平凡なサラリーマンと爬虫類好きのペットショップスタッフが織り成すアニマルコメディ。サラリーマンの海原入鹿(うなばらいるか)は、仕事の途中、癒しを求めて立ち寄った大型ペットショップで、無類の爬虫類好きのスタッフ・長良永(ながらなが)と運命的な出会いを果たす。彼女に影響され、今まで全く興味のなかった爬虫類に興味を抱くようになった入鹿は、ヤモリの一種・レオパを飼うことに。さまざまな爬虫類の魅力を教えてもらう内に、次第に永にも興味を抱くようになっていく。
主人公の入鹿は、ペットショップのスタッフで爬虫類が大好きすぎるヒロイン・永と出会ったことで生活が一変。爬虫類ライフを堪能するようになる。入鹿が飼うことになったのは、通称レオパと呼ばれる、ヒョウモントカゲモドキのレオパード・ゲッコー。初心者が最初に飼うのにオススメな、レオパード柄をまとったヤモリの一種だ。仕事に嫌気がさし、犬や猫のようなモフモフの癒しを求めてペットショップに立ち寄った入鹿だったが、レオパが餌をねだる姿などを見て、爬虫類にも意外と可愛い一面があることを知る。読み進めるうちに、さまざまな爬虫類に関する特徴や飼い方などのノウハウを学ぶことができると共に、次第に距離が縮まっていく入鹿と永の恋の行方も気になる作品だ。
平凡な男子中学生が、美少女に好かれたことから始まるピュアなラブコメディ。中学生の白根環(しらねたまき)は、爬虫類と両生類を専門に扱うペットショップの跡取り息子。とはいっても、爬虫類が好きなわけではなく、嫌々店の手伝いをしている。しかしある日、彼が店を手伝う姿に一目惚れしたという美少女・虻川(あぶかわ)さやが現れ、2人の恋が始まった。爬虫類が苦手なペットショップの跡取り息子と、爬虫類大好き美少女が、初々しい恋愛模様を織り成していく。
本作の主人公・環は、爬虫類と両生類を専門的に扱うペットショップの跡取り息子であるにもかかわらず、それらが生理的に苦手だと感じている中学生。そんな彼に告白してきたのは、家族そろって爬虫類が大好きという美少女のさや。彼女が飼っているのは、ヒョウモントカゲモドキ。さらに、彼女の姉妹や母も爬虫類好きで、家族ぐるみの付き合いへと発展していく。お互いを知っていくうちに、環が本当は爬虫類が苦手なことが判明するが、「嫌いなのに頑張って世話をしている姿は格好良い」と好感度は上がる一方だ。実は、さやの家族では、唯一、父親が爬虫類を苦手としているため、環と共感し合える間柄に。恋の進展はかなりスローペースだが、少しずつ2人の心の距離が縮まっていく様子がもどかしくもあり、微笑ましくもある。
32歳の青年と12歳の小学生が織り成すラブコメディ。爬虫類専門のペットショップに勤める主人公の青年・山本裕也は、女性よりも爬虫類に興奮を覚える「オフィディシズム(爬虫類性愛)」という特殊な性癖の持ち主。お店に訪れた美少女・九(いちじく)由莉に心惹かれるが、彼女はまだ小学6年生だった。こうして、特殊な性癖だけでなく、ロリコンというオプションまで付いてしまい、理性と煩悩の狭間で苦悩する。
世の中にはさまざまな性的嗜好を持つ人が存在するが、主人公の裕也は、爬虫類に性的興奮を覚えるオフィディシズム。32歳になるまで、人間の女性には全く興味を持たなかった。そのため、務めている爬虫類専門のペットショップは、彼にとってまさに天国のような職場だ。そんな裕也が心惹かれたヒロインの由莉は、「ヤモリを飼いたい」と来店した美少女だが、実はまだ12歳。親子ほど歳が離れている2人が交流を深めていく様子が、さまざまな爬虫類の魅力や飼い方の紹介と共に描かれている。作者・スガワラエスコ自身が実際にヒョウモントカゲモドキを自宅で飼育していることもあり、ラブコメではあるが、爬虫類についてもかなり詳しい情報が散りばめられた作品だ。
魔女と人間が暮らす世界を舞台にしたファンタジー。太古の昔より、魔女がいることで、自然と人間との調和が守られてきた世界だったが、権力に目が眩んだ国王が魔女へ処刑を言い渡す。一度は捕らえられた魔女・レーゼだったが、国のいたる所に呪いを撒いた後、姿をくらました。その結果、街には異形の形に変えられてしまった人間が続出。カエルに変えられた少女・エルカ、狼男と化した青年・アル、その元凶であるレーゼの娘・ヨマは、三者三様の目的を叶えるために魔女を探す三人旅を始める。
本作に登場する両生類は、魔女の呪いによって人間から姿を変えられたうえ、記憶喪失状態になったカエル娘のエルカだ。助けてくれた狼男のアルが、「カエル」を並び替えて付けた名前で、本名ではない。自分が何者なのかは分からないが、悲観的ではなく楽観的で明るい性格だ。そんなエルカと狼男のアルは、人間の姿に戻るため、そして、レーゼの娘・ヨマは失踪した母親に会うため、暗号文を読み解きながら魔女探しの旅に出発する。母親レーゼの呪いについて責め立てるアルに対し、「何か深い理由があるはずだ」と言うヨマ。旅するうちに、レーゼに悪影響を及ぼした「宵闇の魔女」なるものの存在が判明し、少しずつ真相に近付いていく。絵画的とも言えるユニークな作風で、童話のような雰囲気が魅力的だ。
小説家のワニと相棒のやんちゃなウサギが繰り広げるグルメ漫画。アルファルド・J・ドンソンという名を持つ主人公のワニは、穏やかな気質のジェントルマン。友だちのウサギ・ラビットボーイとさまざまなご当地グルメを食べ歩くことを何よりも楽しみしている。故郷のナイル川を思い出させる場面に出くわすと理性を失い、暴走してしまうのが玉に瑕だ。そんなワニとウサギの凸凹コンビが、ご当地グルメを堪能する姿が描かれている。
本作に登場する爬虫類は、シルクハットに蝶ネクタイ、ステッキという英国紳士スタイルで二足歩行している、穏やかな気質のワニだ。アルファルドという名前だが、小説家をしているためか「先生」と呼ばれている。大阪や香川、岩手など、どれだけ遠くても、ご当地グルメは現地で味わうというこだわりぶりで、お約束の食リポも小説家らしく文学的だ。普段は紳士的だが、時折野生の本能が顔を出すという、二面性のある先生の様子がユニークに描かれている。本来ならば絶対に一緒にはいないはずのワニとウサギが仲良く食べ歩きをするグルメ漫画という異色さだけでなく、さまざまな動物が登場するアニマル漫画としても楽しめるだろう。