西遊記がモチーフ！オススメ漫画５選138 Pt.

西遊記がモチーフの作品といえば旅が基本。しかし、この作品はアパートの一室からほぼ出ることなくグダグダな日常を描く、西遊記とはかけ離れた物語である。さらに西遊記の顔ともいえる孫悟空がこの作品には登場していない。ギャグ漫画である本作は、法子を始め、猪八戒、沙悟浄共にやる気があまりなく、そんな設定が面白おかしく活かされている。また、度々登場する「沙悟浄はカッパではない」というギャグは、原典の西遊記をしっかりと踏襲している現れである。

西遊記のその後という設定で、三蔵法師をモデルとしたサンゾーの孫、イチゾーが主人公となった物語だ。また、旅のお供をするソンゴサンは、孫悟空をモデルとしたエロザルのソンゴクーの息子である。しかし、父と違ってもの凄くマジメなのが特徴。ソンゴサンに加え、荷物を運べる大型の魚コタマネギと、後に仲間になる女の子・ロゼで、4人の一行という西遊記と同じ形を取っている。一方で、テンジクのシャカの存在も大きく変えるなど、西遊記とは全く違う物語を作り上げている。

三蔵法師と弟子達が天竺を目指して旅をする。その設定は同じでもキャラクターが変わることで抱腹絶倒のギャグになる。弟子の役目は偉いお坊様である三蔵法師を守り、無事天竺まで行くこと。しかし、この三蔵法師は誰よりも強く、守られるようなキャラクターではない。また、多くの西遊記漫画でふざける悟空の姿が見られるが、本作品の場合ふざけすぎで、その殆どが下ネタである。そんな悟空を三蔵は戒めることなく、ほぼ野放しで話が進むのもギャグ漫画ならではだ。

本作に登場する三蔵法師は、「ピトー教」という怪しげな宗教を広める、金髪で神父服姿の宣教師サムだ。三蔵法師の称号を授かったサムは、中国のとある寺院を乗っ取り、寺にいる僧侶たちをことごとく洗脳。危険を感じた寺院の高僧は、三蔵（サム）に対し「天竺へ経文を取りに行ってほしい」とお願いし、寺から追い出す。そして、三蔵（サム）の西遊記っぽい物語が始まるのだ。

物語はあくまで西遊記の体をなしているが、「パタリロ！」のキャラクターが多数登場するギャグ漫画となっている。とくに主人公は孫悟空となったパタリロであり、悟空らしい振る舞いをすることはあるものの、その実は「パタリロ！」のキャラクター設定丸出しなのである。とはいえ「パタリロ！」の王子という立場と違い、あくまで三蔵（マライヒ）の弟子なので、本編とは違った関係性も楽しむことができる。