階級の子女が集う名門寄宿舎だ。そこへ、惑星トアンのジノン王女が留学してくる。ただし、それは名目上で事実は亡命に近いものだった。トアンは政情不安に陥っており、唯一の王位継承権者である彼女は、身を守る必要から地球に送られた。容姿端麗な上に聡明で、身分の分け隔て無く誰にでも優しく接するジノンは、瞬く間に生徒たちの人気者となる。サリーはメイドである自分にも気遣いを見せるジノンにメロメロ。ところがジノンが寄宿舎に馴染んだ頃、惑星トアンで内戦が勃発し、核爆発によってジノンの母星は消滅。物語は、ここから急展開を見せていく。

美羅の不思議な夢に現れるのは、白い翼を持つ自分と、黒い翼を持つ少年だ。少年は彼女をミリディアンと呼び、「父と母が緑色に染まっていく」と、不安そうに訴える。やがて彼は、「父と母が全身緑に染まった。次は自分の番だ」と告げ、それきり夢に現れなくなった。それから3ヶ月後、美羅は夢の少年そっくりの人物が、雑誌のモデルをしていることを知る。彼の名はラドリ・マッキャベリ。その名を聞いた瞬間、美羅の脳裏に炎の中で緑の怪物に襲われるラドリのイメージが浮かび、胸騒ぎを感じた美羅はラドリを探すためロンドンに向う。そして美羅は、異世界での王位を巡る争いに巻きこまれていく。

本作の舞台では、人造人間の創造主であるフランケンシュタイン博士は実在の人物とされている。博士の死後も、彼が遺した禁書を元に悪魔の研究を行う者が後を絶たない。ヒューリーは、そんな創造主のひとりが造った人造人間に両親を殺された少年だ。それから5年後、復讐のため全ての人造人間を殺すと誓った彼は、両親を殺した人造人間を倒すことに成功する。人造人間との戦いで重傷を負ったヒューリーは、Dr.ピーベリーと名乗る謎の女性に助けられる。しかし、実はその戦いでヒューリーは死亡しており、Dr.ピーベリーの手によって人造人間として甦ったのだった。ただし、彼の思いは生前のまま。ロンドンを舞台に、ヒューリーの毒をもって毒を制するかのような復讐劇が始まる。

魔法で動く呪物というイメージが一般的なゴーレムだが、本作ではプログラムで動くロボットに近い存在だ。本作の世界では、この技術により第三次産業革命が起こり、その中心地である大英帝国は大繁栄していた。アシュリーは、そんなゴーレムを作る「律法師」になるべく、上京してロンドンの王立律法院で学ぶ。ただし、物語の中心は天才的なゴーレム技術を持つギブスンだ。ギブスンの夢は、感情を持ち自ら思考して行動する「刻命のゴーレム」を創ること。だが、ギブスンの独創的すぎる研究は、彼自身も予想しない結果を招くこととなる。やがて「刻命のゴーレム」は世界に混乱をもたらしていく。