ちょっぴり特殊な性癖を持つOLと、ドMな上司が織りなすオフィスラブコメディ。主人公・桜森美雨(みう)は玩具メーカーでドールの開発に勤しむ21歳のOLだ。ある日、美雨は彼氏と揉めて泣きながらラブホテルから出てきたところを、上司である武田士郎(たけだしろう)に目撃されてしまう。それをきっかけに、仕事ができてクールなメガネ男子ということも相まって武田を意識するようになった美雨だが、彼女の頭の中にはとんでもない妄想が広がっていたのだ。
女子校育ちの美雨は、友人と見たAVをきっかけにセックスに対して人一倍興味を持っていた。武田に対しても憧れる一方どんなプレイをするのかを妄想する始末である。そんな折、美雨は武田と共に大阪出張に向かうがトラブルにより新幹線が止まってしまい、一夜を共にすることに。道中偶然鉢合わせた元カレに性癖をバラされたことから開き直った美雨は、武田に「四十八手」でセックスをして欲しいとけしかける。一度は断る武田であったが、彼もまた秘密にしている性癖を抱えていた。本作は清楚そうなOLの美雨がセックスマニア、イケメン上司の武田がドMと見かけによらず変態性を持ち合わせているのが面白い。心の奥底に眠る「性」に対する興味を改めて掘り起こさせてくれるだろう。
「性的倒錯」をテーマに、揺れ動く男女の三角関係を描いたアブノーマル・ラブストーリー。主人公の高校生・廣田元気(ひろたげんき)は、ドジばかりしているクラスメイトの八千緑七子(やちみどりななこ)が気になって仕方がない。体育の時間に鼻血を出したり教師に咎められている姿をもとに、虐げられる彼女を漫画にして一人悦に入るという変態的な趣味を持っている。ある日元気は、漫画の原稿を教室に忘れてしまったことで、七子にそれを見られてしまう。
七子は漫画の内容を気にする素振りも見せず、それをきっかけに二人の距離は縮まってゆく。そんな二人の姿を遠くから見ていたクラスのアイドル的存在・鷺沢守(さぎさわまもる)は元気に急接近し、暴力で彼を支配しようとする。守は、加虐することでしか性の悦びを感じることのできない人間だったのだ。一転して支配される側となった元気は、守の差し金で七子と付き合うことになるが、彼女もまた密かな性癖を抱えていた。恋愛対象が殴られたり出血したりと「かわいそう」な状況になればなるほど性的興奮をおぼえる男女の歪んだ倒錯が、余すことなく描かれているのが本作の特徴だ。七子のように逆に虐げられることで快感を得る立場の視点も描かれており、歪んだ三角関係の行方から目が離せない。
お嬢様学校を舞台に、さまざまな性癖を持つ生徒たちの騒動を描いたドタバタコメディ。主人公・佐藤菜乃(なの)は幼少期のトラウマがきっかけで、人の顔を見ると性癖が文字で浮かび上がるという特殊能力を身につけていた。変態な男たちと関わりを持ちたくない一心で、菜乃は日本屈指のお嬢様学校である「桜ヶ丘学苑」に入学を果たす。清楚な女子生徒たちと憧れの学生生活をエンジョイしようとしていたが、更なる試練が彼女を待ち受けていた。
入学早々クラスメイト達の顔を見て、さまざまな性癖が書かれていたことから菜乃はクラスを抜けだしてしまう。そんな彼女が鉢合わせたのは、「人喰い」の性癖を持つ生徒会長の上月契(かみつきちぎり)だった。菜乃は、契が副会長の伊丹(いたみ)このみの首筋に噛み付いているところを目撃するが、このみの顔に浮かび上がったのは「超ドM」という文字であった。その後も契やこのみをはじめとしたド変態な女生徒たちの騒動に、菜乃は図らずも巻き込まれてゆく。一見清楚に見えるお嬢様たちが、お尻愛や窒息愛が好きなどとんでもない性癖を隠し持っているのが面白い。彼女たちのドタバタ劇を楽しむ一方、アブノーマルな性癖が世の中に溢れていることを改めて知らしめてくれる作品だ。
とある風俗店に勤める現役ヘルス嬢兼漫画家のΩ子(おめがこ)が、実体験をもとにさまざまな性癖を持つ人々を紹介するコミックエッセイ。某歓楽街の一画にあるヘルス店に勤める主人公・Ω子。勤務歴5年の彼女の元には、快楽を求めさまざまな男性客がやってくる。己の抑圧された「性癖」を解放すべく変態プレイに勤しむ彼らの相手を時には優しく、時には導きながらこなすΩ子であった。
本作は、ヘルス店を訪れる客の性癖が余すことなく赤裸々に描かれている。女性側の立場になってΩ子とレズプレイを楽しむおじいちゃん、女の子の見た目で男性器を持つ「男の娘」に憧れ彼女にペニスバンドを付けさせて行為に及ぶ客、赤ちゃんプレイが大好きなお堅いサラリーマンなど、これでもかと強烈な人物が登場する。また、客の性癖の紹介だけに留まらず、彼女が実際に取材をしたルポタージュも満載だ。特に、刃物で身体を傷つける人体改造に快楽を求める人の驚愕エピソードは思わず鳥肌が立ってしまうほどである。SMの女王様や男の娘など「性」を取り巻く趣味嗜好が面白おかしく描かれる一方、人間という生き物の持つ業の深さを考えさせられる。
とある学苑を舞台に、特殊性癖を持つ生徒たちに振り回される教師の受難を描いたエロコメディ。糞尿愛好家のモーツアルトや匂いフェチのナポレオンなど、かの天才たちは皆特殊性癖を持っていた。そこから着想を得て、「未来の天才」を育成すべく特殊性癖を持つ生徒が集まったのが、私立清純学苑の2年9組・通称「特殊性癖教室」である。そんなクラスに女性経験なしの新卒教師・伊藤真実(まなみ)が赴任してくるが、彼を待ち受けていたのは想像を絶する光景であった。
初めて教室を訪れた真実は生徒たちの歓迎を受け、想像とは真逆の普通さに胸をなで下ろす。しかし、クラス一の問題児・胡桃沢朝日(くるみざわあさひ)が登校してきたことで状況は一変。胡桃沢に色仕掛けで挑発される真実だったが、それを助けたのはクラスの優等生・恭野文香。お色気たっぷりの生徒たちにタジタジの真実だったが、恭野と共にクラス内で起こっている盗撮事件やいじめを解決すべく教師として立ち上がる。本作に登場する性癖は、機械性愛や埋葬性愛・火炎性愛・刺青性愛など、独特なものが多い。深いことは考えずに楽しむのがいいだろう。