母親を殺した父親への復讐を心に誓う2人の兄弟が、ニューヨークで互いに支え合いながら暮らし、やがてアメリカ大陸西部へ向かう旅を描いた復讐劇。作者である柿崎正澄が、幼少期に見て衝撃を受けた西部劇『続・荒野の用心棒』に影響を受けて描かれた。主人公の衣装や銃の早撃ち、ガトリング砲、人を痛めつける残虐な表現など、映画の要素が散りばめられているが、1860年代アメリカの歴史的背景も織り交ぜている。登場人物たちの思惑や関係性を丁寧に描写し、そのストーリーを、陰影が活かされた緻密な描法で描き出すことにより、重厚な世界が表現されている。「ヤングマガジン」2011年第28号から2013年第24号にかけて連載された作品。