ギャングやマフィアが登場する漫画5作品43 Pt.

2018年10月にテレビアニメ化される『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』は、超常的な力「スタンド」を駆使する主人公・ジョルノ・ジョバァーナが、ギャングの世界で活躍する物語。それにちなんで、ギャングやマフィアなど、裏社会の住人たちが登場する漫画を紹介する。

本作の主人公・ジョルノは、義父から虐待を受け、近所の子どもたちにはイジメられるなど、過酷な幼少期を過ごしていた。しかしある日、敵対組織に追われるギャングの男を偶然かばったことで、ジョルノの生活は一変。律儀なギャングの男は、恩返しとしてジョルノを陰から見守るようになり、ジョルノは周囲の人間に軽んじられることはなくなった。その後ジョルノは健やかに成長し、「ギャングスター」に憧れるようになる。彼は、子どもに麻薬を売りつける組織を憎むような人物ではあるが、主人公自身がギャングというピカレスク的な雰囲気が強く、シリーズの中でも異彩を放つ内容といえる。

主人公・来実は、病気の母親と幼い双子の弟を抱え、バイトで家計を支える健気な女子高校生。一方の黒龍は、長身痩躯、切れ長の瞳に危険な光を宿すイケメンで、巨大マフィア組織のボス。普通なら、接点のない2人である。生まれも育ちもまったく異なるだけに、来実にとって黒龍の行動は予想外のものばかり。「欲しいと思ったもので、手には入らなかったものはない」と言い放つ黒龍は、下校途中の来実を強引に香港へ連ていくなど、やることなすことすべて強引。だがそれは、過酷な裏社会で育ち、本当の愛を知らないゆえの、不器用さの現れだった。黒龍の真の心を知った来実は、その愛を受け入れる。かくして、ハードでバイオレンスな恋愛劇が幕開く。

物語の舞台・エルガストルムは、コルシュカ、クリスチアーノ、モンローという3つのマフィア組織と、傭兵組合によって均衡が保たれている、犯罪都市だ。2人の主人公、ウォリック・アルカンジェロとニコラス・ブラウンは、新興の犯罪組織の壊滅を請け負うこともあるが、基本的にどの組織にも属さない、中立の立場。3つのマフィア組織と、1つ傭兵組合による危うい綱引きが続くエルガストルムで、壮絶な過去を背負いながらも強かに生き抜いていく彼らの姿は、ハードボイルドにあふれている。

様々な超常的効果を持つ「魔法銃」を数多く所有する黒幕を倒すため、ブレットは、裏社会で密かに流通している「魔法銃」を集めはじめる。その過程で彼は、通常の100倍の速さで動くことを可能にする「加速の魔法銃」の所有者にして、マフィアのボス・ジャック・ウェインと対峙。ウェインに対抗するため「加速の魔法銃」の試作品を手に入れたブレットとウェインが繰り広げる、超スピード対決は圧巻だ。ガンマニアであり、アメリカのクラシックカーに造詣が深い、作者・園田健一の持ち味が存分に活かされた作品。

物語の主人公・ジェームス・ブライアン（本名・マイケル・V・ネガット）は、NYマフィアのボス・アーサー・ネガットの甥にして、僅か4歳で国家的シンクタンクの特別研修生に選ばれた超天才。マイケルは11歳のとき、アーサーに恨みを抱くグループに誘拐されるが、出来の良い甥が疎ましかったアーサーは、事件を利用して始末しようと企てる。アーサーの目論見に気付いたマイケルは、彼の才能を高く評価していたロサンゼルスのギャング・ロナルド・エリー一家の庇護下に入り、「ジェームス・ブライアン」と名前を変える。だが、ギャング組織の幹部になることを拒否した彼は、15歳で逃走。穏やかな人生を望むジェームスだが、その経歴から世間の注目を集めがち。ゆえに彼の周辺では、さまざまなトラブルが巻き起こっていく。