桜の園?それとも魔窟?!女子校漫画オススメ５選72 Pt.

舞台となる清華院女学校は、正真正銘のお嬢様たちが集まっている女子校。入学したお嬢様たちは、清く美しく大切に育て上げられ、正しい教養や礼儀作法を教えられる。しかし、そこは地図にすら載っておらず、箱庭のようなもの。卒業後に待ち受けている一般社会にいち早く馴染めるよう、お嬢様たちに在学中から庶民について学ばせる必要性が論じられてきた。そこで連れてこられたのが主人公の公人だった。作中には男性慣れしていないお嬢様たちの中でも一際初心な有栖川麗子（ありすがわれいこ）、嘘が苦手でピュアな天空橋愛佳（てんくうばしあいか）など、様々な筋金入りのお嬢様たちが登場。無理やり拉致された公人だったが、優しく世話好きの公人は、毎日の生活の中で少しずつお嬢様たちの心を掴んでいく。

本作に登場するのは、私立の女子校である七森中学校。中心となるのは「ごらく部」のメンバーだが、他にも何かと「ごらく部」にちょっかいを出してくる生徒会など、愉快な仲間が大勢登場し、賑やかに展開していく。女子同士の絆が深まっていく。一応「ごらく部」と看板を掲げているものの、学校に申請すらしておらず、正式な部活ではない。だが、彼女たちにとって一番大切なことは、部員である友人たちと共に、放課後の時間を楽しく過ごし、共通の思い出を作っていくこと。生徒会メンバーと共にカップルごっこを行うなど、百合テイストな描写もあり、女子同士の仲良しライフが楽しめる。

本作の舞台となるのは私立山咲（やまさき）女子学園富士高等学校、通称「咲女（さきじょ）」。中途半端なお嬢様学校と呼ばれている学校だ。絵里子は女子高生活に憧れに似た感情を抱いていたが、そんな思いは一瞬で吹き飛ぶほどの惨状がそこには広がっていた。女子ばかりの生活では、だらしない格好をしていても誰も咎めないからだ。そんな環境でも絵里子は理想を曲げないつもりだったが、その意志を貫くことは想像以上に難しいことだった。一方、文化祭をきっかけに友人の綾乃は近隣の男子校に通う下高谷孝則（しもたかたにたかのり）と付き合うことに。彼氏ばかり優先し、付き合いが悪くなった綾乃のデートを絵里子と由真は妨害するようになる。女子校出身である作者の経験を最大限に活かし、女子高生のリアルな日常が描かれている。

主人公のひびきたちが通う皇桜（こうおう）女学院は、原作者の別作品『ケンガンアシュラ』の「皇桜学園グループ」の高等部で、両作品は世界観が繋がっている。ひびきはお嬢様ではないが、ジム仲間である朱美は生粋のお嬢様だ。1年の時から生徒会長を務めるだけでなく、2年連続でミス皇桜女学院にも選ばれ、家柄も良く、お金持ちで非の打ち所がない。だが、朱美は周りがドン引きするほどの筋肉フェチでもあり、自らもトレーニングを行っている。健康で文化的な生活を送るために、生涯にわたり運動を続けるという目標を持っており、そのために選んだジムは、偶然にもひびきと同じシルバーマンジムだった。本作は具体的なトレーニング方法が盛り沢山のため、実用書としても役立つだろう。

本作の舞台となるのは、お嬢様学校で「美女高」の愛称で知られる美人坂女子高校。しかし、名門と謳われていたのは昔の話で、今では庶民を集めたニセのお嬢様製造工場だと噂されている学校だ。中には本物のお嬢様もいたが、女子校だからといって、通う生徒がお嬢様という訳ではない。円は美女高へ行っても自分らしさを失わなかった。その自由さが他の生徒の目には眩しく映り、仲間も次第に増えていく。また、円は近くの男子校の千尋に、出会ってすぐにキスをされ、千尋の第一印象は最悪だった。しかし、次第に二人の距離は縮まり、そこに幼馴染の陽平も交わって三角関係へと発展。円の真っ直ぐで自由な生き方は、人の目を気にしがちな現代を生きる人たちにとっても眩しく映るのではないだろうか。