輪廻転生を繰り返し、今に至ります！オススメ漫画５選63 Pt.

本作では、月から地球を見守っていた研究員たちの前世の記憶を夢で見る7人の少年少女による複雑な人間関係や前世の記憶が絡んだ愛憎劇が展開される。亜梨子の前世・木蓮は月基地ではマドンナ的存在で、動植物の感情を理解できる能力は亜梨子にも受け継がれた。紫苑だけは彼女に厳しかったが、それは愛情の裏返しでもある。輪の本当の前世は「紫苑」で、皆より転生が遅れた理由は秋海棠と紫苑の因縁によるものだ。紫苑の記憶に目覚めた輪は、過酷だった紫苑の人生を受け止めるにはまだ幼く、アンバランスな精神状態となっていく。しかし、亜梨子に対する愛情は本物だ。前世の記憶に縛られ、苦しみ悩む彼らが掴み取る未来に幸福はあるのか、最後まで見届けて欲しい。

本作の主軸である「ぴーひょろ一家」は、悪霊や生霊など、悪しきものから人々を守っている。しかし、4人で一つの「現世守護神」であり、誰か一人でも欠けるとその強大な霊能力は半減してしまう。ぴーひょろ一家の4人に血の繋がりはないが、家族の絆は本物以上に強い。彼らの繋がりは「理想郷」と呼ばれた世界が存在していた遥か昔にまで遡る。長女・綾子の前世は、大霊界の姫のアヴァロキティ・エマ。彼女は現世から来世へかける希望の象徴でもあった。長男の強太、次男のQ太（キューた）、三男のキョン太もエマと繋がりのある人物だ。展開が進むにつれて、彼らの記憶が少しずつ明らかになっていく。作中ではぴーひょろ一家を中心に、家族愛や兄弟愛など、様々な「愛」の形が描かれる。

主人公・うさぎの前世は、月の王国「シルバー・ミレニアム」のプリンセス・セレニティ。地球国の王子であるエンディミオンと相思相愛だったが、両国の掟により、恋仲にはなれずにいた。やがて争いが勃発し、自分を庇って亡くなったエンディミオンの後を追い、セレニティは自害してしまう。悲しんだ母親のクイーン・セレニティが「幻の銀水晶の力」を用いて二人や守護戦士たちを地球へ転生させたのだった。現世でうさぎの恋人となるタキシード仮面こと地場衛（ちばまもる）はエンディミオンの生まれ変わり。うさぎやセーラー戦士たちは、前世から因縁があるクイン・メタリアの組織「ダーク・キングダム」と現世で決着をつけるべく、激しい戦いへと身を投じていく。

現世において、鉱子が風太のクラスに転校生としてやってきたことで二人は知り合うが、輪廻転生の中で二人は様々な形で巡り合い、その都度戦ってきた因縁の相手だった。展開が進むにつれて、二人の間に積み重なった幾つもの因果が解き明かされていく。作中では「前世」は「過去生」と表現されており、二人は「スピリットサークル」と呼ばれる道具で過去生を見ていく。傷は転生先でも受け継がれていることが多く、風太の頬のアザは、鉱子の過去生の薬草師が、風太の過去生の騎士・ヴァンにつけた火傷の痕だった。風太はいくつもの過去生を見ていく中で、鉱子の過去生との関わりを知っていくが、やがて二人の因縁の始まりである最初の過去生のフルトゥナとコーコの出会いにたどり着く。

「転生」が信じられているこの国では、「出生局」によって国民の前世が管理されているが、内部では腐敗が広がり、前世を偽る詐欺も横行していた。大罪人ハローの生まれ変わりの烙印を押された者たちは、何の罪を犯したのかも分からないまま投獄される。2代目ハローを気にかけていた刑務官のアーロック・ベルマークが残した手記は、後に「教典」に懐疑的な刑務官のシナト・ノアへと受け継がれる。シナトと4代目ハローは脱獄し、約束の地である麦畑で皇憲隊のオレンジマンによって銃殺されるが、希望の灯は消えずに受け継がれていく。教典を利用した国政の歪みと不条理さに気付いた者たちが強大な「敵」に立ち向かっていく姿に胸を熱くさせられる。