カッコウの許嫁

カッコウの許嫁

元ヤンキーの両親と妹、貧しいながらも賑(にぎ)やかな家庭に育った男子高校生の海野凪は、16歳になったある日、自分が産院で取り違えられた子供であることを知る。しかも相手は、ホテル王の娘という超お嬢様の天野エリカだった。二人が結婚すればどちらも本当の子になるという互いの両親の無茶な提案のもと、凪はエリカと同棲生活を余儀なくされることになる。運命のいたずらに翻弄される二人の日常と、凪の本当の思い人、そして妹も加わった四角関係を描くラブコメディ。「週刊少年マガジン」2020年第9号から掲載の作品。「次にくるマンガ大賞2020」コミックス部門14位を獲得している。2022年4月にテレビアニメ化。

正式名称
カッコウの許嫁
ふりがな
かっこうのいいなずけ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
同棲
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊25巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

取り違え子

目黒川学園高校に通う海野凪は賑やかな家庭で育つが、学校では陰キャとして認識されていた。友達がいないのも、勉強ばかりしているのも自分の主義であると主張するわりに、凪の成績はいつも学年2位というあと一歩及ばない結果に留まっていた。そんな凪は、16歳にして人生の大きな局面に立たされていた。それは自分が生まれた時、産院で取り違え事故が起きていたという事実が発覚したのだ。それから1か月、お互いの両親の計らいにより、凪は本当の家族と顔合わせの機会を得ることになる。妹の海野幸が、凪がこの家からいなくなってしまうのではないかと心配し、涙を流す様子を見て、凪は自分はどこにもいかないと幸に約束する。そして凪は、本当の両親に会って、そちらの家の子供になるつもりはないとはっきり言うつもりで、会食の場に向かう。その途中で、凪は歩道橋から飛び降りようとしている女の子・天野エリカに遭遇。凪はエリカを止めようととっさに飛びつくが、エリカはSNSを炎上させるため、自殺に見せかける動画を撮影しようとしていただけであった。詳しく事情を聞くと、エリカは両親から許嫁(いいなずけ)の存在を明かされ、16歳という若さで結婚をせまられているという。話の流れから、凪は自分の取り違え子問題について触れ、二人はお互いに問題を抱えていることを知る。するとエリカは、凪に自分の彼氏役をお願いすることで、両親を説得しようと思い立つ。だが、嫌がる凪を無理矢理丸め込み、カップルらしい写真を撮影して両親に送ろうと試行錯誤するも、なかなかうまくいかない。そんな中、自宅から迎えの車が来たことであきらめざるを得なくなってしまったエリカは、根気強く自分に付き合ってくれた凪に、結婚相手が凪だったらよかったのにという言葉を残し、その場を去っていく。その後、急いで凪が会食の場所に向かうと、そこにはこれまで育ててくれた両親の海野洋平海野奈美恵と、自分とよく似た顔立ちの天野父と母親が待っていた。そして二組の夫婦は、互いに実の子も育ての子も大切だという思いを凪に打ち明け、二人が結婚すればどちらも本当の子供になるという突拍子もない提案をする。そして、天野家側の取り違え子として、さっきまでいっしょにいたエリカが凪の前に姿を現す。

同棲生活

海野凪には片思いの相手がいた。それは学年1位の成績を収める才女、瀬川ひろ。自分より頭のいい人がタイプと公言するひろの恋愛対象になるべく、凪は新学期にひろを呼び止め、自分が学年1位になると宣戦布告。そして1位を獲得した暁には、ひろに告白することを宣言する。その後、天野エリカが凪の自宅を訪れ、実の両親とのスキンシップを図るが、その帰り道に天野父の策略により、凪はエリカと共に新たに用意された別宅へと連れて行かれ、強引に同棲生活を送ることとなる。期間は2週間で、プール付きの大豪邸に二人きりという状況に動揺する凪だったが、一方のエリカは父親の強引さはいつものこととばかりに、抵抗することをあきらめた様子で、この状況を受け入れていた。しかし、このままでは両親の思うがままに結婚させられてしまうと考えたエリカは、別宅での同棲生活を送るための決まりを作ることを提案。それは今後いっさいお互いに関与しないというものだった。凪は二つ返事でその提案に同意するが、用意された個室に入ってはたと気づく。2週間後は実力テストの日で、いつも家の手伝いで忙しく、自分だけの時間を持つことが難しかった凪にとって、この環境は勉強だけに集中するまたとないチャンスだと考えていた。そして凪の頭をよぎったのは、テストの結果を褒めるひろの顔と、自分がひろに好きだと告白する姿だった。

許嫁

海野凪は、最愛の人である瀬川ひろにも許嫁がいることを明かされ、ショックを受ける。その事実に落ち込むが、ひろから誰もいない朝の学校でいっしょに勉強する朝活に誘われた凪は、ひろとの関係に悩みを抱きながらも、これは許嫁から自分を奪って欲しいという意思表示に違いないと自分を納得させる。さらにひょんなことから、御朱印集めが共通の趣味であることを知った二人は急接近する。これまでの気乗りしない登校が一転、凪の学校生活はバラ色に変貌すると思われたが、そんな凪のクラスに私立オルフェウス女学院から天野エリカが転校してくる。エリカは、凪とベッド上で撮った写真が学校に知られ、退学を余儀なくされてしまったが、本当の事情を知る天野父の計らいで、凪のいる目黒川学園高校に転校が決まったのである。しかもエリカは凪の驚く顔見たさに、その事実を秘密にしていたのだ。そしてエリカは、二人の関係を秘密にすることを凪に約束させ、同じ学校での新生活をスタートさせる。凪はSNSで有名なエリカが、クラスの人気者になることを危惧するが予想に反し、みんなはエリカに興味を示すものの、みんな遠巻きに見るだけで、誰もエリカに声をかけようとしない。一方のエリカも緊張感を漂わせており、人を寄せ付けないオーラを放っていた。凪は仕方なく声をかけようとすると、ひろがエリカに声をかけて二人はあっという間に意気投合し、それまで浮いた存在だったエリカはこれがきっかけで学校になじんでいく。さらに、ひろはエリカの大ファンだったことを明かし、凪と二人で行っていた朝活にエリカも参加させたいと言い出す。その日の夜、エリカは凪がひろに思いを寄せていることを知り、仲を取り持ってあげると約束し、やる気を見せる。翌日の朝活ではキューピッドの姿となり、凪をけしかけようとするが、エリカと凪の自然なやり取りを見たひろは、凪とエリカの方がお似合いと言い出す。予想外の展開に動揺する二人に追い打ちをかけるように、ひろはエリカのことがもっと知りたいと、家庭訪問を提案する。

兄妹

海野幸は、海野凪天野エリカが同居することを知り、荷物を持って自宅を飛び出し、二人が住む別宅へと転がり込む。海野奈美恵から、幸を説得して欲しいと頼まれた凪は、一晩泊まったら家に帰るように幸を諭そうとするが、幸はここに住むの一点張り。その理由は、経済的に苦しい実家のため、目黒川学園高校に進学したいから勉強を教えて欲しいというものだった。しかし幸は、凪の部屋で寝るのを嫌がったり凪が作った食事を嫌がったりとわがまま放題で、凪と大喧嘩してしまう。見かねたエリカは幸を連れて自室に入り、幸がここに来た本当の理由を尋ねる。すると幸は、急に家を出て行ってしまった凪が、このままエリカと結婚してしまうのではないかと不安を吐露し、もう少し凪といっしょにいたいと涙する。二人の話を部屋の外で聞いていた凪は、幸をしばらく預かることを決め、実家の両親を説得。そして凪は、エリカと幸と三人での暮らしを始めることとなる。そんなある日、幸は凪が別の女性とデートしていることを知り、イライラした思いにとらわれていた。エリカという許嫁がいるにもかかわらず、ハレンチだと口走るものの、エリカからお兄ちゃんが取られたことが嫌なのではないかと図星を突かれる。幸は凪を兄として慕いながらも、凪から妹扱いされることに不満を持っていたのだ。凪に対する強い執着が兄と慕うものなのか、それとも違う思いなのかがはっきりせず、モヤモヤした思いを抱く中、幸は思わぬアクシデントに見舞われてしまう。

好き

海野凪瀬川ひろのデートを目撃した天野エリカは、凪が自分といる時にはない笑顔を見せていることに少なからずショックを受けていた。自分の中にあるモヤモヤを払拭するため、エリカは凪をデートに誘って二人だけで一日を過ごす。しかし、ひろといる時のような笑顔を見せることのない凪に苛立ったエリカは、凪は自分の許嫁ではないのかと詰め寄り、自分の中にある満たされない気持ちを吐露。ひろとの仲を取り持つと言った言葉に噓はなかったが、実際に二人の楽しそうな姿を目の当たりにすると複雑な気持ちになると胸の内を明かす。これを聞いた凪は、エリカが嫉妬していることを察し、自分のことが好きなのかと尋ねる。するとエリカから返って来たのは、「好きじゃない、まだ」という微妙な言葉だった。この言葉で、凪はエリカが今後自分を好きになるかもしれないと考え始め、自分がエリカにときめいていることに気づく。凪は思い人がひろだけだと自覚しつつも、本当にそうなのか自信が持てなくなり、そもそも好きという感情がどんなものなのかわからなくなる。答えのでない問題に煮詰まった凪が実家に戻ると、独身時代に海野洋平海野奈美恵に送ったラブレターが大量に保管されているのを発見。さらに洋平から当時の熱い思いを聞き、自分も同じことがひろにできるだろうかと考えた時、そこに迷いがあることに気づいてしまう。そんな凪の様子を見た洋平は、恋に迷ったら自らのハートに聞けばいいと、恋愛の先輩としてアドバイスを送り、自分の大切な人は誰かと凪に問いかける。そして、言われるがままに目を閉じた凪の脳裏に浮かび上がったのは、予想外にもエリカ、ひろ、幸の三人の顔だった。

関係

夏祭りの日、海野凪天野エリカの二人が海野幸を自分の妹であると紹介したことで、瀬川ひろから三人の関係性を疑われることになる。そして凪とエリカが取り違え子であり、許嫁の関係にあることをひろに打ち明けると、ひろは予想もしなかった事実に驚きを隠せない。しかしひろは、自分にも許嫁がいることをエリカにも伝え、三人で許嫁同盟だと、軽い調子で事を荒立てることなくその場を収める。だが幸は、凪の思い人であるひろに対して不信感を抱いていた。文武両道で完璧なひろが、ふだんは別の人格を隠しているはずと、エリカと協力してひろの日常を観察し、彼女の本性を暴こうと躍起になる。そんな中、幸は受験シーズンを迎えて、志望校を凪のいる目黒川学園高校一本に絞ることを決める。受験勉強にも本腰を入れるようになり、学校説明会にも参加。そして、ひろに校内を案内してもらった際に、凪のことをどう思っているのかを直接聞くという荒業に出る。その後、ひろとエリカで勉強合宿が計画され、凪と幸も加えた四人で軽井沢の別荘へ行くことが決まる。しかし直前になって幸が体調を崩し、不参加となってしまう。それを知った同級生のチャラ男、遊馬シオンは、幸の穴を自分が埋めると当日強引に合宿に参加。以前から大ファンだったエリカに接近しようとやる気を見せ、凪に協力を呼びかける。

テレビアニメ

2022年テレビアニメ化。4月23日よりテレビ朝日系列のNUMAnimation枠にて放送。制作はシンエイ動画、SynergySP。キャストは主人公の海野凪を石川界人、天野エリカを鬼頭明里、瀬川ひろを東山奈央、海野幸を小原好美が演じる。

登場人物・キャラクター

海野 凪 (うみの なぎ)

超名門進学校と名高い目黒川学園高校に通う2年生の男子。年齢は16歳。貧しい家庭で育ったため、高校には授業料免除の特待生として入学した。家では日常的に当番で家事を行っており、料理も得意。両親は元ヤンキーで、明るく賑やかな家庭に育ったが、友達もおらずにいつも一人で勉強しているため、クラスではいわゆる陰キャとして認定されている。しかし勉強に関しては万年2位で、いつもあと一歩及ばない結果となっている。勉強に打ち込んでいるのは、将来両親を楽させてあげたいという考えから。また、両親からは海野家の家訓に則(のっと)った教育を受けてきたため、見た目に似合わず腕っぷしは強く、男気がある。生まれたばかりの時に産院で取り違え事故が起こり、自分がその当事者であることを16歳で知らされることとなった。本当の両親との顔合わせに向かう途中で天野エリカと知り合い、その後エリカが自分と取り違えられた当事者であることを知る。そして、実の子も育ての子も大切というお互いの両親から、エリカとの結婚を提案されて許嫁の関係となった。もともと海野凪自身には瀬川ひろという思い人がおり、エリカと結婚する考えはまったくない。ひろからは、自分よりも頭のいい人がタイプと言われたため、日々勉強に勤しんでいる。学年1位のひろからその座を奪った暁には、ひろに告白しようと心に決めている。その後、悲願の学年1位を獲得するも告白は受け入れられなかったため、結局その後も勉強を続けることになる。ひろにも許嫁がいることを知り、落ち込むものの、許嫁から自分を奪って欲しいのではないかと都合よく解釈し、ひろを思い続けることを決める。そんな中、早朝の学校で勉強を行う朝活や御朱印集めという共通の趣味をきっかけに、ひろとの関係は少しずつ変化していく。エリカとは天野父の強引な提案により、突然用意された別宅で二人きりの生活を始めることとなる。最初は2週間という期限付きの予定だったが、実家のトラブルが原因で、別宅での生活を余儀なくされることになる。その後はさらに海野幸も加わり、三人での生活を始める。エリカがオルフェウス女学院から転校してからは、お互いの関係を秘密にして学校生活を送っている。ひろとエリカ、さらには幸との距離感に悩み、自分にとって誰が一番好きなのかわからなくなる。

天野 エリカ (あまの えりか)

清純派の超お嬢様学校として知られる私立オルフェウス女学院に通う2年生の女子。年齢は16歳。最近SNSで話題を集めている美少女。父親はホテル王で、運転手付きの車での送迎や支払いすべてがカード決済など、名実共に超の付くほど生粋のお嬢様。16歳にして親の決めた許嫁との結婚をせまられており、それを拒絶するために自殺するフリの動画を撮影してネットに投稿しようとした際、海野凪と知り合った。その後、お互いが生まれたばかりの頃に産院で取り違えられた子供同士であることを知る。お互いの顔合わせの際、実の子も育ての子も大切という互いの両親から、凪との結婚を提案される。自宅は巨大な門と壁に囲まれた豪邸で、国内に別荘が三つ、海外にも三つ所有している。凪の暮らしている部屋を見て、育った環境が自分と違いすぎることに困惑しているが、本当の両親である海野家の両親や実妹の海野幸と、もっとなかよくなりたいと考えている。その後、天野父の強引な提案により、突然用意された別宅で凪と二人きりの生活を始めることになる。最初は2週間という期限付きのはずだったが、海野家のトラブルが原因で、凪が出戻る形となり、引き続き別宅での同棲生活を余儀なくされることになる。その後はさらに幸も加わり、三人での共同生活を始める。それからは幸に服をプレゼントしたり、悩み事を聞いてあげたりと、実の姉妹としての時間を少しずつ取り戻していく。また、凪とベッドで撮った写真が学校に知られたことが原因で、オルフェウス女学院からの退学を余儀なくされ、目黒川学園高校に転校し、凪と同じクラスに編入することになる。その後は凪との関係を秘密にして学校生活を送ることになる。人見知りなところがあり、転校直後は周囲を寄せ付けないオーラを発していたが、クラスメートの瀬川ひろから声をかけられ、校内を案内してもらったことでなかよくなる。凪の思い人がひろであることを知り、凪にはキューピッドとなって協力することを宣言したが、凪への思いが無自覚にも募っていく。父親の強引な提案に思うところがあり、親子関係はあまりうまくいっていない。

瀬川 ひろ (せがわ ひろ)

超名門進学校と名高い目黒川学園高校に通う2年生の女子。年齢は16歳。何かとドジなところが目立つ天然系ながら、つねに学年1位の成績を収めている。海野凪から思いを寄せられているが、好きなタイプは自分より頭がいい人と発言したため、凪からはライバル視されている。運動神経も抜群で優しくて社交性があり、これまで告白してきた男子は数知れず。さらに男子だけでなく女子からも慕われている。非常に頑固で負けず嫌いなところがあり、勉強やスポーツだけでなく、日直や掃除、食事のスピードに至るまで誰にも負けたくないと考えている。また思い込みが激しく、周囲を顧みずに勝手に一人で行動を起こしてしまう傾向にある。実は天野エリカのファンで、SNSで彼女を知ってファンになった。エリカが同じクラスに転校して来た際には、人見知りのエリカに誰よりも早く声をかけ、校内を案内した。エリカと行動を共にするようになり、なかよくなっていく。目黒明神という大きな神社の一人娘で、後継ぎ問題による親の決めた許嫁がおり、神社に生まれた運命として受け入れていた。しかし凪からの告白を受け、凪なら瀬川ひろ自身の運命を変えてくれるのではないかと淡い期待を抱いている。高校の合間に巫女(みこ)のアルバイトをしており、御朱印を描くこともある。ふつうに書く字は恐ろしいほど汚いが、御朱印はかっこよく描くために人気がある。5月2日生まれの牡牛座で、血液型はO型。趣味は御朱印集めで、趣味の域に留まらない御朱印コレクターを自称している。空手は三段の腕前を持つ。絶叫マシーンが大好き。

海野 幸 (うみの さち)

海野凪の妹で、中学3年生の女子。海野洋平と海野奈美恵の実の娘で、凪とは血のつながりはない。天野エリカの実妹にあたる。愛嬌があって人見知りもしないため友達も多く、両親が営む庶民向けのお食事処「海野亭」の客とも積極的に交流している。もともとブラコン気味で凪を慕っていたが、血のつながりがないことを知り、心境は複雑なものとなっている。エリカに対しては、初めは素直になることができなかったが、その後は意気投合して実の姉としてエリカを慕うようになり、親友のような関係を築いていく。凪がエリカと別宅で暮らし始めたことで、心境の変化があり、自分も家を出ることを決意。凪との関係がこれっきりになってしまうことを寂しく思い、凪とエリカが暮らす別宅で自分もいっしょに暮らすことを決めた。凪に対する強い執着が兄と慕う思いなのか、そうでないのかは理解できていない。むしゃくしゃした時はバッティングセンターに行くことがよくあり、無心でバットを振ったあと、銭湯で汗を流すことで気分をリフレッシュさせている。成績はあまりよくないが、幼い頃からやると決めたことはやり遂げる芯の強さを持つ。受験シーズンを迎えて、志望校を凪が通う超進学校の目黒川学園高校一本に絞った。

天野父 (あまのちち)

天野エリカの育ての父親で、海野凪の実父。ホテルを経営しており、エリカからは「ホテル王」と称されている。自宅は巨大な門と壁に囲まれた豪邸で、それ以外にも別荘を国内に三つ、海外にも三つ所有している資産家。穏やかな性格ながら少々強引なところがあり、飄々(ひょうひょう)としていてつかみどころがない。なんでも自分の思いどおりにしなければ気が済まないタイプで、それがエリカから嫌がられる要因となっている。エリカが生まれて16年が経ち、産院で取り違え事故が起きたことが判明する。エリカと凪には幸せになって欲しいと願っており、二人が結婚すればどちらも自分の子供になるという考えのもと、二人の結婚について前向きに協力している。エリカと凪が二人で暮らすための別宅を用意し、二人の動向を見守っている。

海野 洋平 (うみの ようへい)

海野凪の育ての父親で、天野エリカと海野幸の実父。妻の海野奈美恵と共に元ヤンキーで、喧嘩っ早いところもあるが、生活は苦しいながらも元気で明るい家庭環境を築いている。サングラス姿で外見はかなりファンキーだが、子煩悩なところがある。庶民向けのお食事処「海野亭」を営んでおり、1階は店舗で2階に暮らしていたが、老朽化により水回りに問題が発生している。危険のために店は休業となり、仮住まいでの生活を余儀なくされることになったうえ、一時的ではあるが無職となり、生活はひっ迫していく。趣味は釣りで、凪が幼い頃に強引に連れて行き、自分よりも大物を釣るまで釣りをやめないと、凪にはっぱをかけていた。実は凪を釣りに誘うのはいつも凪が考えごとをしている時で、釣りをしているあいだだけは悩んでいたことを忘れられるだろうという理由で、凪を連れ出していた。海野家には「売られたケンカはすべて勝て!!」「借りた恩は倍返しせよ!!」「感謝の気持ちを忘るるべからず!!」「腹を据えて人と向き合うべし!!」「一度始めたら最後まで!!」「壁は越えるためにある!!」など数々の家訓があり、夫婦共にこの家訓に則って子供を育ててきた。

海野 奈美恵 (うみの なみえ)

海野凪の育ての母親で、天野エリカと海野幸の実母。明るく何事にも動じない肝の据わった性格で、エリカや幸とよく似た美人。夫の海野洋平と共に庶民向けのお食事処「海野亭」を営んでおり、1階は店舗で2階に暮らしていたが、老朽化により水回りに問題が発生している。危険のために店は休業となり、仮住まいでの生活を余儀なくされている。元ヤンキーで、生活は苦しいながらも元気で明るい家庭を築いている。凪が生まれてから16年経ち、産院で取り違え事故が起きたことが判明。エリカと凪には幸せになって欲しいと願っており、二人が結婚すればどちらも自分子供になるという考えのもと、エリカと凪が結婚を視野に入れて交際することに賛成している。甘いものが苦手。

ひろの母 (ひろのはは)

瀬川ひろの母親。ひろが海野凪と天野エリカを自宅である目黒明神に連れて来た際、エリカだけにケーキを振る舞い、凪を邪険に扱った。明らかに凪のことだけを警戒しており、それをあからさまに態度にあらわしている。

遊馬 シオン (あすま しおん)

超名門進学校と名高い目黒川学園高校に通う2年生の男子。年齢は16歳。海野凪と瀬川ひろのクラスメートで、天野エリカの大ファン。軽いノリのチャラ男で学校の遠足では、エリカとお近づきになろうと画策し、強引に凪とひろのグループに割り込んだ。その後も、エリカが軽井沢の別荘で勉強合宿を行うことを知り、不参加になった海野幸の代わりに自分が参加すると言い張り、当日強引に仲間入りした。目的のためには手段を選ばない強引なタイプだが、肝心なところで一歩踏み出せないという、憎めない一面もある。

柴田 (しばた)

私立オルフェウス女学院のとなりにある高校に通う男子高校生。天野エリカのファンを自称して、SNSで彼女を知ったあとに本人を特定し、以来エリカをつけ回してはストーカーまがいの行動で困惑させている。つねに二人の舎弟と行動を共にしており、ある時エリカと親しそうにしていた海野凪にケンカを売って、逆にボコボコにされてしまう。それ以来、姿を現すたびに凪にケンカを売っては反撃され続けている。

書誌情報

カッコウの許嫁 25巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2020-05-15発行、 978-4065193808)

第2巻

(2020-07-17発行、 978-4065201084)

第3巻

(2020-09-17発行、 978-4065205976)

第4巻

(2020-11-17発行、 978-4065212547)

第5巻

(2021-01-15発行、 978-4065216422)

第6巻

(2021-04-16発行、 978-4065225226)

第7巻

(2021-07-16発行、 978-4065235805)

第8巻

(2021-09-17発行、 978-4065248379)

第9巻

(2021-11-17発行、 978-4065260005)

第10巻

(2022-01-17発行、 978-4065266021)

第11巻

(2022-03-17発行、 978-4065272831)

第12巻

(2022-05-17発行、 978-4065279182)

第13巻

(2022-07-15発行、 978-4065284315)

第14巻

(2022-10-17発行、 978-4065294888)

第15巻

(2022-12-16発行、 978-4065299371)

第16巻

(2023-03-16発行、 978-4065306284)

第17巻

(2023-05-17発行、 978-4065315842)

第18巻

(2023-08-17発行、 978-4065326084)

第19巻

(2023-10-17発行、 978-4065331514)

第20巻

(2023-12-15発行、 978-4065338858)

第21巻

(2024-02-16発行、 978-4065345672)

第22巻

(2024-04-17発行、 978-4065351765)

第23巻

(2024-07-17発行、 978-4065361597)

第24巻

(2024-09-17発行、 978-4065367711)

第25巻

(2024-11-15発行、 978-4065374405)

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