映画は見るのも、見た感想を語りあうのも楽しいもの。映画ファンならずとも、紹介された作品に興味が湧いてしまう、名作から珍作まで映画について語る漫画を特集。これらの漫画を読めばきっと映画が見たくなるはずだ。
映画ファン以外も必見の漫画をピックアップ
出典:小学館
映画は見るのも、見た感想を語りあうのも楽しいもの。映画ファンならずとも、紹介された作品に興味が湧いてしまう、名作から珍作まで映画について語る漫画を特集。これらの漫画を読めばきっと映画が見たくなるはずだ。
出典:小学館
エロス、ギャグ、そして映画愛がてんこ盛りの、個性的な映画レビュー漫画。主人公の高校1年生・二都麻鳥(にと あさと)は、千夜学園の女子寮に住んでいる。麻鳥は、ふとしたきっかけで、抜群の美貌とセクシーさを誇る2年生・箆里詩慧(へらざと しえ)と知り合う。1人寝が嫌だという詩慧は、麻鳥をベッドに誘う。大人の階段を登れると麻鳥はときめくが、詩慧が提案したのは2人で映画の話をすること。しかも、詩慧は会話しているだけで眠気に襲われてしまうほど、映画の説明が下手だった。
本作は、「妖艶な美女が映画について語るものの、解説が下手でよくわからない」という設定の下、物語が進行する。作中で取り上げられる映画は『裏切りのサーカス』に始まり、『君の名は。』『パーフェクト・ワールド』のような世界的大ヒット映画から、知る人ぞ知る隠れた名作まで様々である。超絶美女の箆里詩慧が、主人公の少女・二都麻鳥に語る映画の説明は、「興味がそそられるような気がしないでもないような」という微妙なものだ。逆に、その映画を見たことがある読者は、「そんな話ではないだろう」と思わずツッコミを入れたくなること請け合いだ。詩慧のズレた感覚による映画レビューや蘊蓄を楽しんでいるうちに、気付くと映画について知った気になれる、一風変わった映画レビュー漫画である。
出典:KADOKAWA
映画オタクの面倒くささを愉快に描き出すドタバタコメディ。映画が好きな主人公の少年・熱川鰐人は、高校では、映画のような熱い青春を送りたいと考えている。しかし鰐人は、学園中の変人が集まっていると噂の「映画研究部(通称死ね部)」に入部することになってしまう。せっかく入部したからにはと、映画を撮ることを決めた鰐人。しかし、変人揃いの先輩たちに振り回されていく。
本作には様々な映画が登場するが、映画そのものだけでなく、果ては映画鑑賞のスタイルについてまで、幅広く「映画についての議論」が描かれる。登場人物たちの好きな映画は、黒澤明作品、カンフー映画、B級映画と、かなり偏っている。メジャーどころの映画が好きな主人公・熱川鰐人が、それぞれのジャンルの魅力を先輩たちに説明されハマっていく様が、ギャグを交えてテンポよく描かれる。映画好きならば思わずうなずいてしまうような、あるあるネタ満載の作品だ。また、作中に登場する映画の注釈が、完全に作者の主観によってのみ描かれているのもポイント。知っていれば深く頷き、知らないならば調べたり、その映画を見たくなってしまうだろう。
出典:KADOKAWA
男子高校生が映画について語るギャグ漫画。映画を愛する男子高校生たちが、主演俳優や監督、ゾンビ映画にアニメ映画と、映画をネタにした会話を繰り広げる。くだらなくてためにならない、だが映画好きはこういう会話をしているという、映画好きの日常を切り取った作品だ。
本作は、映画好きの高校生たちが繰り広げる会話劇だ。登場人物のほぼ全員が映画好きだが、あらゆる映画に精通している者の集まりというわけではない。見ていないのに雰囲気で批判したり、映画監督の代表作とされる作品だけ見て監督そのものを批判するなど、等身大の、リアリティ溢れる映画ファンの会話が描かれる。もちろん批判だけではなく、映画の内容に触発されて行動してしまうような一面もある。映画ファンをよく観察して、その心理を細かく描写している。「映画」という文化そのものへの愛を感じる作品だ。
出典:集英社
古き良き時代の少女漫画風の絵柄を得意とし、6代目『日ペンの美子ちゃん』の作者に抜擢された服部昇大が描く、邦画プレゼンテーション漫画。マニアックな邦画が好きな、主人公の女子高校生・邦キチこと邦吉映子が、「映画について語る若人の部」の部長・小谷洋一に、怒涛のごとくお薦めの邦画を売り込んでいく様を描く。
本作は、邦画について熱い映画レビューが行われるのが特徴だ。主人公・邦キチこと邦吉映子は、少々マニアックな邦画を心より愛する天然系少女である。そんな彼女が、ライトな洋画ファンである部長・小谷洋一に、『実写版 魔女の宅急便』や『電人ザボーガー』のような、あまり世に知られていない邦画について、数々のプレゼンテーションを仕掛けていく。映子のプレゼンテーションは、一切作品をけなすことなく面白い部分を褒めちぎる、邦画愛に溢れたものだ。洋一はツッコミを入れつつも、その語り口に惹かれていく。本作で扱っているのは、大半の読者は見ていないだろうと思われる邦画なので、ついその映画を見たくなってしまうこと請け合いだ。
出典:白泉社
映画鑑賞と映画の感想ブログ執筆が趣味である、30代OL・木根真知子の日々を描くコメディ。木根は会社では映画好きという趣味を隠し、華やかな美女を装っているが、プライベートではがさつな映画マニアだ。そんな彼女のもとに転がり込んできた女性・水城香澄との同居生活を、映画の話題を交えて描いていく。
本作は、1話ごとに1作品の映画が取り上げられている。その作品を見た主人公の女性・木根真知子のパッションあふれる感想や、他者の感想と比べて憤る様子を描いている。木根の映画オタクをこじらせた様はとても面白い。そして、木根が「いい年をした大人」である自分を顧みて猛省したり、世の中への愚痴をこぼす姿には、身につまされる思いをする映画ファンの読者もいるだろう。また、タイトルに「1人でキネマ」とあるが、作中では同居人となる女性・水城香澄との会話の中で、映画について語ることが多い。映画のレビューはもちろん、木根の人間関係にも注目だ。
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