オタサーの姫はちやほやされたいのです！オススメ漫画５選43 Pt.

オタクであることを隠すのが当たり前だった時代もあるが、現代ではひとつの趣味として受け入れられるようになった。とはいえ、エンタメ研のようにリア充集団が主流になったかと言えば、首を傾げざるを得ない。オタクにも人種の違いがあるのだ。エンタメ研の姫、蛭子巫女はリア充を絵に描いたような女性であるし、正しく「姫」というべき人物だ。少しむっちりとした体型にぽってりとした唇。神コスプレイヤーとしてグラビアを飾ることもあるくらいだから、ビジュアルは満点。時折語尾に「にゃ」とつけたりするところもあざと可愛く、誰にでも気さくに話しかける。サークル所属者は男女問わず巫女に好意を寄せ、それ故に彼女はサークルのカースト上位に君臨している。サークルに関わることなら、人間関係に至るまで巫女の思い通りにならないことはない。恋人の仲をかき回す姿には閉口するが、あまりの奔放さに逆に毒気を抜かれてしまう。これも姫の魅力のなせるわざなのかもしれない。

オタサーの姫は、オタクサークルの中では逆ハーレム状態。修羅場も発生しそうなものだが、死体で発見されてしまうのが姫城しいなだ。黒髪ロングを一部ツインテールにし、フリルの多い服にミニスカート、ニーハイソックスに立ち姿は少々内股と、オタサーの姫としては鉄板のビジュアルをしている。しいなの魅力は外見だけではない。誰に対しても相手の好きな話題をチョイスし、一緒に盛り上がる。好きなジャンルが幅広いというよりも、相手に合わせた会話ができるのだ。さらに気さくで明るくて優しい。二次元の可愛いキャラクター一筋だった男子たちをあっさり陥落させたのも、納得の魅力である。しいなは同好会において文字通り姫だが、あまりわがままではないし、ちやほやされることを喜んでいる風には感じられない。本当のしいなはいったいどんな人物だったのか。謎が深まる。

茉愛は姫であるが、限りなく自称に近い姫だ。高校時代はアイドルオタ、声優オタ、彼氏面という3人の取り巻きがいたため、オタサーの姫的な体裁を保っていたが、専門学校に入学後はそうもいかない。同級生の伊藤からは出会ってすぐに「サークラ（サークルクラッシャーの略。サークルの秩序を破壊する人間のこと）」と決めつけられ、目の敵にされてしまう。高校時代のように、周りがちやほやしてくれるという状況にはならない。総じてオタサーの姫はサークラになりやすい。しかし、茉愛が本当にサークラ的存在になりそうかといえば、疑問だ。茉愛はコミュニケーション能力が高いが、計算高くはない。有名になりたい欲求が強すぎるうえに、実現が難しい願望も全て口に出していくという、超ポジティブな性格。陽性すぎてグループの和が壊れるほど深刻な状況にならなさそうである。見ているとちょっと元気が出る、アイドルのようなお姫様だ。

美也子は洒落っ気のない地味な女性だ。常にすっぴん、大きな丸眼鏡に伸ばしっぱなしの髪は括っただけ。垢抜けない彼女が何故姫になっているかといえば、紅一点という状況からというのが大きい。男子だらけの中にいれば、1人だけいる女子は大事にされるものである。そんな彼女に危機が訪れるのだが、ライバルとなるつづらは美也子とは対照的なタイプの「オタサーの姫」。フリルのついた女の子らしい服装に、語尾はキャラクターのように「にゃー」とつけたりする。どちらかといえば、つづらのほうが一般的なオタサーの姫要素が強いだろう。男子たちも心揺れるのだが、美也子もただ指をくわえているわけではないというところが意外だろう。それは特撮同好会が美也子にとって最後の砦だったからに他ならない。女子同士の戦いになるのだが、あまりの痛々しさに目をそらしたくなるところもある。オシャレと化粧が苦手な女子には厳しい世界が描かれるが、これが現実なのだ。

意識高い系。自身のスキルを向上させたり、美を保つために様々な美容法を試したりと、総じて自分磨きを極めている人を指す。要は向上心があって努力ができる人のことなのだが、「意識低い系民」からすれば、その意識を疎ましく思う気持ちもなくはないものだろう。基子は意識低い系のアラサーだ。大学生の頃は漫研サークルに所属し、オタサーの姫として君臨していた。可愛くしながらもサークル仲間をこき使う姿はまさしく姫だったのだが、現在は見る影もない。休日もゴロゴロしながら漫画を読んだりゲームをしたり、内心焦りながらもおひとり様生活を満喫している。基子は姫だった頃を懐かしく思う反面、あまり触れられたくない黒歴史だと感じている節がある。大人になってみると、当時の自分の行動を冷静に見られるようになるだけに、居た堪れなくなるのだろう。現在は自由にぐうたらできる自分の城の主。好きな物を食べて、好きなことをして過ごす。そんなアラサー姫生活だって、けして悪いものではないはずだ。