GREEN BLOOD

GREEN BLOOD

母親を殺した父親への復讐を心に誓う2人の兄弟が、ニューヨークで互いに支え合いながら暮らし、やがてアメリカ大陸西部へ向かう旅を描いた復讐劇。作者である柿崎正澄が、幼少期に見て衝撃を受けた西部劇『続・荒野の用心棒』に影響を受けて描かれた。主人公の衣装や銃の早撃ち、ガトリング砲、人を痛めつける残虐な表現など、映画の要素が散りばめられているが、1860年代アメリカの歴史的背景も織り交ぜている。登場人物たちの思惑や関係性を丁寧に描写し、そのストーリーを、陰影が活かされた緻密な描法で描き出すことにより、重厚な世界が表現されている。「ヤングマガジン」2011年第28号から2013年第24号にかけて連載された作品。

概要・あらすじ

1860年代のニューヨーク。「ファイブ・ポインツ」と呼ばれ、20を超えるギャング団を抱える一帯に、ブラッド・バーンズルーク・バーンズの兄弟が暮らしていた。彼らは、しっかり者の弟が不精な兄を叱咤しながらも平穏に暮らしているように見えた。その実、兄のブラッドは弟に隠れて、ギャング団「グレイブ・ディガー」専属の殺し屋をしながら、自分たちの母親を殺した、父親のエドワード・キングを探していた。

そんなある日、「グレイブ・ディガー」と対立するギャング団「アイアン・バタフライ」に、ルークがさらわれるという事件が発生。ブラッドは弟を守るため「アイアン・バタフライ」のNo.2と対決し、死闘の末に生き残るものの、ルークに殺し屋としての正体を知られることとなる。

さらにはこれが引き金となり、「グレイブ・ディガー」と「アイアン・バタフライ」の全面戦争が勃発。戦争を終わらせるため、敵も味方もなく惨殺を始めたブラッドだったが、それに恐れ慄(おのの)いた「グレイブ・ディガー」のボスの息子は、ガトリング砲を持ち出し乱射。その圧倒的な銃撃により、戦争は終結した。

このガトリング砲を提供した人物こそ、ブラッドが探し続けていたキングその人であった。戦争終結後、キングが「ファイブ・ポインツ」に来ていた事実を知ったブラッドとルークは、母親の仇を討つ決意を固め、キングを探す旅に出る。

登場人物・キャラクター

主人公

ルーク・バーンズの兄であり、長身で黒髪長髪の青年。右胸には、自身が所属するギャング団「グレイブ・ディガー」のメンバーの証である「GD」の文字のタトゥーが入っている。アイルランドからの移民で、ニューヨー... 関連ページ:ブラッド・バーンズ

ブラッド・バーンズの弟であり、金髪を短く刈り上げた少年。ニューヨークを出て、父親であり母親の仇でもあるエドワード・キングを探す旅に出た後は、髪を伸ばすようになった。幼少期、兄のブラッドとともにアイルラ... 関連ページ:ルーク・バーンズ

ギャング団「グレイブ・ディガー」の創立者の1人。ブラッド・バーンズ、ルーク・バーンズの父親であり、ブラッドとルークの母親を殺した張本人でもある。ウェーブがかった髪を長く伸ばし、右目に大きな切り傷がある... 関連ページ:エドワード・キング

ギャング団「グレイブ・ディガー」の創立者の1人。ボスを務める初老の男性。父親への復讐を望む幼いブラッド・バーンズを鍛え上げ、一流の殺し屋に育て上げた人物でもある。「グレイブ・ディガー」創立当初は、同じ... 関連ページ:ジーン・マクドウェル

ジーン・マクドウェルの息子。父親がボスを務めるギャング団「グレイブ・ディガー」のNo.2を名乗っている。ギョロリとした目つきの小柄な青年で、左手の甲に「グレイブ・ディガー」のマークである「GD」の文字... 関連ページ:キップ・マクドウェル

ギャング団「アイアン・バタフライ」のNo.2の地位にある若い青年。普段は、細目で微笑を浮かべたような表情をし、対立しているギャング団「グレイブ・ディガー」との抗争を嫌がるなど、温和な様子を見せる。しか... 関連ページ:レイモンド・フィッツジェラルド

ダニー

ギャング団「アイアン・バタフライ」のボス。口ひげをたくわえた小太りの中年男性。「アイアン・バタフライ」No.2のレイモンド・フィッツジェラルドの存在を脅威に感じており、対立しているギャング団「グレイブ・ディガー」との戦争に乗じて、レイモンドとその部下を始末するよう、エドワード・キングに依頼した。

JJ・キャンベル

アイルランドからの移民で、波止場で働いている少年。波止場での仕事にうんざりしており、一攫千金を夢見てギャング団に憧れている。ルーク・バーンズとは親友であり、彼の兄であるブラッド・バーンズとも親しくしていた。そのために、ブラッドを目の敵にしていたキップ・マクドウェルが仕掛けた策略に巻き込まれてしまう。

「ファイブ・ポインツ」にある売春宿で働く若い女性。ブラッド・バーンズと親しくしており、ブラッドが殺し屋の仕事をする際の衣服や武器を、自分の仕事場に隠している。面倒見の良い性格で、通りで物乞いをしていた... 関連ページ:エマ

ホーク

ギャング団「クリムゾン」に所属する吊り目の青年。「早撃ちのホーク」と呼ばれる。右の首筋に「K」の文字のタトゥーを入れている。使用武器は「コルトM1848改」。呼び名の通り、一瞬で3人を撃ち抜くほどの早撃ちの名手である。

スワロウ

ギャング団「クリムゾン」に所属する青年。「投げ縄のスワロウ」と呼ばれる。長髪で、顔の左側に細く三つ編みを垂らしており、左胸に「K」の文字のタトゥーを入れている。呼び名の通り投げ縄を得意とし、逃げる相手を、馬上から投げ縄で正確に捕らえることができる。使用武器は「ヴォルカニック・ピストル改」。

イーグル

ギャング団「クリムゾン」に所属する頬のこけた青年。「スナイパーのイーグル」と呼ばれる。頭にバンダナを巻き、左目を眼帯で覆っており、ライフルの弾を肩から斜めに掛けている。数百メートル先から正確に目標を撃ち抜く腕を持つ、寡黙なスナイパー。使用武器は「コルトM1855改」。

ギャング団「クリムゾン」に所属するスキンヘッドで大柄な中年男性。「ボマーのドードー」と呼ばれる。左腕に「K」の文字のタトゥーを入れている。体中にダイナマイトを巻きつけ、着火用の葉巻を口にくわえている。... 関連ページ:ドードー

パロット

ギャング団「クリムゾン」に所属する痩せた中年男性。「ビッグマウスのパロット」と呼ばれる。シルクハットを被り、胸の中央に「K」の文字のタトゥーを入れている。主に武器の調達を担当しており、戦闘能力は高くない。戦いに参加する際はガトリング砲を使用する。

ブラッド・バーンズとルーク・バーンズが旅先のセントルイスで出会った若い女性。酒場で男に絡まれていたところをルークに助けられるが、「助けなんか必要なかった」と、ルークにビンタを食らわすような跳ね返り娘。... 関連ページ:ジェニー・メイシー

ジェニー・メイシーの母親である年老いた女性。娘のジェニーとは反対に穏やかな性格であり、突然家を訪ねて来たブラッド・バーンズとルーク・バーンズを快く受け入れ、2人を息子のようだと、温かく接した。夫を南北... 関連ページ:アン・メイシー

都市開発を行う鉄道会社「ウェスト・セントラル・レイルロード」の職員。小太りの中年男性で、セントルイス郊外の開発を行い、住民からは街の発展の立役者として慕われている。開発の一環として、アン・メイシーの持... 関連ページ:チャールズ・ハワード

ネッド・ホワイト

黒人の少年。ブラッド・バーンズとルーク・バーンズが旅先のウェリントンで出会った。牧場で馬の世話を任されており、馬を扱う技術は、誰にも真似ができないほど優れている。ルークには、牧場での生活に満足していると話したが、裏で黒人の窃盗集団と繋がっており、200頭の牛の窃盗に加担した。

モンタナ準州に住むインディアン「スー族」のリーダー的存在の青年。腰まで伸びた長髪を下ろし、バンダナを巻いている。「スー族」の戦士として、部族の仲間だけでなく、他の部族からも信頼を得ている。インディアン... 関連ページ:ブラック・ホース

集団・組織

グレイブ・ディガー

「ファイブ・ポインツ」を拠点として活動するアイルランド系のギャング団。ジーン・マクドウェルとエドワード・キングが創立した。現在ではキングが抜け、ジーンがボスとして組織をまとめている。メンバーの身体には... 関連ページ:グレイブ・ディガー

アイアン・バタフライ

「ファイブ・ポインツ」を拠点として活動するアイルランド系のギャング団。ボスはダニー。ショーパブ「バタフライ・サーカス」をアジトとし、現在「ファイブ・ポインツ」のほとんどを支配している。ギャング団「グレ... 関連ページ:アイアン・バタフライ

クリムゾン

アメリカ各地を渡り歩くギャング団。エドワード・キングをボスとしている。メンバーの身体にはその証として、「キング」の「K」の文字のタトゥーが入れられている。活動の目的は金儲けであり、行く先々で殺人を請け... 関連ページ:クリムゾン

場所

ファイブ・ポインツ

1860年代のニューヨーク市マンハッタン区にある「ワース通り」「バクスター通り」「パーク通り」の3つの通りに囲まれた地帯。この地帯を中心に五叉路になっているため、この名前が付いている。ニューヨーク第6... 関連ページ:ファイブ・ポインツ

その他キーワード

コルトM1851ネイビー改

実在する銃をモデルとした、ブラッド・バーンズが使用する銃剣。ブラッドを殺し屋として育てたジーン・マクドウェルから贈られたもので、銃身の下側にナイフが取り付けられている。銃とナイフが一体化しているため、... 関連ページ:コルトM1851ネイビー改

レミントンM1858ニューモデルアーミー改

実在する銃をモデルとした、ルーク・バーンズが使用する銃。武器を手にすることのなかったルークが、兄のブラッド・バーンズとともにニューヨークを出ることを決意した際、携行するようになった。入手の経緯は明確に... 関連ページ:レミントンM1858ニューモデルアーミー改

コルトM1836テキサス・パターソン改

実在する銃をモデルとした、エドワード・キングが使用する銃。キングの左右の腰に1挺ずつ下げられ、両手で撃つことができるようになっている。実在の銃は、1836年から1847年にアメリカのコルト社で製造され... 関連ページ:コルトM1836テキサス・パターソン改

ガトリング砲

ギャング団同士の戦争で使用された武器。キップ・マクドウェルがエドワード・キングに売りつけられた。戦争終結後はキングが回収し、彼のギャング団で再び使用された。モデルとなったのは、実在する医師であるR・J... 関連ページ:ガトリング砲

コルトM1848改

実在する銃をモデルとした、ホークが使用する銃。別名「コルト・ドラグーン」。ホークの得意とする早撃ちのため、いかなるタイミングでも攻撃できるよう常に右腰に下げられている。実在の銃は、1848年から186... 関連ページ:コルトM1848改

ヴォルカニック・ピストル改

実在する銃をモデルとした、スワロウが使用する銃。得意とする投げ縄を使って相手を捕獲した後、とどめを刺す際に使用される。実在の銃は、1851年にアメリカのスミス&ウェッソン社で開発された。弾丸自体に発射... 関連ページ:ヴォルカニック・ピストル改

コルトM1855改

実在する銃をモデルとしており、スナイパーであるイーグルが狙撃のために使用している銃。別名「リボルビングライフル」。長距離の狙撃に対応するため、銃の上部に長いスコープが取り付けられている。実在の銃は、1... 関連ページ:コルトM1855改

SHARE
EC
Amazon

関連リンク

似ている作品
ジャンク・ランク・ファミリー
logo