歴史上の人物が現代に転生してしまった漫画５選0 Pt.

中国の三国時代、蜀の劉備玄徳に仕えた名軍師として知られる諸葛亮孔明。五丈原の戦い半ばに倒れた彼だが、死を受け入れた次の瞬間、なぜかハロウィンで盛り上がる夜の渋谷の街に立っていた。パリピなゾンビコスプレの一団に気に入られた孔明は、大音量のダンスミュージックで盛り上がる渋谷のクラブへと連れて行かれ、シンガーソングライターの月見英子の歌に心奪われる。朝になりクラブの前で酔いつぶれていた孔明は英子に拾われ、かつて自分が過ごした三国時代から1800年も後の日本に若返って生まれ変わったことを知る。魂を揺さぶる英子の歌にほれ込んだ孔明は、プロの歌姫になる夢を諦めかけていた英子をプロデュースする軍師となり、彼女の夢を支えることを宣言する。

本作の物語は、ある日突然現代によみがえった偉人たちを収容する「偉人館」の管理人である四条椿と、ウツケモノで名高いオダノブナガを中心に展開する。「偉人館」の住人は、オダノブナガやアケチミツヒデといった戦国武将だけでなく、ダザイオサムやサカモトリョウマ、果てはヤマトタケルまで、時代を超えて様々な歴史上の偉人が住んでいる。歴史に名を残した偉人たちはいずれも個性が強く、問題行動や奇行もあたりまえ。はじめは偉人たちを敬い管理人となった椿だったが、実際に出会った偉人たちは傲慢で自己中な困った人々ばかり。椿は第六天魔王と呼ばれたノブナガから大魔王といわれるドSっぷりを発揮しつつ、今日もわが道を行く偉人たちの管理に奔走する。

雑貨メーカー勤務のOL藤原沙織がある夜自分の部屋でくつろいでいると、突然窓から平安貴族のコスプレをした謎のイケメン男性が侵入して来た。驚いて一度は部屋の外に逃げた沙織だが、護身用の金属バットで男を撃退することを決意。男をあっさり殴り倒し、気絶させることに成功する。だが、警察を前にしても、まるで要領を得ない貴族のように話す男を見て、沙織はなんとなく責任を感じ、彼をしばらく部屋へ置いてやることにする。事情を聞けば、男は光源氏そのもの。右大臣の娘に手を出し逃げる途中で道に迷い、時間や時空を超えて沙織の部屋にたどり着いたのだという。平安時代に帰る方法を捜すことにした光源氏は、SNSで短歌を詠みつつ現代を楽しむ、ご機嫌な居候生活を始める。

尾田家のペットの柴犬「シナモン」。彼はかつて、第六天魔王と恐れられた戦国の覇王、織田信長であった。現代日本の犬に生まれ変わった彼は、あまりのふてぶてしさにペットショップで処分されそうだったところを女子高生の市子に買われ、尾田家にやってきた。死の間際に「来世は犬畜生まで落ちるか」などと口にしたために犬になったのではないかと疑い、「格好つけてあんなことをいわなきゃよかった」と、庭の芝生でゴロゴロしながら後悔する日々を送る。彼の住む街には、フレンチブルドックに転生した伊達政宗や、ポメラニアンに転生した武田信玄など、なぜか犬に生まれ変わった戦国武将が多数。作中ではそんな彼らにより、殺伐とした前世とのギャップが大きすぎるワンちゃんライフが描かれていく。

本能寺の変を経験した織田信長が、平成の日本の一般家庭に転生し、歴史シミュレーションゲームにいそしむという変わり種作品。引きこもり気味の信長だが、この時代のお母さんはお腹がすいたら部屋から出てくるでしょうという「ゆとり」な方針。そんな信長のもとに、同じく戦国時代から転生した森蘭丸が戦国を思いださせるものとして『信長の野望 創造』を持参する。お母さんに怒られながらもゲームにいそしむ信長だが、そのうち、スナック「聚楽第」を経営する豊臣秀吉など、同じ町に生まれ変わった戦国武将たちとの交流もはじまっていく。「リボーン」してユルい暮らしを過ごす彼らの日常がギャグテイストたっぷりに描かれた異色作だ。