超イケメンなのに残念感がぬぐえません！オススメ漫画５選73 Pt.

モテる人は異性のあしらいも恋愛も上手というイメージがある。容姿が整っているということは、それだけ好意を向けられやすいということだ。圭一郎は切れ長な目のイケメンである。笑顔がツチノコレベルと称されるくらいなので愛想はないのだが、クールなところも持ち味だと言えるだろう。実際のところ、クールというよりは不愛想なだけなのだが。黙っていても異性が寄ってくるという状態の圭一郎は、女性に対して好意よりも面倒くささが勝っている。これだけの情報だと、顔立ちの良さで人生を謳歌できるのではと思ってしまいがちだが、モテすぎたからこそ恋愛の仕方がわからないと聞けば、同情したくなるだろう。モテる人が持っていそうなコミュニケーション能力に恵まれなかったのが、圭一郎の不幸であり、残念なところである。だからこそ、自分の恋愛に向き合う姿はキュンとするだろう。アラサーなのに恋愛に関しては高校生くらいにピュアだ。

中二病とは一般的に、中学2年生くらいの思春期に見られる、背伸びした言動であるとされているが、本作に登場するのは拗らせた大人のオタクが発症する、特有の病である。中二病には、サブカル系、超常的なもの、不思議な現象に憧れを抱く邪気眼系があるが、裕雅はこの邪気眼タイプだ。右目に眼帯をつけたり、怪我をしていないのに包帯を巻いてみたり。読者諸君の中には、黒歴史として闇に葬りさっていた記憶がよみがえる人がいるのではないだろうか。だが中二病という名前が示すとおり、成長するにしたがって症状は自然と薄れていくものだが、裕雅は32歳にして日々中二病街道を歩んでいる。それは、周囲の目を気にしていないというメンタルの強さが関係している。また、裕雅がイケメンであるというのも大きいだろう。イケメンが中二病的動作をするとやたら似合うのだ。残念なはずなのに、なんだかずるいぞと感じてしまう。

十人十色というくらいなので、人の性格は様々だ。残念と一口に言っても、タイプは違うものである。そう、残念イケメンにも様々なタイプが存在したのだ。本作では、4人の残念イケメンが登場する。それぞれタイプの違うイケメンだが、残念な部分もかなり個性的だ。中でも珍しい残念タイプが歩だろう。お金持ちキャラの定番としてじいやが常に付き従っており、本人が口を開くことはほぼない。じいやが全部先回りしてこなしてしまうため、必要がないのだ。クラスメイトとコミュニケーションを図るのもじいやの役目である。しっかり馴染んでいるあたりとても有能だ。実はじいやが一番まともなイケメンなのでは、と錯覚してしまうが、実際のところじいやは極度の「坊っちゃま命」なので残念枠である。

ぽっちゃり女子の魅力とは、ふかふかで柔らかく温かそうにみえるところである。女子は細くあるべしという世間の風潮もあり、ぽっちゃり女子は恋愛対象外とする男子も少なからず存在する。なんと了見の狭いことか。田上も性癖が偏っていると言えなくもないが、彼にとってはぽっちゃり女子が至高なのであってスレンダーな女子を否定しているわけではない。多様性は認められるべきなのである。とはいえ、田上のぽっちゃり好きっぷりはいささか度を越している。紬を見ればすぐに二の腕を揉み、抱きついて柔らかさを堪能しようとする。スキンシップが激しすぎるのだ。愛情表現が振り切れている田上だが、紬のためでもあるのだろう。穏やかな性格の紬だが、一時期は笑顔を失うほど体形にコンプレックスを抱いていた。言葉で、態度で紬が一番だと伝えているのだから、すべてが残念だとは言い切れない。田上は自分に正直な男。周りには残念だと言われてしまうが、確実に女の子１人を幸せにしている。

爽やかかつ陽キャの権化ともいうべき体操のお兄さんも、やはり闇を抱えた人間だったのだ。そんな実感も湧くが、それにしてもうらみちお兄さんは闇の声がダダ漏れでとても残念だ。収録中、うっかり出てきてしまう一面は、笑顔が爽やかなだけに迫力があり、こわい。イケメンの爽やかな張り付いた笑顔と真顔には妙な迫力がある。お子さん方のトラウマにならないか心配だ。彼らには、大人にも色々あるのだなぁという実感が刻まれることだろう。成長の一助になるという意味では、お兄さんが暗黒面をダダ漏れにするのは悪いことではないのかもしれない。いや、あまり良くはないが。何かと子どもたちや着ぐるみ担当の後輩たちに恐れられているうらみちお兄さんだが、実は面倒見がとても良い。周囲からはドン引きされているが、発言自体に共感する部分は多い。うらみちお兄さんの闇は社会全体が抱える闇なのかもしれない。