雪上のスピード競技！ スキー漫画オススメ５選0 Pt.

羽田礁太郎が所属しているのはラグビー部なのだが、物語が進むと、この部はスポーツに限らずさまざまなジャンルの活動を行っていく。その中にはスキーも含まれている。ちなみに礁太郎たちが挑むのは、ノルディック系種目のクロスカントリースキーだ。大勢の選手が同時に、アップダウンのあるコースを周回して競う種目。平たく言えばスキーを履いて行うマラソンのようなもの。使用する用具も一般的なスキーとは異なりスキー板の幅は狭く、ビンディングも踵が上がるタイプになっている。ちなみにこのエピソードで礁太郎たちは雪国での合宿を実施。極寒の雪原で、普段以上の騒動を巻き起こしていく。

競技スキーの世界は、選手のみならず彼らをサポートする用具メーカーにとっても熾烈な競争の場だ。同じように見えても、一般用に販売される用具とトップレベルの競技で使用されるものは大きく異なる。最先端の素材と高度な技術の結晶である競技用具には、億単位の開発費が注ぎ込まれている。本作は、そんな用具開発のシビアな側面も丁寧に描いているのが特徴のひとつだ。新興メーカー、メッツの開発現場を取り仕切る小暮京は、事故が原因で競技の道を断念した経験を持つ。京は自社で主催するスキーイベントで、猛と邂逅。猛の滑りに興味を抱いた京は、やがて猛をプロスキーの世界へと誘う。

本作が扱うスキー競技は、アルペン系の大回転。数あるスキー競技の中でも、メジャーな種目のひとつである。作中では、高校のスキー部は実績によって1部から4部までのランクに分れている。菜摘が所属する芝浦三高スキー部は、最低ランクの4部だ。対校戦で勝利すれば3部へ昇格できるが、負ければ廃部が決まるという瀬戸際の状態だった。しかも、菜摘が怪我をさせてしまった女子部員は、部長の風間と並ぶポイントゲッターだった。それだけに、代役の菜摘の責任は重大だ。スキーは初心者ながら、頑張り屋の菜摘は必死に風間の特訓についていく。初心者が主人公だけに、スキーの技術が解りやすく描かれているのも特徴のひとつだ。

本作で扱うモーグルは、フリースタイルスキーと呼ばれる競技の一種。2ヶ所のジャンピングスポットが設置された、コブだらけの急斜面で行うダイナミックな競技だ。ターンの技術、エア（空中演技）の華麗さ、そしてゴールまでのタイムにより、審判員たちが選手の滑走を採点し、最高点を得た者が勝者となる。サスケは、モーグルに関してはまったくの素人。しかし彼は、毎日50000回ものスクワットで鍛えた強靱な足腰で連続するコブの衝撃を見事に吸収し、プロレスの空中殺法で身につけた空中感覚で豪快なエアまで決める。かくして、初めての競技で観衆を大いに沸かせたサスケは、モーグルの魅力にハマっていく。

本作が扱う種目はスキージャンプ。今でこそ普通に女子部門が存在するが、本作の連載開始当時、女子スキージャンプの競技人口はごく僅かで、オリンピックどころか世界選手権にも女子部門は存在していなかった。主人公の野々宮ノノは天才的なスキージャンパーで、父の夢であった金メダルを取りたいと願っていた。男子を凌駕する才能を持つノノだが、女子であるためオリンピック出場は不可能。そこでノノは、自殺した双子の兄である悠太に扮し、男子としてオリンピックに出ようと考えた。ところが高校入学早々、ノノは同級生の興梠みかげに下着姿を見られるという大失敗を犯す。この一件は女装癖の変態と誤解され事なきを得たが、ノノの選手生活は危うい綱渡りの連続だった。