概要・あらすじ
有里湊は月光館学園に転入してきた日に、寮で桐条美鶴と岳羽ゆかりに出会う。ペルソナ使いである2人は、湊にその適性があるかどうか見極めようとしていた。そんな時、寮に敵である大型のシャドウが現れる。湊を逃がそうとするゆかりだったが間に合わず、シャドウと対峙した湊は、その瞬間ペルソナ使いとして覚醒する。
それを境に、湊はペルソナ使いとしてゆかりらと共にシャドウと戦う日々に身を投じることとなる。
登場人物・キャラクター
有里 湊 (ありさと みなと)
月光館学園に転校してきた高校2年生の男子。基本的には無口で、事態の流れに任せる傾向があるが、特別課外活動部のリーダーとしてしっかりと皆を引っ張っていく求心力もある。ペルソナは初期はオルフェウスだが、のちにタナトスへと変わる。特別課外活動部のなかでは、岳羽ゆかりとアイギスに対して好意を抱く。
岳羽 ゆかり (たけば ゆかり)
月光館学園の高校2年生の女子で特別課外活動部に所属している。父親は研究者として桐条グループで働いていたが、10年前の事故で亡くなっている。勝ち気で伊織順平に対して強気に出るところがあるが、幽霊などを怖がる一面も持つ。ペルソナはイオ。
伊織 順平 (いおり じゅんぺい)
月光館学園の高校2年生の男子。お調子者で、有里湊と同じ転校生であったため、湊のことを気にかけていた。しかし、湊が特別課外活動部のリーダーに選ばれてからは、自分がリーダーであるべきだという考えに囚われ、湊のことを快く思わなくなる。ペルソナはヘルメス。
桐条 美鶴 (きりじょう みつる)
月光館学園の高校3年生の女子で特別課外活動部に所属し、生徒会長も務めている。有里湊にペルソナ使いとしての適性があることにいち早く気づき、彼が優秀なペルソナ使いとなるよう導いた。桐条グループの会長の息女で、将来を期待されている。ペルソナはペンテレシア。
真田 明彦 (さなだ あきひこ)
月光館学園の高校3年生の男子で特別課外活動部に所属している。ボクシング部にも所属し、シャドウとの戦いをボクシングの試合と同じように軽くとらえているところがある。熱血漢で、物事を真っ正面からとらえるような考え方をする。ペルソナはポリデュークス。
山岸 風花 (やまぎし ふうか)
月光館学園の高校2年生の女子。いじめられっ子で、当初はおどおどした雰囲気だった。しかし、ペルソナ使いとして特別課外活動部で活動するうちに、内に秘めた強い心を表に出すようになる。ペルソナは後方支援担当のルキア。
アイギス
ペルソナを操ることのできる機械人形で女の子の姿をしている。桐条グループが12種類に分かれたシャドウを打ち倒すために開発した。幼い頃の有里湊をデスから守ったことがあるため、湊と面識があるが、湊はまったく覚えていない。ペルソナはパラディオン。
コロマル
死んだ飼い主を、いつもの散歩ルートだった神社前で待ち続ける忠犬。その意思の強さからペルソナ使いとして覚醒する。特別課外活動部内で飼われることになるが、人の言葉を分かっているような雰囲気で、皆を和ませる。戦闘時は口にナイフをくわえて戦う。ペルソナはケルベロス。
天田 乾 (あまだ けん)
月光館学園の小学5年生の少年。ペルソナ使いとしての適性があるとして、有里湊たちの寮に夏休みの間だけ住み込むことになったが、その後ペルソナ使いとして覚醒したため、そのまま入寮して特別課外活動部に所属するようになった。かつて、シャドウとなった母親を殺した荒垣真次郎を憎んでいる。ペルソナはネメシス。
荒垣 真次郎 (あらがき しんじろう)
月光館学園の高校3年生の男子生徒。あまり学校に来ないため、友達である真田明彦からは学校に来るよううるさく言われている。悪い仲間たち、特にストレガとつるむことがあり、明彦に心配されている。ペルソナ使いではあるが制御ができていないため、ストレガから入手した薬剤を使って制御している。
幾月 修司 (いくつき しゅうじ)
月光館学園の理事長を務める男性。元桐条グループの研究員。ペルソナ使いではないが、影時間に象徴化せず、影時間を体感することができる。親父ギャグが好き。ペルソナのことを知っている教員として、特別課外活動部の顧問もしている。
タカヤ
「ストレガ」と呼ばれる組織のリーダーの男性。上半身をさらけ出した格好をしている。人類の総意は滅びであると考え、ニュクスを呼んでこの世界を終わらせようと考えている。ジンとチドリはこの考えに賛同し、タカヤと行動を共にしている。ペルソナ使いだが、薬剤なしでペルソナを制御することはできない。
ジン
タカヤ率いる「ストレガ」のメンバーの青年。眼鏡をかけたインテリ風の外見で、爆弾を詰めたアタッシュケースを携帯している。戦いではこの爆弾を用いて、タカヤの露払いをすることが多い。ペルソナ使いだが、薬剤なしにペルソナを制御することはできない。
チドリ
タカヤ率いる「ストレガ」のメンバーの少女。絵が趣味で、白いゴスロリ服を着ている。絵を描いているところを伊織順平に見られ、順平の優しさに触れて心を開くようになる。ペルソナ使いだが、薬剤なしにペルソナを制御することはできない。
イゴール
ベルベットルームの主。鼻が長く、目が大きい老人の姿をしている。エリザベスを常にそばに置き、ベルベットルームを訪れる客人、有里湊を歓迎する。湊に対して、これから起こるであろうシャドウの出現という試練について語る。
エリザベス
ベルベットルームの住人で、イゴールの補佐を務める。エレベーターガールのような格好をしており、有里湊を試練へと導く。表情をあまり変えない、スレンダーな美人。時にはイゴールのいないところで湊と会うこともある。
ファルロス
有里湊が初めて巌戸台にある寮にやってきた時に出会った少年。湊に「これから起きることに責任を持つ」という契約書を書かせた。神出鬼没で満月の前になると湊の前に現れ、試練が訪れることを警告する。当初は自分が何者であるかを知らなかったが、湊がシャドウを倒すたびに記憶を取り戻していく。
望月 綾時 (もちづき りょうじ)
ファルロスの本来の姿。高校2年生の男子として月光館学園に転校してくる。ファルロスとしての記憶も持っているため、有里湊には好意的。チャラチャラしたように見えるが、それは彼が生まれたばかりの存在ゆえに人と会話することが楽しくてたまらないため。
オルフェウス
有里湊の初期のペルソナ。竪琴を持った青年のような姿をしている。攻撃、支援共に適しているが、湊が前線に出ることが多いため、攻撃担当を務めることが多い。はじめて召還した時は、一度だけタナトスに姿を変えた。
タナトス
死を司る、有里湊のペルソナ。デスとよく似ている。獰猛な顔つきで、鎖をまとわせた盾を何枚も宙に浮かせている。攻撃能力に優れ、特別課外活動部の中でも1、2を争うほど高い攻撃力を誇るペルソナ。
イオ
岳羽ゆかりのペルソナ。彼女の心の成長によってイオからイシスへ変化する。回復が得意で、風属性の攻撃も可能。戦闘では唯一の回復担当として活躍する。鎖につながれた女性が、椅子に座っているような姿をしている。
ヘルメス
伊織順平のペルソナ。彼の心の成長によってヘルメスからトリスメギストスへ変化する。物理攻撃と炎属性の攻撃を得意とする。戦闘では剣を振るう順平と共に、主に物理攻撃を担当する。金色の兜をかぶったような男性の姿をしている。
ペンテレシア
桐条美鶴のペルソナ。彼女の心の成長によってペンテレシアからアルテミシアへ変化する。状態変化攻撃と氷属性の攻撃を得意とする。戦闘では氷魔法攻撃を主体に戦う。水色の甲冑を着た女性の姿をしている。
ポリデュークス
真田明彦のペルソナ。彼の心の成長によってポリデュークスからカエサルへ変化する。物理攻撃と雷属性の攻撃を得意とする。戦闘ではボクシングを得意とする明彦同様、物理攻撃を担当する。上半身が大きい機械のような形をしている。
ルキア
山岸風花のペルソナ。彼女の心の成長によってルキアからユノへ変化する。敵のサーチや弱点を見抜く特性を持ち、特別課外活動部の後方支援を担当する。通信によって前線で戦う有里湊たちを支援する。風花を包み込むほど大きな女性の姿をしている。
パラディオン
アイギスのペルソナ。彼女の心の成長によってパラディオンからアテナへ変化する。アイギスと同じように物理攻撃に特化していて、魔法攻撃はできない。槍を持った女性のような姿をしている。
ケルベロス
コロマルのペルソナ。三つの首がついた獰猛な犬の姿をしている。物理攻撃が得意で、ヘルメスよりも強力な炎属性攻撃を操る。コロマルだけは銃型の召喚器ではなく、首輪によって召喚を行っている。
ネメシス
天田乾のペルソナ。物理攻撃と雷属性の攻撃が得意で、乾はその両方を巧みに使って戦闘を行っている。ギザギザの輪っかの中に人が立っているような姿をしている。乾は、その力を荒垣真次郎を殺すためだけに使おうと考えている。
デス
望月綾時の真の姿で、12種類の大型シャドウを束ねるシャドウ。10年前の事故の際、有里湊を含めた有里一家を襲った存在で、アイギスの妨害により湊だけを取り逃している。非常に強力なシャドウで、桐条グループの力をもってしても制御できなかった。
ニュクス
デスという宣告者を経て復活する、シャドウたちの母なる存在。ニュクスが目覚める時、星は純粋な死に満たされてすべての命は消え失せるとされる。復活を防ぐことはできないが、望月綾時を殺すことによって目覚めを遅らせることはできる。
集団・組織
ペルソナ使い (ぺるそなつかい)
ペルソナを呼び出すことができる人々のこと。また、ペルソナを使って戦うことができる人を差す場合もある。特別課外活動部のメンバーや、「ストレガ」のメンバーがこれにあたる。
特別課外活動部 (とくべつかがいかつどうぶ)
有里湊たち、ペルソナ使いたちが所属している組織。表向きは部活となっているが、実態はペルソナを用いて不思議な塔「タルタロス」に挑むための組織である。リーダーとして湊が抜擢されている。サポート役として、山岸風花がルキアを使って情報収集と戦闘支援を行っている。当初、所属していたのは桐条美鶴と真田明彦、岳羽ゆかりのみだったが、のちに湊が加入し、その後伊織順平や山岸風花、アイギスやコロマル、天田乾が加入する。
ストレガ
復讐代行サイトを開いて、依頼者に代わり影時間で対象に復讐を行うグループ。タカヤ、ジン、チドリが所属している。有里湊をはじめとした特別課外活動部の面々とは違い、ペルソナを完全に支配下に置けていないため、薬剤を用いて無理矢理ペルソナを扱っている。
場所
巌戸台 (いわとだい)
有里湊たちが住む地域。彼らが通う月光館学園があり、湊たち特別課外活動部の寮もある。さまざまな店があり、湊は多くの店で常連になっている。時折、伊織順平も一緒になって主に食べ物系の店に通っている。
ベルベットルーム
有里湊のみが訪れることができる、イゴールが主を務める場所。複数のペルソナを身に宿せる「ワイルド」の特徴を持つ湊が、ペルソナを切り替えたり、入れ替えたりするために訪れる。エリザベスが常にイゴールのそばに控えているが、時折エリザベスと一対一で話をする場面もある。
月光館学園 (げっこうかんがくえん)
幾月修司が理事長を務める、有里湊たちが通っている学校。夜0時にはタルタロスへと変化するが、日中は普通の学校として機能している。かつてシャドウを集めて実験を行い、ペルソナ使いがシャドウに対して有効であることを示した元研究所である。
タルタロス
月光館学園が夜0時に変化する謎の塔。ペルソナ使いのみが入ることが可能で、特別課外活動部の面々が自身を鍛えるために活用している。何層にも重なっていて、迷路のようになっている場所が多い。
イベント・出来事
10年前の事故 (じゅうねんまえのじこ)
シャドウを利用して途方もなく大きなものを作ろうと、桐条美鶴の祖父が行った実験、またはそれによる被害のこと。数年がかりで大量のシャドウを集め、実験の最終段階として12にカテゴライズされたシャドウをひとつにしようとした時に事故が発生した。これにより制御を失ったシャドウが、タルタロスと影時間を生み出した。
その他キーワード
召喚器 (しょうかんき)
ペルソナを呼び出すためのアイテムで、銃の形をしているが弾を打ち出すことはできない。ペルソナ使いたちは、これを額に当てて引き金を引くことによって、ペルソナを召喚することができる。特別課外活動部は、全員が召喚器のホルスターを常に身に着けており、いつでもペルソナを呼び出せるようにしている。
ペルソナ
「我は汝、汝は我」との言葉と共に現れる、自分自身のもうひとつの姿。ペルソナ使いのみが召喚し、顕現させることができる。現れるペルソナの姿や名前、能力はペルソナ使いごとに異なる。最初からペルソナ使いに従属しているわけではなく、ペルソナ使いが意志の力で自分のペルソナを御すことができて初めて命令を聞くようになる。なお、ペルソナは基本的にペルソナ使い一人に対して一度に1体しか持つことができない。
シャドウ
影時間の最中にだけ現れる化け物のこと。満月の夜になると大型シャドウが現実世界にも現れて人々を襲おうとするため、特別課外活動部はそれらを倒して回っている。大型シャドウは12種類おり、それぞれタロットの大アルカナに準じた名前が付けられている。その正体は、10年前の事故において制御を失った12のシャドウである。
影時間 (かげじかん)
午前0時ちょうどに現れる特殊な時間。このあいだ、普通の人間は「象徴化」といわれる活動を停止した状態になり、影時間を認知することはできない。一方で、ペルソナ使いだけはこの時間を認知し、影時間の中でも行動が可能。影時間の最中は月光館学園がタルタロスに変化する。
象徴化 (しょうちょうか)
影時間中にペルソナ使いとしての適性がない人間が変化する、活動を停止した姿のこと。ペルソナ使いと幾月修司はこの変化を「象徴化」と呼んでいる。象徴化した人間は、影時間を認知することができない。
クレジット
- 原作
-
アトラス
書誌情報
ペルソナ3 全11巻 KADOKAWA〈電撃コミックス〉
第1巻
(2007-09-27発行、 978-4048662857)
第1巻
(2007-09-27発行、 978-4840240529)
第2巻
(2008-01-26発行、 978-4048662864)
第2巻
(2008-01-26発行、 978-4840241779)
第3巻
(2008-06-27発行、 978-4048671491)
第4巻
(2008-10-27発行、 978-4048673846)
第5巻
(2009-09-26発行、 978-4048681131)
第6巻
(2012-03-27発行、 978-4048861960)
第7巻
(2013-10-26発行、 978-4048660549)
第8巻
(2015-03-27発行、 978-4048692304)
第9巻
(2016-01-27発行、 978-4048656399)
第10巻
(2016-11-26発行、 978-4048923460)
第11巻
(2017-02-27発行、 978-4048926850)