アンダーニンジャ

アンダーニンジャ

『アイアムアヒーロー』に次ぐ、花沢健吾の連載作品で、代表作の一つ。太平洋戦争終結後、GHQによる忍者組織解体後も約20万人の忍者が潜伏する、現代の日本が舞台。GHQに組織改編された忍者組織「忍(NIN)」に所属する下忍、雲隠九郎がある高校への潜入任務を遂行する物語。九郎が、最新鋭の光学迷彩スーツ「摩利支天」を駆使して任務に挑む中で、敵対組織「アンダーニンジャ(UN)」との戦いが表面化し、組織間抗争が激化していく。本作は、現代社会に潜む忍者たちの活躍を描いたサスペンスアクション。シュールな笑いの要素を含む他、伝統的な忍術と最新鋭のハイテク技術を組み合わせた戦闘描写が特徴となっている。NINとUNという二大忍者組織の忍者が、政府機関から民間企業にまで潜伏する世界で、階級制度や報酬体系、装備管理など、現代組織としての忍者集団の仕組みが構築されている。講談社「週刊ヤングマガジン」2018年34号より連載。テレビアニメ版が2023年10月から12月まで放送されたほか、2025年1月には実写映画が公開された。

正式名称
アンダーニンジャ
ふりがな
あんだーにんじゃ
作者
ジャンル
侍・忍者
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊16巻
関連商品
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作品の概要

基本情報

『アイアムアヒーロー』に次ぐ、花沢健吾の連載作品で、代表作の一つ。

要旨と舞台設定

太平洋戦争終結後、GHQによって忍者組織が解体されるも、約20万人の忍者が「忍(NIN)」という新たな組織に所属して潜伏する現代の日本が舞台。ニートとして暮らす、NINの最下層の下忍・雲隠九郎が、ある高校への潜入任務を受けたことから物語が展開する。

ストーリー展開

九郎は最新鋭の光学迷彩スーツ「摩利支天」を駆使して任務に挑むが、敵対組織「アンダーニンジャ(UN)」との対立が表面化。NINの最終兵器、人工衛星レーザー兵器「遁」の使用にまで発展し、組織間の争いが激化していく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、現代社会に潜む忍者たちの活躍を描いたサスペンスアクション。シュールな笑いの要素を含む他、伝統的な忍術と最新鋭のハイテク技術を組み合わせた戦闘描写が特徴となっている。

世界観の構築と設定

作品世界では、NINとUNという二大忍者組織が存在し、政府機関から民間企業にまで忍者が潜伏している。また、階級制度や報酬体系、装備管理など、現代組織としての忍者集団の仕組みが詳細に設定されている。

連載状況

講談社「週刊ヤングマガジン」2018年34号より連載。

メディアミックス情報

テレビアニメ

2023年10月から12月までTBSほかにて放送。アニメーション制作は手塚プロダクション。主人公の雲隠九郎を坂泰斗が演じる。

実写映画

2025年1月24日公開。監督・脚本は福田雄一。主人公の雲隠九郎を山﨑賢人が演じる。

世界最大の暗殺組織・忍(NIN)とは

本作の舞台は、忍者が暗躍する現代の日本。太平洋戦争終結後、連合軍を悩ませた忍者組織は、GHQによって組織改編され、忍(NIN:National Intelligence of NINJA)という新たな組織となった。そして、戦後70年が経過した頃、忍(NIN)は約20万人を抱える世界最大の暗殺組織となっていた。精鋭の忍者たちは、極秘裏に暗殺や破壊活動任務に従事。その他の忍者も日本国内のあらゆる組織に潜伏し国民を監視していたが、末端の忍者には職にあぶれる者もいた。本作の主人公、雲隠九郎もそんな末端忍者の一人だが、ある日、講談高校への潜伏任務を託される。ちなみに、忍(NIN)の組織は、「果心居士(頭領)」「七人衆」「上忍」「中忍」「下忍」に階級分けされており、「上忍」「中忍」「下忍」はさらに細かい階級に分かれている。また、忍(NIN)の上部組織は米政府やCIAなどと噂されているが、明らかにされていない。警察とは信頼関係を築いており、防衛省とは蜜月関係で、武器の共同開発を行っている。

忍(NIN)に敵対する忍者組織・UN(アンダーニンジャ)

太平洋戦争終結後、GHQによる組織改編を良しとせず、徹底抗戦するために地下に潜った忍者たちがいた。彼ら、あるいは彼らの組織をUN(アンダーニンジャ)という。彼らは強固な組織の結束で、戦後70年以上、忍(NIN)の索敵網をくぐり抜けている。UN(アンダーニンジャ)は旧陸軍中野学校の流れをくむ厚生労働省援護工作二課、ひいては日本の内閣と繋がっているという疑いがある。内閣のコントロール下にない忍(NIN)と援護工作二課の対立を煽ることで、国家を崩壊させることがUN(アンダーニンジャ)の目的。そして、旧陸軍中野学校の江古田分校の跡地にあるのが、講談高校である。九郎が講談高校への潜入を命じられたのは、そんな背景がある。

忍者同士が繰り広げる奇想天外バトル

本作の魅力の一つは、忍者同士の磨き抜かれた剣術・体術だが、それに加えて、最新鋭のハイテク機器がアクションを盛り上げる。中でも特徴的なのが、光学迷彩スーツ「摩利支天」。体を透明にすることで暗殺や潜入を容易にする。ほかにも、敵を追尾するドローン手裏剣やカードタイプの折りたたみ式拳銃など、様々な忍具が登場する。これらは、忍(NIN)の中の「忍研」と呼ばれる部署によって開発され、忍者たちに支給されるが、試作段階のものも多い。そして、忍(NIN)の最終兵器は衛星軌道上の「遁(とん)」。宇宙からの正確なレーザー攻撃で敵を倒す。また、おしっこを漏らして水たまりを作り、摩利支天で姿を消している敵の動きを制限する「水遁の術」、自分の股間をさらけ出しその場に上下関係を作って制圧する「金遁の術」といったコミカルな忍術も登場する。

登場人物・キャラクター

雲隠 九郎 (くもがくれ くろう)

忍(NIN)に所属する下忍の男性。ニンドル・ネーム(別名)はNo.9(ナンバーナイン)。かつては有力な忍者の家系だった雲隠一族の末裔(まつえい)。一族最強と言われる雲隠虹郎のすべての忍術を継承しているという。任務のために17歳を自称する青年。推定年齢は24歳。普段は仕事がなく、ボロアパートの一室でニート同然の生活を送っている。身のこなしは軽く、人目を避けて移動することに長(た)けるが、どこか詰めが甘い一面もある。母親は生まれてすぐに失踪しており、中学生の頃は不登校だったらしい。上司にあたる加藤から制服を手渡され、講談高校に潜入する。

加藤 (かとう)

忍(NIN)に所属する中忍(キャリア)の若い男性。眼鏡を掛け、宅配業者に扮装している。雲隠九郎のアパートを訪れ、「仕事だ」ということだけを伝えて、潜入先の高校の制服と、顔を隠せる服を九郎に渡す。部屋に入ってきたことを九郎に悟らせないほど、気配を消すことができる。仕事にあぶれた末端の忍者たちが失踪しないよう見張るという任務もあるらしく、九郎にそれとなく脅しを掛ける。

川戸 (かわど)

雲隠九郎と同じアパートに住んでいる若い女性。元イメクラ嬢らしいが、現在は何をやって生計を立てているのか不明。九郎が知る限り、日頃から起きている間は常に酔っ払っており、笑い上戸な性格。九郎がとある高校へ転入するため、保護者役として高校へ転入手続きの電話をする。

大野 (おおの)

雲隠九郎と同じアパートに住む中年の男性。九郎の部屋の隣室だが、部屋と部屋の間は壁のない押入れで区切られており、押入れを二人で共有しているという不思議な間取りの部屋に住んでいる。そのため、押入れを通れば自由に行き来できる状態。九郎に冷蔵庫を間貸ししているが、勝手に自分のビールを飲まれたりもしている。

外国人 (がいこくじん)

メガネを掛けた白人男性。ロシア語圏の出身らしい。日本語は話せるが、漢字の読み書きは苦手。忍者に憧れており、パーカーのフードを被り、マスクを着用、肩には柄の部分が日本刀の柄のようなデザインになった傘を背負っている。忍者に弟子入りして忍者になるために来日し、忍者と接触を持とうとしている。

書誌情報

アンダーニンジャ 16巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2019-02-06発行、978-4065145692)

第2巻

(2019-08-06発行、978-4065167335)

第3巻

(2020-02-06発行、978-4065184776)

第4巻

(2020-09-04発行、978-4065206829)

第5巻

(2021-03-05発行、978-4065225950)

第6巻

(2021-09-06発行、978-4065247549)

第7巻

(2022-03-04発行、978-4065270608)

第8巻

(2022-08-05発行、978-4065288108)

第9巻

(2023-01-06発行、978-4065303986)

第10巻

(2023-05-08発行、978-4065318942)

第11巻

(2023-09-06発行、978-4065330036)

第12巻

(2024-02-06発行、978-4065346006)

第13巻

(2024-07-05発行、978-4065362723)

第14巻

(2024-12-06発行、978-4065379004)

第15巻

(2025-04-04発行、978-4065392249)

第16巻

(2025-10-06発行、978-4065411346)

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