10代の妊娠をテーマにした漫画５選！人生の行く末は？0 Pt.

仲睦まじい恋人同士である福と宝。2人が体を重ねるのは、ごく自然なことだった。きちんと避妊をして行為に及んでいた2人。しかし以前、ゴムが破れてしまったことがあった。福が妊娠してしまったのは、恐らくそれが原因だろう。悩んだ末に、福は宝に妊娠の可能性があることを打ち明けた。宝は福の告白を受け止め、2人で一緒に未来を考えようと言ってくれたのだが、問題はまだ山のように残っている。産むにしても堕ろすにしても、保護者への説明は必要だ。未成年の福と宝2人だけでどうにかできるような問題ではない。本作は、未成年の読者には命に対する責任の重さを教え、大人には子どもが妊娠してしまった場合どう向き合っていくべきかを考えさせるものとなっている。

ある日、いつものように公園で遊んでいた春菜とヒロユキはそこで、ふざけてお互いの「ヒミツの部分」をくっつけた。まだ幼く、性的知識などない2人は、それがどんな危険をはらんでいるのかわかっていなかったのだ。結果、妊娠してしまった春菜は家族にその事実を告げることもできず、子どもを産むか産まないかという選択と1人で向き合うことになる。小学生の妊娠は、現実世界でも実際に起こっていて問題となっている。それを防ぐために早い段階から子どもたちに性教育を施すべきなのか、子どもに余計な性への興味を抱かせないために性的情報から徹底的に遠ざけるべきなのか。春菜の妊娠と出産を通して、子どもと性について深く考えさせられる作品だ。

ある日、紗由理の友人が手紙で自分のことを「普通の女の子」と書いていた。普通とはそんなにいいものなのか。その日から、紗由理はなんとなく普通という言葉に過敏になる。紗由理は自分が普通であるとは思っていない。父親がおらず、母親は水商売をしており、自分自身は煙草を吸い、男性と性行為をし、ディスコで遊ぶ。家庭環境のこともあり、紗由理は端から、普通という言葉を捨てていた。そんな彼女に、いよいよ普通の高校生には戻れない事件が起こる。日常的に性行為を楽しんでいた結果、妊娠してしまったのだ。自分の中に宿った命を紗由理はどうするのか。自分を普通じゃないと思っている紗由理の人生をなぞりながら、普通であるとはそもそもどういうことなのかを一緒に考えてみよう。

菜由美が妊娠したと知った瞬間、高校生の恋人は態度を豹変させて彼女のもとから去ってしまった。恋人に捨てられた菜由美は子どもを堕ろすことを決意するのだが、中絶するにもお金が必要だった。家族に相談することもできない菜由美は何とか自分の力で中絶費用を工面しようと考え、ツーショットダイヤルで援助交際をすることを決める。その待ち合わせ場所に来たのは、いじめられっ子の同級生・イカ太郎こと木俣安男だった。イカ太郎に弱みを握られ、脅されるようになる菜由美。一方、菜由美の友人たちも担任教師にレイプされたり、同性愛に悩んだりと各々問題を抱えている。最初の判断の誤りからどんどん泥沼にハマっていく少女たちの姿は、読んだ人の胸を苦しくさせるだろう。

予想外の妊娠をしてしまったパヤ。彼女は医学生である恋人に迷惑をかけないよう、彼にも両親にも妊娠していることを隠し、地元から離れた場所で一人暮らしを始める。大学進学を理由に一人暮らしを始めたパヤだが、妊娠しているため実際は大学には通えず、友人たちと楽しい時間を過ごすこともできない。両親に会って抱えているものを吐き出すこともできないパヤの孤独に、読者は胸を締め付けられるだろう。そんな中で救いとなるのは、恋人や両親以外のパヤを支えてくれる人間が現れるという点だ。何かと気にかけてくれる隣人や、優しく見守ってくれる看護師のおかげで、パヤは順調な妊婦生活を送ることができる。10代の妊娠と出産の過酷さと同時に、人の温かさを知ることができる作品だ。