人気ロールプレイングゲームが原作だ！オススメ漫画４選96 Pt.

自分が勇者に騙されたことが原因で仲間たちに傷を負わせてしまったにもかかわらず、罪悪感に潰れることなくすぐさまゴメちゃんを取り戻しに島を発つダイの行動力は誰もが見習いたいところだろう。しかし本作は単に勇敢な主人公が悪者を倒すだけの話ではなく、「勇者が一度ラスボスを倒した後の世界」が舞台となるため、数々の伏線や複雑な人間関係を楽しむことができる。とりわけ、物語の後半で明らかになるダイの正体は必見だ。本作は日本を代表するRPGの一つ「ドラゴンクエスト」シリーズをもとに作られてはいるが、ストーリーは独立しているのでゲーム未プレイの人でも楽しめるが、何よりモンスター達の個性が際立っているのでドラクエファンなら尚のこと本作の虜になるはずだ。

ゼオは大した力もないのに他人への当たりが強いという一見好感を得づらい主人公像だが、実際は闇天使と契約していることを知られないようにするため敢えて一匹狼を演じている。またゼオをパーティに引き入れたティアが孤独な人に分け隔てなく手を差し伸べられる優しさを持っているなど、他の登場人物も基本「良い人」ばかりなので、ダークなストーリーの割には気軽に読み進められることだろう。だが実は、ティアはある闇天使に自身の故郷を滅ぼされた過去がある。物語が進むにつれ、読者はティアが何をするつもりなのかなど、展開に引き込まれていくだろう。本作はアメリカ発祥の名作RPG「ウィザードリィ」の世界観で作られているが、ストーリーは完全に独立したものなので元ネタを知らなくとも問題ないだろう。

湊は普段はダラダラ過ごしていても、いざという時は率先して困難に立ち向かう典型的主人公、と思いきや、ここぞという見せ場でのうっかりミスが多く、イマイチ活躍しきれない人間臭さが魅力。ペルソナ使いは湊以外にも性格・能力ともに個性豊かなキャラクターが多く、平和な学園コメディとシャドウ戦での熾烈なアクションの両方を楽しむことができる。伏線が多く時系列も進んだり戻ったりするため、序盤は混乱する人もいるかもしれないが、世界の命運を懸けて最後のシャドウに立ち向かうクライマックスは非常に熱いので、ぜひ最後まで読み進めてほしい。本作は1996年から長くシリーズ展開されているRPG「ペルソナ」の3作目が元ネタとなっており、こちらもやり込み要素が豊富でおすすめのゲームだ。

国民的ゲーム「ポケットモンスター」を元ネタとする漫画は数多くあるが、その中でも本作は「マサラタウンが南国」「ポケモンの多くが人語を操る」など、世界観がかなり独自性の強い一冊となっている。他の漫画シリーズと同じくポケモン図鑑の完成を目指す物語ではあるものの、話のほとんどはピッピのボケに対してレッドが激しくツッコむギャグパートなので、ポケモンにあまり親しみのない人でも気軽に読み進められるだろう。とはいえ20年を超える長期連載作（「B・W編」などのサブタイトルが付くものも含む）だけあって、歴代シリーズの数多くのポケモンが登場するので、ゲームをやり込んでいた人ならシリーズの異なるポケモン同士の掛け合いをより一層楽しめるはずだ。子供から大人まで、万人に読んでほしいギャグ漫画といえる。