小説原作をコミカライズした作品67 Pt.

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「田中芳樹」の小説を原作とした、「封神演義」「屍鬼」などで有名な「藤崎竜」による漫画作品。貴族社会の「銀河帝国」と民主共和主義の「自由惑星同盟」による壮大なSF戦記物語。主人公は天才戦略家で「常勝の英雄」の名を持つ帝国軍「ラインハルト・フォン・ローエングラム」と、「不敗の魔術師」の名を持つ同盟軍「ヤン・ウェンリー」。物語はその両者の戦いを、互いの視点から描いたドラマで構成されている。金髪の美男子「ラインハルト」を「藤崎竜」の見事な画力で描いている点が高く評価できる。またコミカライズに際して、小説版より深い人間関係や背景を追加要素として盛り込んでいる点も評価できる。「田中芳樹」による重厚で壮大なスペースオペラを、どこまで「藤崎竜」による美しく迫力満載で躍動感に満ちた絵柄で表現されるのかが楽しみで、先の展開が待ちきれない。

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「神永学」の小説が原作で、「小田すずか」が漫画化している。他にもTVドラマ、舞台、アニメ化なども行われている人気作。死者の魂を見ることが出来る左眼を持つ大学生「斉藤八雲」が、怪事件を解決していくミステリー作品。多くの謎と様々な人物との関係性が複雑であるが、コミカライズによって分かりやすくなっている。また、無愛想な主人公がヒロイン「小沢晴香」との仲を深めて行く中で、段々と表情が豊かになるのところも、漫画であればさらに共感が得られやすい。猟奇的殺人など殺伐としたシーンも多いが、少女漫画にも思える「小田すずか」の綺麗な画風が上手に演出され、残虐さよりストーリー展開に読者を引き込もうとする配慮に好感が持てる。肩肘張らずに綺麗な絵でミステリーを楽しめる作品になっている。

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「今野緒雪」の原作で、「長沢智」が漫画化している。通称「マリみて」と呼ばれ、アニメ化もされた。女子校「私立リリアン女学園高等部」に通うことになった主人公「福沢祐巳」が、憧れの先輩「小笠原祥子」と知り合い、学園独自の慣習「姉妹制度（スール制度）」で関係を築いていく。その様子を知る他の生徒たちの嫉妬、軋轢、抵抗、葛藤などが入り乱れ、女性だけの閉鎖社会で描かれる独特の世界観に魅了される学園ドラマ。しかし、おどろおどろしい人間ドラマではなく、学生ゆえの若々しさと美しさを前面に押し出し、貴族社会を思わせる高貴で浮世離れした学園風景が羨望の的になっている。漫画化にあたっては、もう少し親しみやすさや学生らしさを強調し、読者層を広げる事に貢献している。

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小説家、演出家、劇作家でもある「つかこうへい」原作で、他にも多くの小説作品を漫画化している「小林薫」が漫画を手掛けている。映画化、演劇化も何度も行われている名作。新選組の「沖田総司」が女性だったと言う奇抜な設定で幕末を描くラブコメ作品。コメディでありながら幕末の志士を凛々しく描くギャップが面白い。美男子ならぬ美少女の沖田総司が、少女漫画風の絵柄で活躍する姿は新鮮に感じる。設定ありきなので結末は色々と異なる点もあるが、それもまたバラエティ豊かで楽しみも増している。

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原作「おおじこうじ」で「手代木史織」が漫画化、アニメでは『Free!』のタイトルで製作されている。主人公「七瀬遙」を中心に高校男子水泳部の爽やかな青春の1ページを描く物語。競技そのものよりメンバーの水泳に対する思いであったり、友情を深め合ったりする人間ドラマに主眼が置かれている。水泳ゆえにプール、水の描写が難しくなるのは必然であるが、「手代木史織」の画力にかかれば問題ない。若い男性の引き締まった肉体美にも過剰な表現はなく、清々しい青春ドラマとして成立させるべく、見事に描き上げている。夏場に読みたくなる作品である。