ツイッター上で人気を博したサイバーパンクニンジャ活劇のコミカライズ作品。物語の舞台となるのは、世界を電子ネットワークが覆い尽くし、サイバネティックス技術が普通化した未来。主人公のフジキド・ケンジは、家族を愛する平凡なサラリーマンだ。ある日、彼は家族とともにニンジャたちの抗争に巻き込まれて妻子を失い、自らも重傷を負ってしまう。そんなフジキドに、謎のニンジャソウルが憑依。その日からフジキドは、ニンジャを殺す「ニンジャスレイヤー」になった。
本作の原作『ニンジャスレイヤー』は、海外の人が生み出したニンジャ小説である。その特徴は、日本人では決して描けないだろう奇抜な設定と、それを押し通す勢いだ。『ニンジャスレイヤー』を読んだ人は一般的な「忍者」の概念を打ち砕かれ、新たな「ニンジャ」という概念を頭に植え付けられる。それに戸惑っているうちにあれよあれよと作品の世界に引きずり込まれていくのだ。本作は、そんな『ニンジャスレイヤー』に大胆なアレンジと再解釈を施した作品だ。根本に流れるストーリーは原作と変わらないのだが、とにかく登場人物が美男美女ばかり。独特の世界観にさらに濃い味付けをした、興味深い作品だ。
現代の忍者たちの活躍を描いたシュールな忍漫画。かつて日本に存在した忍者組織は、太平洋戦争終結後にGHQによって解体された。しかし、忍者は滅びてはいなかった。実は約20万人の忍者が、現代でも暗躍していたのだ。とはいっても、生き残った全ての忍者が活躍しているわけではない。一部の精鋭たちは国家レベルの任務を与えられていたが、一方で末端の忍者は仕事にありつけず、ニート同然の暮らしをしている者もいる。主人公・雲隠九郎も、仕事のない下級忍者の一人だった。
主人公の雲隠九郎は、雲隠一族の末裔である下忍。彼は所属している組織から仕事を与えられず、ニート同然の暮らしをしていた。そんな彼に、とうとう「忍務」が与えられる。それは講談高校への潜入忍務。しかし、何故講談高校に潜入する必要があるのか、その目的はわからない。わからないまま九郎は、忍務に臨むことになる。本作の魅力は、忍者というよくわからない存在が現代に溶け込み、普通の生活をしながら、戦闘や諜報活動を行っていくという点にある。また、忍者たちが使う最新鋭の現代忍具、日常描写の合間に差し込まれるバトルシーン、何故九郎に高校への潜入忍務が与えられたのかという謎も、注目すべきポイントだ。
忍術を超えた忍術を使う「ニンジャマン」の活躍を描いたアクション・ギャグ漫画。その昔、人知を超えた技・力・精神力を誇り、大義のために命を懸けて戦い抜いた、忍者と呼ばれる男たちがいた。時は流れ現代。主人公は城塞高校に通う少年・忍火満太郎(しのびまんたろう)。彼は生まれながらにして忍者としての宿命を背負っていた。学校に認められていない忍術忍法部を作り、部員集めに奔走していた彼は、その宿命のために過酷な戦いの渦に否応なく巻き込まれていくことになる。
これからの人類に必要なのは、スポーツや武道を超えた存在、すなわち忍術忍法。そんな考えから忍術忍法部を作り、部員勧誘に励んでいた満太郎。部活を認めない生徒会長に勧誘を妨害されるが、その程度では彼の心はくじけない。満太郎は自分の信じる道をひた走っていた。そんな彼を中心に繰り広げられるこの物語の魅力は、破天荒さとスピード感だ。難しいことは考えず、前へ前へと突き抜けていく満太郎にただついて行き、次々と起こる奇想天外な展開の数々を楽しめばいい。読者をざわめかせた「カラダ手裏剣」など、ユニークな忍術忍法が登場するところも見所のひとつ。満太郎がどのような宿命を背負っているのか、その宿命によってどんな戦いに巻き込まれるのかにも注目しよう。
里一番の忍「火影(ほかげ)」を目指す少年の戦いと成長を描いた、バトルアクション漫画。主人公は、木ノ葉隠れの里に暮らす落ちこぼれ忍者・うずまきナルト。孤児である彼の体内には、かつて里を壊滅させた「九尾の妖狐」が封印されており、そのため里の者たちから煙たがられていた。そんな彼の夢は、里一番の忍である火影になって、里の者たちに自分の存在を認めさせること。夢のため、ナルトは様々な戦いを乗り越え、立派な忍へと成長していく。2002年10月にテレビアニメ化。
その身に化け物を飼い、両親の顔を知らず、多くの里の者たちから煙たがられていたナルト。しかしナルトは自らの不遇をただ嘆くのではなく、状況を変えるために様々な努力を続けてきた。そんな彼の姿勢は周囲の人々の心を動かし、やがてナルトは多くの仲間に恵まれるようになる。ナルトの成長はもちろん本作の魅力の核とも言えるものだが、注目すべき点はそれだけではない。木ノ葉隠れの里を筆頭とした各隠れ里の歴史とそれぞれの関係性や、登場人物たち1人1人が抱える問題や想い。それらの要素のおかげで、物語は深みのある壮大なものになっている。実際の歴史を見ている気分になるほど作り込まれた世界観を、ナルトや仲間たちの成長とともに堪能してみてほしい。
「忍空」と呼ばれる格闘技の使い手である主人公とその仲間たちの活躍を描いたアクション漫画。50年前、世は何度目かの戦国時代に突入した。天下が統一され、戦いの世が終わりを迎えたのは3年前のこと。時代は「EDO」となり、世の中は一応のところ平和を迎えている。主人公の風助は、病気のお婆さんの薬を買うために旅立った少年。実は彼は「戦争を終わらせた格闘技」として知られる「忍空」の使い手だった。1995年1月にテレビアニメ化された。
忍空は史上最強の武術と言われており、流派の数は12。それぞれの流派のトップは干支忍と呼ばれ、彼らを隊長とした「忍空組」が結成された。戦乱の世が終わったのは、この忍空組のおかげであると言われている。主人公の風助(ふうすけ)は、そうは見えないが元・忍空組1番隊隊長「子忍」で「風の風助」という異名を持つ実力者だ。彼は隣家の老婆のために薬を買うべく旅立ち、その道中で忍空組の残党が悪事を働いている様子を目撃。その後、「忍空狼」と名乗る忍空の残党の集まりによるこれ以上の悪事を防ぐため、自分以外の干支忍たちを集め、忍空狼と戦っていくことになる。設定を見るとシリアスなストーリーだと思いがちだが、全体的にギャグ要素がちりばめられているので作品世界にすんなり入りこめるだろう。