人に仇なす妖魔を討伐する半人半妖の女戦士たちの戦いを描いたダーク・ファンタジー漫画。人間を捕食する妖魔の手により、平穏を失った村から物語は始まる。村長は、妖魔に対抗すべく作られた「クレイモア」という組織に討伐を依頼。女戦士クレアが村を訪れ、圧倒的な力で妖魔を駆逐する。その後、クレアはある目的のため、村で知り合った少年・ラキと共に旅をするのであった。2007年にテレビアニメ化。
本作での獅子とは、「獅子王リガルド」だ。半人半妖の限界を超えた力を持つ男性覚醒者である。同じく男性覚醒者であるイースレイに戦いを挑み、敗れたのちは彼に付き従う。覚醒すると銀眼のライオンのような姿になり、おそろしい戦闘能力を発揮する。クレアとの戦いでは、あと一歩のところまで彼女を追いつめるも覚醒したクレアの力に敗れた。「クレイモア」とは大剣の名称だ。組織に属するクレアらも、妖魔を討伐する際に用いる大剣から「クレイモア」と呼ばれる。妖魔と孤独な戦いを続ける彼女たち、半人半妖の女戦士の悲哀を描いた作品である。前作『エンジェル伝説』もギャグ漫画でありながら孤独を描いた作品であった。そんな作者の感性が存分に発揮されたのが本作である。
戦国時代を舞台に、獅子面の変身ヒーローが悪と戦う時代劇漫画。同名特撮時代劇の名作をコミカライズした作品。日本制覇を目論む大魔王ゴースンを打ち倒すために旅をする獅子丸らの活躍を描く。ゴースンに師匠「果心居士(かしんこじ)」を殺害された獅子丸は受け継いだ忍剣でライオン丸に変身し、同門の沙織、小助と共に行く先々でゴースン配下の暗黒魔人と戦うのであった。続編に同名番組のコミカライズ『風雲ライオン丸 』がある。
同名テレビ番組のコミカライズである本作は、登場する怪人のおどろおどろしさ、戦国時代のものものしさを描き切っている。はじめに獅子丸が戦う「ヤマワロ童子」に村人が殺害される様子などは、当時学習誌に連載されたものであるが、なかなかに残酷である。そして特撮の見どころのひとつである殺陣も迫力をもって描写される。子ども向け作品ながら、現在においても大人の鑑賞に足る作品だ。円谷プロの「ウルトラマン」シリーズをはじめ、特撮ヒーロー作品のコミカライズを多く手掛けた作者による作品のひとつだ。特撮プラス時代劇のいいとこどりともいえる本作は、原作であるテレビ番組の良さを損なわず、さらに新たな魅力を付け加えている傑作である。
遥か未来の銀河系を舞台としたSF戦争漫画。同名のSF小説をもとに、作者の独自の解釈で描き出されるコミカライズ。宇宙戦争を行っている二大勢力の中「銀河帝国」に生を受けたラインハルト・フォン・ローエングラム。彼は皇帝の寵姫となった姉を解放するため、軍人になることを決意する。原作小説は1988年より劇場アニメ、ビデオアニメ化。また2018年に『銀河英雄伝説 Die Neue These』としてテレビアニメ化、2019年に劇場アニメ化された。
主人公・ラインハルトは戦争の天才であり「金髪の有翼獅子(グリフォン)」、「獅子帝」などの異名を持つ。本作は彼の幼少期から始まり、時系列順に展開される。没落貴族のもとに生まれたラインハルトは、下町に移り住み、そこで生涯の親友ジークフリード・キルヒアイスと出会い、友情をはぐくみ成長していく。そんな中、最愛の姉が皇帝に奪われたことで、ラインハルトは皇帝打倒を誓い、キルヒアイスとともに軍人を志すのであった。大人気SF小説を大胆なアレンジで描いた本作は、原作の良さを損ねることなく、スタイリッシュな作画で物語は進行する。『封神演義』、『屍鬼』のコミカライズを描き切った作者ならではの高い手腕がうかがえる傑作だ。
乱世の中国を舞台に、ライオンに育てられた少年が復讐のために修行の旅をする拳法格闘漫画。ライオンに育てられた身よりのない少年シシ。彼は村のはみ出し者として疎まれる日々を送っていた。そんなある日、手枷をした謎の男が村を訪れる。彼は乱世に平和をもたらすという救世主「獅子魂者(ライオンハート)」の20代目「マー・ライオン」であった。村人を手にかけた金虎党に復讐をすべく、シシとマー・ライオンの修行の旅が始まる。
獅子のような限りなき強さと優しさを持つといわれる「ライオンハート」。村でシシと出会った20代目のマー・ライオンは、心技ともに未熟ながらも継承者の証「獅子の紋章」を持ったシシに後継者の才能を見出す。そんなとき、村を金虎党が襲う事件が起きる。次期ライオンハートを探し出し抹殺すべく、金虎党は村人を殺害していくのであった。村人の仇をうつため、シシはマー・ライオンと修行の旅に出る。代表作『キン肉マン』終了後の1990年代にさまざまな格闘・バトル漫画に挑戦した作者の労作である。2011年に復活した『キン肉マン』に連なる作品のひとつであり、その王道の遺伝子は本作にも少なからず宿っている。
表向きは人材派遣会社に勤務する女性3人が、さまざまな職能を生かした極秘調査で社会悪を挫く痛快サスペンス漫画。人材派遣会社「タンポポ・スタッフ」の緊急極秘派遣ユニット「ダンデ・ライオン」に属するのは、明智涼子、雛山千夏、不動小百合の3人。企業がからむ事件解明のため、さまざまな職業に扮した潜入調査で、彼女らは極秘裏の調査依頼を解決していく。事件の真相を暴き、社会悪を正す彼女らの活躍を描いた痛快サスペンスである。
彼女らのユニット名「ダンデ・ライオン」とは、タンポポの英名であり「ライオンの牙」を意味する。可憐な風貌に不釣り合いなネーミングではあるが、腕利きの調査員である彼女らのユニット名にはぴったりだ。冒頭、依頼により「帝王ハワード食品」に派遣社員として潜入する「ダンデ・ライオン」。社には、とある事件を巡って自殺した社員の名前で脅迫文が届いていた。内容は社の主力商品に未承認の遺伝子組み換えジャガイモが使われていると告発するものであった。彼女らは真相を暴くため、まず脅迫文の差出人は誰か調査を開始する。タンポポの綿毛のように軽やかに社会悪を挫く正義の美女3人。彼女らがスタイリッシュに事件を解決していく様子は痛快そのものだ。