運命それとも家庭の事情？「許嫁」漫画特集５選17 Pt.

許嫁である凪とエリカは、病院のミスによって取り違えられてしまった「取り違え子」同士。本来ならば資産家である天野家の息子として生まれたはずの凪は、元不良で騒がしい両親に育てられながらも頭が良く、名門の目黒川学園高校に通っている。一方、海野家の血を受け継いでいるエリカは、お嬢様学校に通いながらも自由奔放な性格に育っていた。凪は同じ高校に通う学年トップの才女・瀬川ひろに憧れを抱いていたが、エリカとの同居生活が始まり、更にはエリカが凪のクラスへ転入してきたことで心境に変化が芽生えるようになる。加えて、凪の妹でブラコン気味の海野幸が凪とエリカの同居先に転がり込むなど、目まぐるしく変化していく恋愛模様を是非楽しんでほしい。

朝陽と蛍は親同士が決めた許嫁という関係上、近い内に結婚することが決まっている。親に心配をかけまいと、会食の時は愛想よくしているものの、二人は互いの本心を聞き出せずにいた。蛍は朝陽と本当の恋人同士になりたいと願っているものの、ネガティブ志向でなかなか本心を伝えられずにいる。しかし、誕生日プレゼントを徹夜で選んだことを話してしまうなど、朝陽への想いは隠しきれていない。想いがすれ違ってばかりの二人だったが、ある時、デートの際に蛍が実は毎回1時間も前から待ち合わせ場所に来ていたことが判明。熱を出した蛍を見舞った際に、初めて名前を呼ばれたことをきっかけに、朝陽は蛍の愛情に少しずつ気付き始め、蛍に対する想いも自覚するようになっていく。

アルディーナとイジーは、政略結婚のような形で親同士が決めた結婚相手だ。イジーは遊び人だと噂されていたが、実際は身分を隠して管理地へ視察に行っていただけだった。アルディーナは本当の彼の姿を知り、次第に恋心を抱くようになる。しかし、イジーが婚約を破棄するつもりでいることを知り、ショックを受けてしまう。イジーはローシェン王国に戻ったアルディーナの後を追いかけ、彼女の本心を知って婚約を承諾。最初は当人同士の気持ちを無視して勝手に決められた婚約だったが、最終的には当人同士が惹かれ合う形で結婚を決めた。婚約後も二人の前には様々な問題が浮上するが、二人が両国の明るい未来に向かって愛情を育みながら共に歩もうとする姿に心が温かくなる。

航と同じ学園へ転入し、同じマンションに引っ越してきた珠代、莉歌、紗苗の三名は「許嫁協定」を結んでいる。左手小指に赤い指輪をはめること、純潔を守ること、航を射止める期限は瑛菘学園在学中まで、の三つの条件を守らねばならず、発案者は帰国子女である珠代だ。幼い頃に航は珠代、莉歌、紗苗と結婚することを約束していたが、彼女たちの存在すら忘れてしまっていた。今の航にとって一番身近な存在は、航が住むマンションのオーナーの娘の紅林智（くればやしとも）だったが、航は誰とも結婚する気はなかった。しかし、航に大胆な色仕掛けで迫ってくる珠代たちに危機感を持った智や、新たに現れたこゆき・ブランシュールも許嫁協定メンバーに加わることになり、航をめぐる許嫁争いは激しくなっていく。

昔から続いてきた忍者の天霧一族は、胸に一族の家紋のアザを持つ女性を許嫁と定め、その女性としか結婚できない掟がある。桜はひょんなことから小太郎に許嫁だと勘違いされ、同居生活がスタート。しかし、桜にはアザがなく、実際にアザがあるのは姉の椿だった。桜を許嫁だと勘違いしている小太郎は同居してすぐに桜と子作りを始めようとするが、桜は逃げるばかり。やがて桜にアザがないことに小太郎も気付くが、一つ屋根の下で暮らす内に桜に対して愛情を持ち始めており、一族の掟と桜への想いの狭間で苦悩することになる。また、以前から小太郎と競い合うライバル関係だった忍者の乾（いぬい）ハヤテが椿と関わっていることが分かり、更に事態は複雑化していく。