空飛ぶ巨大な妖怪屋敷を舞台に繰り広げられる和風ファンタジー冒険漫画。人間の少年・鴨川満月(かもがわまんげつ)、妖怪の戦国万妖違(せんごくばんようちがい)、そして龍と人の合いの子の少女の竜宮殿雪鷹(りゅうぐうでんゆきたか)という個性豊かな3人が、数千の部屋を持つ妖怪屋敷「おでんこ屋敷」の中を旅していく。
本作の設定では、妖怪と従属関係を結んで使役できるようにすることを「式契約」と呼ぶ。ひとくちに式契約と言ってもさまざまなものがあり、主に登場するのは「奉納式神」「補完式神」の式契約だ。奉納式神は一般的に言う式神に近く、人格のない「擬似妖怪」を操るものだ。一方、「補完式神」はすでに失われた技術で、満月の相棒である違ははるか昔、これを応用して作られた妖怪だ。違は戦闘用の人造妖で、腕っ節の強さは一般の式神は勿論、劇中全体でみても最強クラス。何度も満月たちのピンチを救ってきた。作中では他にも様々な式神や、それにまつわる技術が登場し、満月たちの冒険に大きく関わってく。
坂田銀時とその仲間たちが繰り広げる、時に熱く時に笑えるSF時代劇コメディ。天人(あまんと)と呼ばれる異星人が日本に来航し、江戸の町を裏から支配している世界で、万屋を営む銀時と志村新八、神楽らが、江戸の人々と涙あり笑いありの物語を織りなしていく。4期に渡りアニメ化され、実写映画も公開された。
本作で登場する式神は、たびたび毒舌なコメントを放つお天気アナウンサーの結野(けつの)クリステルが操る「外道丸」だ。お天気お姉さんとして活躍するクリステルだが、実はエリートの陰陽師の血筋で、天気予報と占いの精度はピカイチ。その式神である外道丸は、黒髪の美少女という外見とは裏腹に巨大な金棒を振り回す強力な力を持つ。また、だまし討ちなどの外道な行為も平然と行う確固とした人格を持っており、当初は自分より力の弱い銀時たちを見下していた。だが、身一つで陰陽師一族と向き合う万屋たちを目にして評価を改め、その後は銀時を「もう一人の主」と呼んで慕い、しばしば万屋に顔を出すようになる。
腕は一流だがお金にがめつい美人霊能者、美神令子の破天荒な活躍を描いたオカルトバトルコメディ。魔法や妖怪、幽霊の存在が広く認知された世界を舞台に、高校生の横島忠夫は美神の色香に惑わされて時給250円という薄給で彼女の助手になる。美神と横島、そして幽霊の少女おキヌという美神令子除霊事務所の面々が、様々な怪現象、妖怪に挑んでいく。1993年にアニメ化。
様々な霊能力者が登場する本作には、式神使いも登場する。特に強力な力を持つのが、美神の友人である六道冥子(ろくどうめいこ)だ。彼女が使役する「十二神将」は、六道家が代々受け継ぐ十二体の式神で、普段は冥子の影の中に潜んでいる。それぞれが特殊な力を持っており、夢に入り込むことができる「ハイラ」が夢魔「ナイトメア」との戦いで主戦力として活躍するなど、随所で美神たちの助けとなっている。だが、十二神将には欠点もある。冥子が制御を誤ると一斉に暴走し、周囲を破壊してしまうのだ。そして、メンタルの弱い冥子は頻繁に泣いたり驚いたりし、度々式神を暴走させる。冥子が関わる事件では、この暴走が度々オチに使われている。
妖怪の総大将とされる「ぬらりひょん」の孫、奴良リクオとその配下の妖怪たちが活躍するファンタジーアクション作品。リクオはごく普通の少年だが、実は大妖怪ぬらりひょんの孫。彼は「人間」として平穏な生活を送っていたが、総大将の座を狙う妖怪たちが、徐々に彼の周囲に出没し始める。2010年から2期にわたりアニメ化された。
本作には、さまざまな妖怪やそれに対抗する陰陽師が登場する。ヒロインの一人である花開院(けいかいん)ゆらも、京都の陰陽師一族「花開院」の直系の娘だ。彼女はオオカミのような姿をした「貪狼(たんろう)」や、落ち武者のような姿をした「武曲(ぶきょく)」など、姿も能力も多彩な式神を状況に応じて操り、強力な妖怪相手に渡り合う。まだ若く未熟であるとされているが、花開院家に伝わる秘儀「覇軍」を発動させるなどその才能は確か。ゆらは当初は妖怪を毛嫌いしていたが、リクオの正体を知ってから和解をする。リクオとともに人々や善良な妖怪を守るため、式神を使って悪の妖怪と激戦を繰り広げる。
安倍晴明の生まれ変わりである女子高生の安倍晴明(あべはるか)が繰り広げるサイキックロマンス。強力な力を持つがゆえ、生意気で腹黒な女子高生に成長してしまった晴明は、政治家の卵である千景(ちかげ)の護衛をすることに。「千景の顔がいいから」と護衛を始めた生命とその式神の貴人(たかひと)だったが、やがて巨大な陰謀に巻き込まれていく。
本作の主人公である清明は、安倍晴明の生まれ変わり。平安時代の陰陽師を代表する存在だ。そして平安時代から清明に仕え続けているのが、式神の貴人。式神といえば主に忠実なものというイメージがあるが、貴人は機械音痴の清明に内緒で彼女のスマホを使い、勝手にブログを作るなど自由奔放だ。しかも、そのブログ内容は清明への愚痴ばかりで、日常生活において下らないことで術を使う清明を盛大にこき下ろしている。清明はブログの見方など知らないので、自分のことで何かが書かれているなど知りようもない。また、清明が千景のことを気にする様子をやきもきしながら見守るなど、確固とした自我を持った人物として行動する、ちょっと変わった式神だ。