あの子の子ども

あの子の子ども

どこにでもいる平凡な高校生カップルの川上福と月島宝は幼なじみで、両家の親にも交際を認められているため、穏やかな毎日を過ごしていた。しかし避妊に失敗し、福は妊娠してしまう。高校生の妊娠をテーマに、周囲の大人たちと二人の葛藤を描いたヒューマンドラマ。講談社「別冊フレンド」2021年6月号より連載。「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2022」第8位、第47回「講談社漫画賞」少女部門を受賞。2024年6月テレビドラマ化。

正式名称
あの子の子ども
ふりがな
あのこのこども
作者
ジャンル
妊娠・出産・育児
レーベル
講談社コミックス別冊フレンド(講談社)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

妊娠に気づく福

高校2年生で幼なじみの川上福月島宝は、家族にも温かく見守られ、順調に交際を続けていた。自然な流れの中で福と宝は性行為をして、二人は自分たちなりに避妊にも気をつけていた。実は直近に一度だけ避妊に失敗した時はあったものの、二人はそれほど気にしていなかった。そんな中、福は最近お菓子ばかり欲しており、以前は好きだった食べ物を受け付けなくなっていた。そしていくら寝ても、風邪を引いた時のような気だるさと体調不良に陥っていた。異常な食欲と体調不良に疑問を持った福は、自宅から遠く離れたファミリーレストランで購入した妊娠検査薬を試し、陽性反応を示す2本の線を確認する。福はこの結果にどうしていいのかわからず、宝をはじめ誰にも打ち明けられず、悶々(もんもん)とした日々を過ごしていた。そんな中、福の兄の川上幸は、彼女がスマートフォンで妊娠について調べていることを知り、福と宝を呼び出す。

家族に妊娠を告げた福

川上福は一人で初めて産婦人科を訪れ、女医から妊娠8週目であることを告げられる。エコー検査で胎芽の心音を聞いた福は、改めて中絶手術を受けたくない思いを強くする。そんな中、福の出産したい気持ちを汲(く)み、月島宝はどうすれば二人で子供を育てていけるのかを真剣に考えていた。福と宝は二人で将来のことを考えていたが、宝の母に妊娠がばれてしまう。宝の母は出産には反対の立場を取り、福の身体への負担を少しでも軽減するため、一日でも早く中絶手術をするように勧める。福の兄、川上幸は、一度は二人から妊娠していないと告げられたこともあって激怒し、福に感情的な選択をするなと釘を刺す。さまざまなリアクションがある中、福の母だけは好きにしたらいいと具体的なアドバイスもなく、妊娠の事実を軽く受け流すかのような態度を見せる。その言葉に対して福は、母親は自分の妊娠にまったく興味がないのかとショックを受ける。

出産へと動き出す福と宝

川上福は、福の母が自分の妊娠に興味がないのではなく、後悔のない選択をして欲しいと考えていることを知り、出産を決意する。一方の宝の母は、二人の将来のためにも福に中絶手術を受けて欲しい気持ちは変わらず、宝とも絶縁する。福の兄、川上幸からも冷ややかな目を向けられながらも、福は福の母と共に妊婦検診を受けるために、産婦人科へと向かう。

テレビドラマ

2024年テレビドラマ化。6月25日よりフジテレビ系の「火ドラ★イレブン」枠にて放送。主人公の川上福を桜田ひより、月島宝を細田佳央太が演じる。

登場人物・キャラクター

川上 福 (かわかみ さち)

高校2年生のごくふつうの女子。同じ年の幼なじみである月島宝と交際している。お互いの両親にも交際を認められ、順調な交際を続けていたが、避妊の失敗から妊娠してしまう。川上福自身は不安ながらも出産したい気持ちが強いものの、周囲からの理解を得られずにいる。ふだんは穏やかな性格ながら、心に決めたことはやり遂げる芯の強さを持つ。学校の中では目立たない存在で、友達も少ない。本名は「福」と書いて「さち」と読むが、宝と両親以外からは「ふく」と呼ばれている。

月島 宝 (つきしま たから)

高校2年生の男子。陸上部に所属している。同じ年の幼なじみである川上福と交際している。お互いの両親にも交際を認められ、穏やかな生活を続けていたところ、避妊の失敗から福が妊娠した事実を知る。福が出産することを望むならそれを叶(かな)えたいと奮闘するものの、月島宝自身がまだ学生で未成年であることから、何もできないことに歯がゆさを覚えている。誠実で優しい性格の持ち主。陸上部では優秀な成績を収めており、有名大学に進学する予定だった。

川上 幸 (かわかみ こう)

川上福の兄。妹の福をかわいがっており、彼女からも慕われている。福が妊娠しているのではないかと、交際相手である月島宝よりも早く気づいた。福の出産に関しては、賛成とも反対ともいえない立場を取っている。福に対しては一時的な感情で将来を選択し、後悔して欲しくないという思いが強い。

福の母 (さちのはは)

川上福の母親。福と幼なじみの月島宝との交際には賛成しており、宝のこともかわいがっている。福の出産に対しては、彼女の選択を優先して応援しようと心に決めている。口数が少なく、何を考えているのかわからないマイペースな性格ながら、家族のことは何よりも大切に思っている。

宝の母 (たからのはは)

月島宝の母親。幼なじみである川上福との交際は賛成していたものの、出産には反対の立場を取っている。福には中絶手術を受けてもらい、二人の未来のためにも宝には福と別れて欲しいと望んでいる。二人には終始厳しい態度を取るものの、福の心と身体を傷つけてしまったことに、心から申し訳なさを感じている。福の出産に否定的なのも、まだ若い二人に人生の選択肢を狭めて欲しくないという親心からである。大学3年生の時に宝の父親とは違う交際相手とのあいだに子供ができ、中絶手術を受けた過去を持つ。

矢沢 (やざわ)

高校2年生の女子。川上福と同じクラスに在籍している。福と親しく、学校だけでなく放課後も行動を共にしている。最近、福がお菓子ばかり食べて太ったことや、体調不良で学校を休みがちで付き合いが悪くなったことで、何かトラブルに巻き込まれているのではないかと心配している。福からは妊娠の事実を告げられていない。

書誌情報

あの子の子ども 10巻 講談社〈講談社コミックス別冊フレンド〉

第1巻

(2021-09-13発行、 978-4065247884)

第2巻

(2022-01-13発行、 978-4065264355)

第3巻

(2022-05-13発行、 978-4065276969)

第4巻

(2022-09-13発行、 978-4065291757)

第5巻

(2023-01-13発行、 978-4065303788)

第6巻

(2023-05-12発行、 978-4065317273)

第7巻

(2023-09-13発行、 978-4065329979)

第8巻

(2024-03-13発行、 978-4065346334)

第9巻

(2024-08-09発行、 978-4065358788)

第10巻

(2024-11-13発行、 978-4065367117)

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