古くから日本人のDNAに刻まれ連綿と伝わってきた五・七・五ののリズム。夏休み期間の子どもたちに俳句に親しんでもらおうという意図で制定された俳句の日(8月19日)を記念して、俳句&川柳に関係した漫画を紹介。
この思い、誰かに伝えたい! 五・七・五の言葉で表現された、共感を覚えずにいられない俳句の数々!
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古くから日本人のDNAに刻まれ連綿と伝わってきた五・七・五ののリズム。夏休み期間の子どもたちに俳句に親しんでもらおうという意図で制定された俳句の日(8月19日)を記念して、俳句&川柳に関係した漫画を紹介。
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「オタ句部」高校生と顧問の先生たちが、オタクの気持ちを“川柳”=「オタ句」として詠んでいく!オタクの日常や「あるある」な心情を詠んだ俳句や川柳と、それにちなんだネタを散りばめたゆる~いオタク高校生たちの日常系漫画。
高校生が川柳に挑戦する内容というより、「オタクあるある川柳」をテーマにオタク女子高生がゆるい日常を過ごす漫画というほうが適切な表現かも。「アニソン禁止されたらカラオケで歌えるレパートリーが少ない」とか、「アニメの最終話、楽しみなんだけど見るのがもったいなくて前話を繰り返し見てしまう」とか、オタクたちの共感を呼ぶテーマが取り上げられ、ときにズバっと一刀両断にしていく――。登場人物も一般人なのにオタ句部に入れられてしまったボクっ娘や百合に造詣の深いツンデレ娘に、オタク道を邁進するはた迷惑な先生と、なかなかに濃い面子。俳句関係なしに、可愛くて業の深い女の子の日常漫画を楽しみたい人にもおすすめ。
出典:マンガペディア
『アスコーマーチ!』『僕のおとうさん』の作者が描く、俳句と恋愛の青春グラフィティ。なんとなく毎日を過ごしていた高校生・久保田莉央は、ある日俳句愛好会の錦織彩に一目惚れ。その日から好きな”あの子”のために俳句を切磋琢磨し、やがて俳句甲子園を目指すことに。
俳句甲子園というのは実際に存在する高校生のための俳句大会。出された俳句について議論を交わすこともあるため、生半可な知識ではとうてい勝ち進むことはできない。好きな子の気を惹きたいから、という不純な動機で始めた主人公だったが、部長の山本春樹に頼んで基礎を教えこんでもらったり、ヒロインの繊細な感性に触れるうちに、すっかりその世界の魅力にはまっていく――。俳句をまったく知らない人にもわかりやすい説明で、あっという間に物語の中に引き込まれてしまうはずだ。また、好きな子目当てに入ってきた莉央と部長の山本との関係も本作の大きな魅力。文系競技ならではの穏やかだが熱い試合運びに、気づいたら読み終えてしまうほど集中できる。
出典:KADOKAWA
数々の芸能人や変人を輩出してきた八島大学芸術学部に入学した尾崎流星は、一年生からゼミが必修科目だったため渋々俳句ゼミに参加。奇人変人ばかりの面々と俳句について知り、学んでいく。『ガイコツ書店員 本田さん』の作者が送る本格俳句青春コメディ。
プロの俳人・堀本裕樹氏が監修を務めているだけあって、俳句に関する基礎知識や作中の句の切れ味、その視点の鋭さは本物。もともと俳句好きの人でも違和感なく読める作品だ。一方で青春コメディとしての完成度も高く、主人公・流星の幼馴染みである航太郎やゼミ仲間の面々、学生たちに俳句を指導する教授も極めて個性的。大学の芸術学部ならではのアクの強い面々が集まれば、それはもう面白いに決まっている! 大学生活一年目にありがちな失敗談や警句もちらほら見られ、今、大学生の人、これから大学生になる人にも是非読んでほしい。
出典:小学館
かつてはバリバリのサラリーマンだった明星啓吾。しかし定年間近で閑職に追いやられ、若い社員からも疎まれる日々。このまま定年を迎えて枯れていくのかと嘆いていたところを俳人・水村翠と出会い、俳句の世界にのめり込んでいく。人生をもう一度見つけたい人に送る一作。
会社を躍進させた立役者が、時代の流れについていけずに定年まであと5年。仕事一筋で生きてきたから、周囲の仲間のような趣味を持っているわけでもない。この先の人生どうなるのか……。そう考えていたときに出会ったのが俳人の翠(スイ)。最初は主人公・明星の「仕事以外にやることがなかった中年男性」らしい行動や言動に辟易とするかもしれない。広報の仕事をしていたこともあり、感性はどちらかというと派手さ優先、目立てば勝ち。そんな男が自分の身の丈を知り、徐々に日常に見掛けたほんの少しの「感動」を17文字に著すことに喜びを見出していく様は、「人生はいくつからだって再スタートできる」という希望に満ちたメッセージを感じずにいられない。
出典:マンガペディア
種田山頭火は1882年から1940年までを生きた自由律俳句の俳人。その一生を描いたのが本作。山頭火の幼少期からを追いながらも、現代人が日常生活の中で彼が詠んだシーンに触れる瞬間が描かれているのが大きな特徴。山頭火の現代にも通じる感性を泥臭く切実に綴った一作。
「まっすぐな道でさみしい」。この言葉を見たり聞いたりした人は案外いるのではないだろうか。あるいはなにかの拍子に「そんな光景」に出会って、このフレーズを思い出した経験がも…!? 作中では現代の風景がふと差し挟まれ、山頭火の句とともに描かれる。その光景は、山頭火が見たものとは恐らく違うが、彼が感じたであろう情動が読者の胸にも去来する。俳人として名声を得た一方で、私生活での山頭火は酒に溺れ家庭を顧みない人間だった。そんな日常での苦悩が、詠まれる句の中にもにじみ出す。作者・いわしげ孝の作風と相まって、山頭火の感性に触れることができる名作。
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