連続首吊り事件と都市伝説「自殺幇女」の謎と恐怖が描かれた、ホラーサスペンス小説のコミカライズ作品。主人公の早乙女境輔(さおとめきょうすけ)は、不可解な首吊り事件が多発している町・魂香町(こんごうまち)で暮らしている大学生の青年だ。彼はある時期から毎晩、自分で首をくくるという恐ろしい夢を見るようになっており、首吊り事件に対して人一倍強い不安感を抱いていた。そんな早乙女の前に、自らを自殺コンサルタントと名乗る謎の女性「ヒラサカコヨミ」が現れる。
早乙女の住む町では2年前から首吊り事件が頻発しており、その裏ではある噂が囁かれていた。その噂とは、自殺願望がある人間の前に現れ、楽に死ぬ方法を教えてくれる「自殺幇女」の噂。首吊り事件は、自殺幇女に首吊りを勧められそれを断った者が、彼女に殺されて吊るされているのではないか、というものだった。ただの都市伝説かと思われた自殺幇女だったが、ある日早乙女の前に修道服姿の女が現れ、「理想の自殺をさせてさしあげる」と告げる。この日を境に、早乙女の命は自殺幇女という死神の手に握られてしまった。もちろん死にたくない彼は彼女の魔の手から逃げ出そうとあがくことになる。果たして早乙女は自殺幇女から逃げ切ることができるのか。スリリングな展開から目が離せない。
小説家・京極夏彦の百鬼夜行シリーズ第4弾のコミカライズ作品。箱根の山奥にある旅館「仙石楼」の庭園に、突如僧侶の死体が出現した。関係していると思われるのは、地図にない寺・明慧寺。やがて明慧寺という名の「檻」の中で、僧侶たちの連続殺人事件が起こる。この不可解な事件に挑むのは、中野で古本屋「京極堂」を営む傍ら、副業として「憑物落とし」「拝み屋」としても活動している京極堂こと中禅寺秋彦だ。京極堂は明慧寺に取り憑く深い闇と向き合うことになる。
ミステリー史上最も衝撃的な動機が描かれているとして話題となった百鬼夜行シリーズ第4弾『鉄鼠の檻』。その煽り文句が気になって多くの人が原作である小説に手を伸ばしたが、結末を見る前に挫折した人もまた多かった。京極夏彦の百鬼夜行シリーズはどれも分厚く難解で、読破が難しいのだ。そこでオススメなのが本作だ。本作は小説『鉄鼠の檻』を、その世界観を崩すことなくわかりやすい絵で表現し、誰でも気軽に百鬼夜行シリーズの世界を楽しめるようになっている。作画を担当している志水アキは他の百鬼夜行シリーズのコミカライズも手がけており、難解な謎の解釈・描き方はお手の物。原作のファンにも、原作を知らない人にも、ぜひ手に取ってみてほしい作品に仕上がっている。
冤罪で死刑囚となった主人公が、過去にタイムスリップして事件解決のために奔走する追跡クライムサスペンス。剣崎マコトは、2003年に発生した「横浜線彫刻家連続殺人事件」の犯人として捕らえられた男。事件から11年後、彼は冤罪であることを証明できぬまま、絞首台に送られて死亡したはずだった。ところがマコトが気がつくと、そこは外の世界。彼は死刑執行と同時に、事件発生前にタイムスリップしたのだ。マコトは事件を防ぐため、過去の自分を相棒に立ち上がる。
2003年、夏。東神奈川駅と八王子駅を結ぶJR横浜線沿線にて、4人の他殺体が次々と発見された。被害者は皆彫刻家で、死因は窒息死。事件発生から数週間後、警察は彫刻家の剣崎マコトを逮捕。そして11年後、彼の死刑が執行される。死の直前まで真犯人に対する強い恨みを口にしていたマコト。気がつくと、彼は事件発生の24日前にいた。自分が事件発生前の世界にタイムスリップしたことを知ったマコトは、事件の真犯人を見つけて復讐することを決意。唯一信じられる存在である、過去の自分に協力を求める。果たして2人のマコトは真犯人を見つけ、死刑という残酷な未来を回避することができるのか。予想外の展開の数々に、読者は息を呑むだろう。
マスクを被った異能力者たちのバトルが描かれたバトル&学園サスペンス漫画。主人公は、新聞部に所属する普通の中学生、ワッタこと矢上和汰郎。彼の住む街では、「袋人間事件」と呼ばれる不可解な連続殺人事件が発生しており、その犯人はガスマスクを被った少女「マスクさん」だと言われていた。マスクさんの正体がクラスメイトの氏家霧花(うじいえきりか)であることを知ったワッタは、好奇心で彼女に近づくのだが、それがきっかけで思いがけない非日常に足を踏み入れることになる。
ワッタの住む街で起こっている「袋人間事件」。それは、不可解な連続殺人事件だ。被害者は全て首がなく、まるでその代わりとでも言うように紙袋が被せられている。その犯人は、ガスマスクにセーラー服という奇妙な姿をした少女「マスクさん」。ある日、ワッタはマスクさんとその足元に転がる頭部に紙袋が被せられた死体に遭遇。マスクさんのガスマスクの下にある素顔を目撃してしまう。その正体は、ワッタのクラスメイトである少女・霧花だった。実は霧花は異能力を持つ人間で、秘密裏に謎の袋人間と日々戦っていたのだ。ガスボンベを武器に、袋人間を倒していく霧花。ワッタはそんな彼女に強く惹きつけられる。ガスマスクを被った異色のヒロインの活躍を、ワッタと共に見守ろう。
強い恨みに囚われた1人の少年の復讐劇を描いた、ファンタジー復讐譚。世間ではある連続殺人事件が大きな話題となっていた。それは悪人たちばかりが狙われ殺される事件、通称「審判者事件」。それらの殺害方法はとても不可思議かつ非現実的で、とても人間のやったこととは思えない。警察は気味の悪さを覚えながらも、事件の真相を暴くべく犯人「審判者」を探し求めて捜査を続ける。そしてその裏で、謎の少年・曠空象矢(むなししょうや)も審判者を探していた。
ある日、黒い噂の絶えない元大臣が、全身の骨という骨を全部折られて死亡するという事件が起きた。現場にあったテレビには天秤型のヒビが入っており、警察はこの事件が近頃話題となっている連続殺人犯「審判者」に関係していると考える。審判者が狙うのは、警察に捕まることなく人生を謳歌している悪人ばかり。そのため世間では、審判者をヒーローだと讃える声も上がっている。一方で、審判者に対し強い恨みを抱く者もいた。それが象矢だ。彼の両親は審判者に殺害された。確かに象矢の両親は象矢本人が認めるほどの極悪人だったが、それでも象矢にとっては唯一無二の両親だったのだ。象矢は審判者に復讐すべく悪魔と契約。天使にも似た存在である審判者に戦いを挑む。