前世の記憶を持つ主人公たちが前世の因縁を巡り葛藤する姿を描いたSF漫画。シア星系を故郷に持つ男女7人の異星人が現代の日本へ転生し、前世の記憶を思い出すことから物語が始まる。主人公の坂口亜梨子(さかぐちありす)を中心に、亜梨子に想いを寄せる超能力少年小林輪(こばやしりん)が巻き起こす事件、前世から続く因縁的な人間関係や恋愛模様が描かれている。連載当時「前世ブーム」を巻き起こした作品だ。
主人公の坂口亜梨子は植物の声が聞こえる内気な女子高校生。ある日、同じマンションの隣室に住んでいる小学生の小林輪が、亜梨子の部屋のベランダから落ちるという事故が発生する。この事故がきっかけとなり、輪は自分がかつてシア星系を故郷に持つ異星人で、地球を観察するために月基地での任務に就いていた科学者の紫苑(しおん)だったことを思い出す。同時にかつて持っていた超能力も覚醒し、天才的な頭脳やテレポーテーション、強力な念動力などを身につける。紫苑は亜梨子の前世である木蓮(もくれん)と恋人同士だった。転落事故の昏睡状態から目覚めた後、輪は亜梨子と婚約したいと申し出る。月に残された観測基地を巡り、亜梨子たち異星人としての前世の記憶を持つ人々が、輪の引き起こす事件に巻き込まれていく。
前世の業を背負って生まれた篠原4兄弟が悪霊を退治するオカルトアクション漫画。篠原4兄弟は、陰(かげ)の悪霊始末屋で、「悪霊を始末することによってこの世に存在を許される魂」を持って生まれた者の集まりだった。『新・ぴーひょろ一家』、『ぴーひょろ一家20××』とシリーズ化され、1988年にOVA化、劇場アニメ化もされた。
この世に災いをもたらす悪霊を退治する「ぴーひょろ一家」の篠原4兄弟は、血のつながった兄弟ではない。前世の結びつきにより業を背負った長女のきばっ太、長男強太(きょうた)、次男Q太(きゅうた)、三男キョン太の4兄弟は、日々人々を苦しめる悪霊を退治するための戦いに身を投じていた。この因縁は長女であるきばっ太こと篠原綾子(しのはらりょうこ)が、前世で愛してはいけなかった人物を愛してしまった悲恋から始まったものだった。そんなぴーひょろ一家の前に、前世の因縁により現世へ転生した成重真人(なるしげまひと)が現れる。
美少女戦士たちの戦いを描いた、国民的人気を誇る変身美少女ファンタジー漫画。主人公の月野うさぎ(つきのうさぎ)はちょっぴりドジで明るい女子中学生。黒猫ルナとの出会いで美少女戦士「セーラームーン」に変身して妖魔たちと戦うことになったうさぎは、仲間とともにルナから「幻の銀水晶」と「月のプリンセス」を探すという指令を受ける。やがてうさぎたちは自分たちが戦士に選ばれたのは前世での記憶に関係しているからだと知る。アニメ、ゲーム、ミュージカル、テレビドラマなどさまざまなメディアミックスが展開された。
主人公の月野うさぎはある日、額に月の印が入った言葉を話す黒猫、ルナと出会う。ルナによって覚醒したうさぎは、愛と正義のセーラー服美少女戦士「セーラームーン」に変身して、妖魔を率いるダークキングダムと戦うことになる。うさぎは、ルナに仲間とともに「幻の銀水晶」と、かつて月に存在していたシルバー・ミレニアム国のプリンセスを探すように頼まれる。うさぎたちは妖魔との戦いでピンチにおちいるたび、タキシード仮面という謎の男に危機を救われる。しかしタキシード仮面もまた、妖魔同様に幻の銀水晶を探していた。妖魔との戦いが過熱し、探していた幻の銀水晶と月のプリンセスが現れた時、セーラー戦士たちは前世での記憶を取り戻す。セーラー戦士たちは自身の宿命を知り、再びダークキングダムとの戦いに身を投じていくのだった。
現代日本に転生したギリシャ神話の神ベルセフォネーを中心に、転生した神々の戦いを描くファンタジー漫画。聖和学園高等部に通う主人公の佐倉亜理沙(さくらありさ)はクラスメイトの男子、天野翔(あまのしょう)と悪態を付き合う仲。ある時平凡な高校生活を送っていた亜理沙の身の周りで事件が起こり始める。実は翔はギリシャ神話の冥福の神ハデスの、亜理沙はハデスの妻ベルセフォネーの生まれ変わりだった。
佐倉亜理沙はクラスメイトの天野翔と口喧嘩はするものの、平凡な高校生活を送る普通の女子高校生。だが2人はギリシャ神話の冥府の王である神ハデスと、その妻ベルセフォネーが転生した姿だった。前世の記憶が戻らない亜理沙の身の回りで、亜理沙=ベルセフォネーを狙った事件が起こり始める。亜理沙は転生した他の神々にとって重要な役割を果たす存在なのだった。すでにハデスとしての記憶を取り戻していた翔は、前世でベルセフォネーのことを護りきれなかったことを後悔しており、亜理沙を守るため全知神ゼウスを始め現世に転生した神々と戦うことを選ぶ。
「大犯罪者ハロー」と、ハローを取り巻く人々を描くディストピア漫画。物語の舞台は「教典」に記された神の教えを真理とする国。この国では人々は死後生まれ変わり、新たにこの世に生をうけるという輪廻転生の考え方を真理であると信じている。監獄には懲役339年という途方もない刑を課せられた大犯罪者ハローが収監されている。死亡してもまた、残された刑期をまっとうするため、ハローの「生まれ変わり」とされる赤子が探し出され、監獄に収監されていくのだった。
その国は教典に記された神の教えが真理とされている。経典には全ての人々の魂は輪廻転生して生まれ変わるのだと記されている。神や転生、教典を否定するという重罪を犯した大犯罪者ハローは、懲役339年という気の遠くなるような刑期を課せられて収監されていた。ハローの特長は赤毛、金の瞳、脇腹の痣。監獄の中でハローが死ぬと、国は生まれたタイミングと身体的特徴が一致するハローの生まれ変わりを探し出す。そして生まれてすぐに監獄に収監され、自分の罪を何も理解していないまま、死ぬまで監獄で過ごすのだ。そんな歴代ハローたちと、ハローと関わりさまざまな思いを抱く人々の物語が静かに描かれていく。