極楽町一丁目 嫁姑地獄篇

極楽町一丁目 嫁姑地獄篇

寝たきりになった義母の介護に疲れ果てた嫁は、隙を見つけては義母の息の根を止めようとあらゆる手段を使う。しかし命の危機にさらされると超人的な身体能力を発揮する義母は、毎回すんでのところで危機から脱するのであった。嫁と姑の闘いを、耽美的な描線とシュールなタッチで描くブラックユーモア作品。「小説新潮」1990年1月号から1999年4月号まで連載された。

正式名称
極楽町一丁目 嫁姑地獄篇
ふりがな
ごくらくちょういっちょうめ よめしゅうとめじごくへん
作者
ジャンル
ブラックコメディ
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概要・あらすじ

5年前から寝たきりになってしまった義母。昼間、そんなと2人きりで過ごし介護を続けなければならない嫁ののりこは、そんな生活にピリオドを打つべく、介護の合い間にさまざまな攻撃を繰り返す。「お水がのみたい」と言われれば、両足を掴み川に頭を突っ込む。義母にとまった蚊をつぶすという名目で巨大なハンマーを振り下ろす。

しかし義母もただではやられていない。時には反撃し、時には逃亡し、のりこの魔の手に対抗していく。果てることなく続く地獄の日々。そんなある日、ついにのりこは「神さまゆるして下さい」とつぶやきながら、包丁片手に義母の寝室に向かうのであった。

登場人物・キャラクター

のりこ

姑の介護をしながら暮らしている嫁。黒髪のおかっぱ頭で、黒のワンピースを着ている。憂いを帯びた表情で常にうなだれており、口癖は「私……ホントに疲れたア……」。義母を殺して楽になりたいと思い、隙あらば彼女に攻撃を仕掛けているが、行為の過激さに反して口調は常に穏やか。また、硫酸を飲ませようとした際に、義母にそのことを咎められると「クエン酸など、酸はとてもお体に良いと聞きましたので」と、あくまで義母のことを想っての行動であることを強調する。 散歩に行きたいと願う義母のために南極にまで連れだしたりするなど、驚くほどの行動力を見せることがある。

(しゅうとめ)

のりこの介護を受けている白髪の老女。病気で5年前から寝たきりになってしまい、起きている間はたいてい咳き込んでいる。だが、のりこに命を狙われると、天井まで届くほどにジャンプしたり巨大な氷を正拳突きで粉砕したりするなど、驚異的な力を発揮する。のりことは対立しているが、表向きは「いつもすまないわね」と感謝の意を述べている。

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