共に武術の達人である嫁姑の闘争と共闘を描いた物語。夫、嫁、娘、姑が暮らす羽馬家。嫁の風音はマーシャルアーツを始めとした様々な武術の達人。そんな嫁が気に食わない姑の梨々依は合気道の達人であった。そんなふたりは朝から卵の焼き方でバトル勃発。しかしそんなふたりは正義感が強く、ご近所トラブルに対して共闘していく。
本作の主人公は嫁の風音と姑である梨々依の2人。彼女たちは、普通の仲が悪い嫁姑とは一味違う。武術の達人である2人の喧嘩は、口喧嘩だけでは終わらない。言葉で解りあえない時は、家具をなぎ倒しながら激しく拳を交えるのだ。風音は数々の武術を習得していることから、スポーツジムのインストラクターとして働いている。一方、風音がいろんな格闘技に手を出しているのが気に入らない梨々依は、合気道一筋で道場の師範を務めている。趣味も技術もかみ合わない2人だが、風音の娘である爽のことは揃って溺愛しており、彼女を巡って対決することもしばしば。嫁姑間の文字通りの「闘争」を、面白おかしく描いた作品だ。
『×―ペケ―』で知られる新井理恵のオムニバス&シュールギャグ漫画。アンニュイな熟女猫であるさゆりと、彼女を愛でるイケメン高校生の交流。天然嫁VS厳格姑のなかなかかみ合わない舌戦。鳩のポ太郎を溺愛する彼氏に手を焼く少女、紗々美。イケメンすぎる河童など、個性豊かなキャラたちが多数登場。彼らのちょっと変わった日常が描かれている。
本作はギャグ漫画らしい一風変わったキャラが多数登場する。表紙を飾っている猫の「さゆり」も、人の世界を愚かと見下しながらもイケメン高校生に心揺れるという尖ったキャラクター。そんなキャラばかりの中で、「嫁と姑シリーズ」に登場する姑はかなり常識的といえる人物だ。彼女は天然でボケを繰り返す嫁にいつもツッコミを入れている。例えば「節分」をテーマとした話では嫁が豆を買ってくるのだが、年の数だけ食べるという姑に五袋もの豆を差し出す。毎度のこととはいえ、そんな嫁にツッコミをするのも面倒になってきた姑は、年齢分食べるにも一袋あれば十分だと、他の豆を料理に使うことを提案。だがそこで、再び嫁の天然が炸裂する。
猫柳家の嫁姑をメインに描かれるほのぼのファミリーギャグ漫画。猫柳家は夫の玉男、嫁のみい子、母の寅子の三人暮らし。嫁のみい子は専業主婦であるが、家事はあまり得意ではないぐうたらな嫁。そんなぐうたらに小言が絶えない姑の寅子だが、2人には共通の楽しみがあった。寅子もみい子も、他の人が驚くほどの大食いだったのだ。
本作の嫁のみい子は可愛らしい外見をしているが、中身はとてもぐうたら。難しい料理は失敗してしまい裁縫も途中で投げ出してしまう。そんな嫁に手をやいている姑の寅子は、どっしりとした体格でとてもパワフル。そして人一倍大食いで、常に大量のカロリーを摂取している。そんな寅子は基本的にみい子に厳しいが、彼女のぐうたらぶりに時根負けして家事を片付けてくれることもあるなど決して仲が悪いわけではない。またみい子も負けず劣らず大食いで、近所の洋食屋にはチャレンジメニューの完食者の写真とで2人が仲良く並んでいる。心温まる家族の触れ合いを、コメディタッチに描く作品だ。
趣味人の夫ときっちり者の妻との闘争を描いたエッセイ漫画。原作者の呉エイジがウェブ連載していた自虐エッセイのコミカライズ作品。結婚当初は妻のために生きると誓った夫だがそれから8年の歳月が流れ、妻に内緒で買ったパソコンが届いたことで家庭内闘争が始まる。ただでさえ趣味にお金をかける上、高価な最新Macを相談なしに購入した呉に向ける妻の目は厳しいものだった。
ファミコンゲームに始まり、パソコン関連などコンピューター関連に目がない夫の呉エイジ。そんな夫の衝動買いに家計と部屋が圧迫されて鬼嫁になる妻の優。本作の冒頭で呉家に届いた最新Macの価格は二十万円超するもので、夫の言い分は仕事で使うほか、家族のアルバム作りにも活用するというもの。しかし無断で高額の買い物をした夫に当然妻は激怒し、代金を支払う代わりに「優しい妻終了」を宣告する。その後も夫は趣味のPCパーツ集めなどに勤しむが、その度に妻の厳しい目が光る。大掃除の際にも、夫は今は動かない廃品パーツを「思い出の品」として捨てようとしない。だが妻はそんな夫には構わず、ばっさりと捨て去っていく。夫婦の攻防が、面白おかしく描かれる作品だ。
寝たきりになった姑の命を狙う嫁と、その嫁を悉く返り討ちにする姑を描くブラックユーモア作品。姑が寝たきりになって5年、介護に疲れた嫁ののりこはあの手この手で姑を殺そうと企む。しかし寝たきりのはずの姑は包丁の攻撃や飲み物に仕込まれた毒を的確に回避し、嫁を軽々と投げ飛ばす。攻防の後、2人はそして何事もなかったように姑を気遣う健気な嫁と、嫁に感謝する姑の姿に戻るのだった。
本作に登場する嫁、のりこは一見すると淑やかで、寝たきりの姑にもかいがいしく世話をする良妻。だが、彼女は介護疲れから姑を亡き者にしようと企んでいた。おかゆを出すふりをして包丁を突き立て、「酢」は体に良いからと硫酸入りのお茶を飲ませようとし、泥棒と勘違いしたと言い張り闇討ちするなどのりこの攻撃はかなり乱暴で直接的。だが姑も寝たきりのはずなのに、その攻撃をかわすだけでなく軽々とのりこを投げ飛ばしたり、畳返しで防いだりするのだ。一通りの攻防が落ち着くと、姑はのりこに感謝の言葉を、のりこは姑を労わるような発言を空々しく交わし、ラストはのりこの「疲れたア……」で締めくくられる。短い中に、ブラックユーモアとシュールな笑いが満ちた作品だ。