ホテルが舞台の漫画５選！宿泊客やスタッフが生み出すドラマに注目0 Pt.

まもなくオープン予定のホテル「Wolfs Mouth」はオーナー代理を務める小都子にとって特別な場所だった。「Wolfs Mouth」は人手に渡ってしまった彼女の先祖代々のホテルで、小都子はいつか自分の手にホテルを取り返そうと夢見て働いていた。そこにコンシェルジュとして人気俳優の高瀬大雅（たかせたいが）が採用されことになる。高瀬は小都子の昔の恋人で、かつて彼女の心を深く傷つけた相手だった。業界の大物を大激怒させて追放されて失業したという高瀬は、役柄のモデルになる人がいればその人そっくりに演じられると評判の役者だ。伝説のコンシェルジュ「春日仁」を演じる事になった高瀬は、その仕事が上手くいけば業界に復帰できるのだという。ふたりはお互いの野望実現のために協力することになり、そこからお互いの心の距離も少しずつ変わっていく。

ホテルサンライズサンのルームメイドとして働き始める事になった多恵は、同僚のおばさんたちにうんざりしながらルームメイドとしての初日を迎える。チェックアウト後の室内の忘れ物確認から始まり、ベッドカバーやシーツ交換、ヘッドボード磨き上げ、水回りの手あか水垢の確認やアメニティのセッティングなど、作業は多く、かけられる時間は少ない。シングルなら17分、ツインなら25分で仕上げるようにならなければならず、入社半年は時給制だが、半年後からは能力給で一部屋こなすごとに金額が変わってくる。備品の補充やグラスの磨き方などやることは多い。ホテルを訪れるお客も、幸せな結婚式を挙げるカップルから自殺未遂を行う女性まで、それぞれに事情を抱えている。ホテルの裏側を垣間見られるお仕事漫画だ。

恋に破れて自殺をしようとしていた志村翔子（しむらしょうこ）は、自分の遺書を持ち去った猫を追いかけて名も知らぬホテルへと迷い込む。案内されたフロントでは、彼女の名前で覚えのない宿泊予約が入れられており、翔子は有無を言わさず部屋へと案内されてしまう。翌朝、謎だらけの状況を不審に思いつつロビーに向かった翔子は、そこで自分を振った元恋人の朝倉とその婚約者に遭遇し、諦めきれない想いを自覚する。その後、ホテル内の庭師から毒薬を手に入れ、エステで別人のような外見になった翔子は、偶然にも彼と二人きりで部屋に閉じ込められてしまうのだった。作中では翔子のように、多彩な事情を持つ宿泊客が登場し、それぞれに不思議な経験をしていくことになる。

日本から遠く離れたプレフスキュ島の「ホテルヴォイニッチ」に長期滞在で訪れた日本人クズキ・タイゾウ。少し変わった印象を抱かせるホテルヴォイニッチは、メイドであるエレナとベレナに、コックのエミリア、そしてチャック・ノリスの前歯を折ったという逸話を持つ支配人のカンドレイ＝ウメダの4人で運営されている。人当たりもよく温厚なタイゾウは、足を洗ってはいるが大金を持ち逃げしてきた元ヤクザだった。島には「三人の母」と呼ばれる魔女の伝説が残されており、従業員の少女エレナの正体は魔女「三人の母」のひとり「ラクリマルム」だった。タイゾウは恋仲になったエレナによって追手から守護されながら、ホテルヴォイニッチでの不思議な日常を過ごしていく。

生前、その手腕によって地上から三流ホテルを消し去り、死後もまた冥界で「最上のコンシェルジュ」の名をほしいままにした伝説のホテルマン田中。伝説として語られながら消息を絶った彼が、廃業寸前の老舗ホテル「ホテルヘルヘイム」を訪れるところから物語は始まる。かつては華やかで賑わっていたヘルヘイムだが、今は当時の面影もなく廃れてしまっていた。荒れ切ったホテルで従業員として働くメイに、田中は数百年前に姿を消したという支配人から、ある依頼を受けてきたと語る。その依頼とは「ホテルを起こす」こと。田中の手でヘルヘイムは、巨大な足を持つ移動可能な巨大ホテルという真の姿を現す。ホテルのコンシェルジュに就任した田中はクセモノぞろいのスタッフを従え、再びヘルヘイムを一流ホテルへと導いていく。