物語は「移植」から始まった！オススメ漫画あつめてみた43 Pt.

こすもの心臓移植の提供者は、初代卑弥呼に匹敵する力を持つと言われる巫女の「日巫子」の99代目。事故によって命を落とし、その心臓はこすもへと移植された。しかし、日巫子を守る役目を担う「巫女守」の1人の日吉が諦めきれずに儀式を行い、99代目日巫子はこの世に蘇ることに。こすもは日巫子の力を受け継ぐことで危険な目にあうことが増え、日嗣に守られる内に彼に対して恋心を抱くようになっていく。日嗣もこすもと惹かれ合うものを感じていたが、99代目日巫子が蘇ったことで日嗣は巫女守の使命とこすもへの恋心の狭間で苦悩することになる。次第にこすもや日嗣に秘められていた力や血も目覚めていき、日本神話の神々とも絡めて壮大な物語へと展開されていく。

重度の心臓病を患い、移植手術のお陰で命が助かったひなたにとって、ドナーである拝田はいくら感謝してもしきれない存在だ。一時的に自分の意識を乗っ取られようとも、彼が望む犯人捜しに協力することは恩返しだと考えている。ひなたは本来、大人しい性格だが、拝田が殺される直前に聞いた「ご苦労さん」という言葉が切り替えのスイッチとなり、キビキビとした拝田の人格へとチェンジする。クロウは、捜査時にひなたの命令口調や罵りを聞くとゾクゾクしてしまうM気質だが、コンビとしての相性は良いようだ。果たして拝田を殺した犯人を見つけることはできるのか。殺人事件、ドラッグ、宗教団体など、様々な事件を調べる内に、やがてクロウやひなたの過去や真実も明らかになっていく。

本作の舞台となるのは、他人の臓器を移植するよりも人工臓器の使用が一般化しつつある世界だ。中心になるのは、人工心臓の未来の鍵を握るオルガと、その弟のニト。オルガは他の誰も真似できない完全な心臓に近い「光の飛ぶ」心臓を造ることができ、隠れ家でも研究を続けていた。ある日、重傷を負ったニトを救ったのは、大病院の御曹司のシマ＝バークリーだった。彼は、オルガに対して未来ある子供たちのために協力を求め、オルガは前に歩き出そうとする。しかし、姉に執着している弟のニトはその考えに賛同できず、反発する。人間が健康や長寿を願う先には、どのような未来が待ち受けているのか。人工臓器の在り方を巡り様々な人物の想いや願いが交錯していく物語だ。

本作は、脳移植によって運命を翻弄される男性の姿を描いた物語だ。主人公の純一は22歳のエンジニアで、恋人の恵との明るい未来を夢見ていた真面目な普通の青年。不運に見舞われ、脳を損傷してしまった純一は、不可能に近い一億分の一の成功率と言われていた脳移植手術を受け、奇跡的に生還した。医療は日々進化を続けているものの、脳に関しては謎が多く、未知なる領域と言われている。手術後の純一は些細なことで他人に殺意を抱くようになり、愛しいはずの恵のソバカスさえ醜く感じてしまう。果たして純一に移植された脳の真のドナーは誰なのか。純一は自分の中に別の存在がいるような違和感が生じ、自分の脳が浸食されていく恐怖に襲われるようになっていく。

英太郎は人浦に身体を修復してもらうことを条件に、しばらくの間、人浦の妻の春奈として生きることになる。女子の身体に慣れず、トイレや着替えなども一苦労。美少女の春奈の姿を利用してみちるたちに復讐を試みるが、実はみちるも英太郎に好意を抱いていたことが判明する。しかし、今度はみちるが事故によって重傷を負い、修復を終えた英太郎の元の身体にみちるの脳が移植されることに。そんな状態のみちるから好意を寄せられても、英太郎はまるで自分から迫られているように思え、訳が分からなくなってしまう。果たして両者は無事に元の姿に戻り、恋人同士になることはできるのか。めまぐるしく展開されるユニークで奇想天外な入れ替わり劇を、ぜひ最後まで見届けてほしい。